アレックス・ブルツのコースガイド
かつてのカタルニア・サーキットは、有数の超高速コースだった。しかし、変更が重ねられ、有名な高速コーナーは、Gがかかってタフなターン3を除いて、みんななくなってしまった。
しかし、今でも、ここはすごく走りがいのあるサーキットだ。ここで速いタイムを出すには、いい走行リズムを見つけること。そして最終区間に集中している低速コーナーで、マシンがちゃんと働くようなセットアップにすることだ。かつては高速区間にマシンを合わせるのが常識だったが、今は低速区間に照準を定めている。ちょっと残念だが。
ターン1への進入直前は、時速310kmぐらいまで速度が上がっている。ドンとブレーキを踏んで、2速まで落とす。そしてターン2は、3速で進入する。ここで最高のコーナーと僕が評価するターン3を抜けたら、再びフル減速でヘアピンのターン4をクリアする。するとすぐに、もうひとつのヘアピンがやって来る。ここは進入が下りだから、タイヤがロックしやすい。そのあと、面白いコーナーがある。
ターン6は中速コーナーで、出口では思いきって縁石に乗った方がいい。次の右に曲がるターン7では、時速215kmまでスピードに乗る。その速度をできるだけ保ったまま、ここを抜けた方がいい。すぐに裏のストレートが待っているから。ここで時速300kmに達し、そこからは低速コーナー中心の区間に入る。最終コーナーも、やはり立ち上がりで速度を維持することが重要だ。そうしないと、長いストレートで失速してしまう。
コースは数年前に全面的に舗装をやり直して、それまでのタイヤに厳しい、ざらざらした路面という悪評は払拭された。その結果、タイヤのデグラデーション(性能劣化)は一定になり、作戦的にもほかのサーキットと同じようになっている。
レースを見に来る人は、ぜひバルセロナの街にも立ち寄ってほしい。すごく素敵で、僕の大好きな街のひとつだ。カタルニアの人はとてもオープンマインドで、親しみやすい。偉大な文化とおいしい食事もある。子ども連れだったら、ぜひ自然博物館に行くことをお勧めする。
|