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リザルト ポイント
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バトン、6位入賞で今季初のポイント獲得

2008年4月27日(日)
決勝
会場:カタルニア・サーキット
天候:晴れ
気温:22〜24℃

第4戦スペインGPの決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのジェンソン・バトンは、今季初の入賞となる6位を獲得。ルーベンス・バリチェロは、34周でリタイアに終わった。

一方、SUPER AGURI F1 TEAMは、佐藤琢磨が今季チーム最高位となる13位完走。アンソニー・デビッドソンは、8周でリタイアした。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開

決勝当日も快晴。直射日光は強烈だが、午後2時の時点で気温23℃、路面温度41℃。Honda Racing F1 Teamの2台を含めた全車が、オプションタイヤを装着して、レースは始まった。

1周目。フォースインディアとトロロッソの接触事故が起こり、早々にセーフティカー導入となる。さらに10番手のネルソン・ピケJr.(ルノー)がコースオフを喫して、バリチェロが11番手、バトンは12番手に上がる。

16周目、フェルナンド・アロンソ(ルノー)を皮切りに、各車が次々に1回目のピットインへと向かう。22周目の時点で、バリチェロ7番手、バトン9番手。そしてこの周、ヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)が9コーナーで、タイヤバリアに激しくクラッシュ。2度目のセーフティカー出動となる。ピットレーンが開いた25周目、バリチェロ、バトンが続けてピットに向かう。ところがコースに復帰したバリチェロのマシンは、ピットイン中に、ジャンカルロ・フィジケラ(フォースインディア)との接触でフロントウイングを破損し、次の周に緊急ピットイン。最後尾の16番手まで後退してしまう。

レース折り返し点の34周目、ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)がペナルティで後退。さらにアロンソがリタイアを喫し、バトンは11番手まで順位を上げる。しかし、バリチェロはフロントウイング破損による車体へのダメージが大きく、3度目のピットインをして、そのままリタイアとなった。

41周目。7番手を走っていたニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)がリタイア。その後、上位陣が2度目のピットインを行い、50周目の時点で、バトンは5番手を走っている。その後、最後のピットインを行い、最終コーナーを7番手で走行中の中嶋一貴(ウィリアムズ)に前へ入られることなく6番手でコースに復帰。そのまま66周を走りきり、チェッカー。今季初入賞で、3ポイントを獲得した。

Honda Racing F1 Team コメント

ジェンソン・バトン(6位)

―今シーズン初のポイントを獲得したが、どのようなレースだったか?
「今日は僕らにとっていいレースだった。6位フィニッシュで3ポイント獲得できて、とてもうれしい。セーフティカーが入ったタイミングは、僕らにとってよくなかった。しかし、ヘイキ(コバライネン)が無事だと聞いてとても安心した。僕は第1スティントを長くとっていたため、(セーフティカーの)タイミングにより、いくつかポジションを落とした。マシンはとてもよく、バランスはラップを重ねるごとによくなっていった。特に、ハード側のタイヤを履いた最終スティントでは、感触がとてもよかった。チームが本当にいい仕事をしてくれたし、ロス(ブロウン)の技術面でのさい配がプラスに働いている」

―2週間後のトルコGPに期待することは?
「今日のレースでは、新しい空力パッケージのフィーリングがとてもよかった。確実に進歩している。マシンから得た情報と風洞で得た情報がかみ合っている点は、よかったことだ。僕らのマシンは、バンプでの操作性があまりよくないため、バンピーなこのサーキットでの走行は、ベストとはいえない。トルコでは、ここ以上のパフォーマンスを発揮できるのではと思う」

ルーベンス・バリチェロ(34周目リタイア)

―今日はいいレースができる可能性があったが、今の心境は?
「マシンパフォーマンスがよかっただけに、ピットレーンで起こったフィジケラ(フォースインディア)とのアクシデントで僕のレースが終わってしまったのは残念だ。よくある不運だったと思う。ピット作業が終わったときに、チームからトラフィックについては聞かされていたので、ほかのマシンを避けようと気をつけていた。しかし、フィジケラが僕を追い越してピットに入ろうとしたとき、僕のフロントウイングを引っかけていった。何とかフロントウイングをぶら下げたまま1周を回ったが、残念ながらダメージが大きく、リタイアを余儀なくされた。ポイント獲得の可能性があっただけに、残念だ」

―この週末全体を通じて、RA108のアップデートはどうだったか?
「僕らのパフォーマンスは確かに向上している。新しい空力パッケージはいいパフォーマンスを見せているし、セットアップでは調整が必要だったが、マシンバランスやレースでのパフォーマンスもよかった。まだ道は長いが、一歩ずつ前進していることで勇気づけられる。これからの数戦を楽しみにしているし、これからも進歩を続けられると期待している」

ロス・ブロウン|Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

―Hondaの今季初ポイントで、喜びもひとしおでは?
「ヨーロッパラウンドの幕開けでポイントを獲得できて、チームのみんなが喜んでいる。新しいパッケージで我々は大きく前進しており、今日の結果はシーズンスタートからマシンを改良しようと懸命に働いてきたみんなの努力の成果だ。いい調子で前進していることが、残りのレースに向けて励みになる。車体、エンジン、それからチームワーク、これらすべてのことがいい方向に向かっていると実感している」

―この勢いを維持するために、これからHondaは何をするのか?
「これからの数戦、サーキットごとの性格にパッケージを合わせるため、小規模のアップデートを用意している。それと同時に、シルバーストーンに向けて本格的なアップグレードを施すため、懸命な作業を続けていく」

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SUPER AGURI F1 TEAM 決勝レースの展開

1周目に2台がリタイアし、デビッドソン19番手、佐藤20番手を走行する。さらに6周目にルノーとトロロッソが接触し、その後、2台ともリタイア。デビッドソンと佐藤は17、18番手に上がる。しかしデビッドソンは8周目に緊急ピットイン。ラジエーターのトラブルにより、そのままレースを終えた。

佐藤は20周目に最初のピットイン。22周目に2度目のセーフティカーが導入され、その間、上位陣のピットインにより、26周目までに11番手まで順位を上げる。その後、上位陣のリタイアにより、35周目には入賞目前の9番手につけた。そして38周目に、2度目のピットインを行い、14番手でコースに復帰した。

41周目にロズベルグがリタイアし、終盤55周目には、12番手を走行する。速さでは佐藤に勝るレッドブルのデビッド・クルサードに迫られながらも、数周にわたり互角に競り合う。最後は惜しくも抜かれたが、スタートから9つ順位を上げ、13位完走を果たした。

SUPER AGURI F1 TEAM コメント

佐藤琢磨(13位)

「厳しいレースだったが、楽しむことができた。スタートは満足のいく程度によく、2〜3台を抜いたが、前の2〜3台が接触し、避けることができなかったため、ノーズのパーツを失ってしまった。それが空力のバランスに明らかに悪影響を及ぼした。チームからマシンは問題無いという連絡があったので、そのままレースを続けた。一時は9位まで順位を上げることができ、とても気持ちがよかった。今週末は難しい状況の中、スタッフはすばらしい仕事をしてくれた。僕を含め、スタッフや僕たちをサポートしてくれている人々全員にとって喜ばしいことなので、この勢いを今後も維持できることを期待している」

アンソニー・デビッドソン(8周目リタイア)

「僕にとっては期待はずれの週末となってしまった。ネルソン・ピケJr.がレース序盤にコースからはみ出し、コース上に小石をまき散らした。その1つがラジエーターにダメージを与え、結果的にレースを終えざるを得なかった。スタートもよく、それまでは快適に走行していたので、こんなに早くリタイアしなくてはならなかったのは本当に残念だ。それでも、今週末のチームスタッフ全員の懸命な働きと決断に感謝したい」

鈴木亜久里|SUPER AGURI F1 TEAM チーム代表

「チェッカーフラッグを受けたのがたった半数という厳しいレースだった。先週、ここでのテストに参加できなかったのにもかかわらず、両ドライバーともに、そしてメカニックやエンジニア全員が今日はすばらしい仕事をしてくれた。アンソニーに関しては、いいスタートを切っていたのに、ラジエーターの損傷からリタイアしなくてはならなかったのは残念だった。琢磨は難しい状況の中で、とてもいいレースをしてくれた。13位でのフィニッシュは我々にとって今シーズン最高の成績だ。チームスタッフ全員にとって難しい週末だったが、パートナーやファンの方々のサポートに感謝したい」

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決勝リザルト

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム/差
1 1 K.ライコネン フェラーリ 1:38:19.051
2 2 F.マッサ フェラーリ +3.228
3 22 L.ハミルトン マクラーレン +4.187
4 4 R.クビツァ BMWザウバー +5.694
5 10 M.ウェーバー レッドブル +35.938
6 16 ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team +53.010
7 8 中嶋一貴 ウィリアムズ +58.244
8 11 J.トゥルーリ トヨタ +59.435
9 3 N.ハイドフェルド BMWザウバー +63.073
10 21 G.フィジケラ フォースインディア +1Lap
11 12 T.グロック トヨタ +1Lap
12 9 D.クルサード レッドブル +1Lap
13 18 佐藤琢磨 SUPER AGURI F1 TEAM +1Lap
RT 7 N.ロズベルグ ウィリアムズ DNF
RT 5 F.アロンソ ルノー DNF
RT 17 ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team DNF
RT 23 H.コバライネン マクラーレン DNF
RT 19 アンソニー・デビッドソン SUPER AGURI F1 TEAM DNF
RT 14 S.ブルデー トロロッソ DNF
RT 6 N.ピケJr. ルノー DNF
RT 15 S.フェテル トロロッソ DNF
RT 20 A.スーティル フォースインディア DNF

ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン ポイント
1 K.ライコネン フェラーリ 29
2 L.ハミルトン マクラーレン 20
3 R.クビツァ BMWザウバー 19
4 F.マッサ フェラーリ 18
5 N.ハイドフェルド BMWザウバー 16
6 H.コバライネン マクラーレン 14
7 J.トゥルーリ トヨタ 9
8 M.ウェーバー レッドブル 8
9 N.ロズベルグ ウィリアムズ 7
10 F.アロンソ ルノー 6
11 中嶋一貴 ウィリアムズ 5
12 ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team 3
13 S.ブルデー トロロッソ 2
14 T.グロック トヨタ 0
15 D.クルサード レッドブル 0
16 G.フィジケラ フォースインディア 0
17 ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team 0
18 N.ピケJr. ルノー 0
19 佐藤琢磨 SUPER AGURI F1 TEAM 0
20 アンソニー・デビッドソン SUPER AGURI F1 TEAM 0
21 A.スーティル フォースインディア 0
- S.フェテル トロロッソ 0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 フェラーリ 47
2 BMWザウバー 35
3 マクラーレン 34
4 ウィリアムズ 12
5 トヨタ 9
6 レッドブル 8
7 ルノー 6
8 Honda Racing F1 Team 3
9 トロロッソ 2
10 フォースインディア 0
11 SUPER AGURI F1 TEAM 0