アレックス・ブルツのコースガイド
F1関係者はみんな、バーレーンに来るのを楽しみにしてる。マナマの町は、食事をはじめ、いろんな楽しみがある。
ここは午後になると、強風が吹きやすい。その結果、コース上にたくさんの砂が運ばれる。だから予選では、路面が少しでもきれいになった状態でアタックしようと、みんなできるだけコースインのタイミングを遅らせる。だから渋滞に邪魔されずに、アタックラップをまとめる必要がある。
ティルケが設計したコースの中では、ここはかなり低速のサーキットだ。とはいえ、面白いことに変わりはない。ここで重要なポイントは、ブレーキングとトラクション性能だ。特に時速300kmから1速まで急減速する1コーナーは、このサーキットで最大の抜きどころだ。
次の左ターン2は、すごく滑りやすい。だからトラクションコントロールなしでは、かなり難しいコーナーになると思う。立ち上がりのオーバーステアで挙動を乱すクルマが結構出てくるだろう。ターン3は問題なく駆け抜けることができ、次のターン4は3速まで落とす。ここはオフキャンバーになっているから、同じようにトラクションコントロールなしでは、立ち上がりが難しそうだ。
次は左右と連続する、高速シケイン。ここは本来楽しいはずだけど、クルマはほかの区間に合わせて足回りが柔らかめになってる。だから方向転換がビシッと決まらなくて、ちょっと欲求不満になる可能性がある。
次のヘアピンも、簡単じゃない。週末を通じて、グリップレベルはどんどん上がるはずだ。立ち上がりは上りで、長い左コーナーへと向かう。この複合コーナーは、2つ目のクリップポイントがかなり奥に取ってある。ここもちょっとオフキャンバーだから、みんな内輪をロックしやすい。そこから裏ストレートに続くから、立ち上がりのトラクションは本当に重要だ。ここで6速まで上げて、すぐに3速の左コーナーに突入する。僕はここでの空力バランスは、このコーナーに合わせている。
ここを抜ければ、次の上りのターン12はほとんど全開。そして右のターン13は、1コーナーと並ぶもうひとつの抜きどころだ。もし先行車のタイヤが垂れていたら、ここが大きなチャンスになる。そして長いストレートを過ぎれば、最終コーナーが待っている。ここでブレーキングを遅らせると、立ち上がりで大きくタイムロスして、メインストレートでスピードが乗らなくなる。最後まで手ごわいサーキットだ。
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