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バリチェロ、オーストラリアGP決勝で6位でフイニッシュも、失格

2008年3月16日(日)
決勝
会場:アルバートパーク・サーキット
天候:晴れ
気温:36〜38℃

開幕戦オーストラリアGPの決勝レースは、ゴールまでたどり着いたマシンがわずか7台というサバイバルレースとなった。その中でHonda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは、6位でフィニッシュするも、ピットレーンでの赤信号無視の違反で、失格に終わった。ジェンソン・バトンはセバスチャン・フェテル(トロロッソ)との接触により、リアサスペンションにダメージを受けて1周目でリタイアとなった。

一方、SUPER AGURI F1 TEAMの佐藤琢磨、アンソニー・デビッドソンは、ともにリタイアに終わった。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開

午後3時半のレース開始時点で、気温37℃、路面温度51℃。オーストラリアGP史上、屈指の暑さの中でのレースとなった。エンジン冷却には、かなり厳しそうだ。

スタート直後から、波乱の展開。1コーナーで4番グリッドのフェリペ・マッサ(フェラーリ)がスピンして、後続が大混乱に陥る。これでバトンは左リアに損傷を負い、そのままリタイアを喫した。一方のバリチェロは、これをうまくきり抜け、7番手にジャンプアップした。

背後にはキミ・ライコネン(フェラーリ)が迫るが、バリチェロは20周近くにわたって、これをしのぎ続ける。しかし19周目の3コーナーでインを刺され、7番手に。その後、上位陣のピットインもあって、4番手まで上がったところで、23周目に最初のピットに向かう。これでいったんは、8番手に下がった。

その後、バリチェロは5番手まで順位を戻し、終盤戦に突入する。44周目に2番手まで上がり、45周目に2度目のピットイン。その直前にティモ・グロック(トヨタ)のクラッシュでセーフティカーが出ていたが、残燃料を考慮し、ペナルティも覚悟の上、給油に臨む。その結果、ピット滞留10秒のペナルティを受けてしまう。

それでも8番手でコース復帰。さらに54周目にライコネンがリタイア。続けて56周目にセバスチャン・ブルデー(トロロッソ)がリタイアしたことで、バリチェロは6位でチェッカー。しかし、2回目のピットインで、赤信号が出ている最中に、それを無視してコースに復帰したため、失格の裁定を受けた。

Honda Racing F1 Team コメント

ジェンソン・バトン (1周目リタイア)

―早々にレースが終わってしまったが、何が起こったのか?
「スタートはよく、アロンソ(ルノー)をパスしてフェテルに並んだ。3台か4台のマシンが並んで、狭い高速の1コーナーに向かい、そこでダメージを負ってしまった。残念ながら、レースではよくあることだ。僕はフェテルのサイドポッドに接触し、それで彼はスピンしたようだ。そのまま彼はこちら側に寄ってきて、通り過ぎようとしている僕のリアホイールにぶつかった。ガレージに戻って修正可能か調べようとしたが、左リアのトラックロッドが壊れていて、ダメージが大きすぎた」

―この週末に得た明るい材料は?
「僕らにとっていいスタートで、パフォーマンスに勇気づけられた。来週のマレーシアでまたマシンをドライブすることを楽しみにしている」

ルーベンス・バリチェロ (失格)

―厳しいレースを戦い抜いたものの、失格となってしまった心境は?
「最終結果はとても残念だが、今日のパフォーマンスや、マシンからベストを引き出せたことにはとても満足している。波乱のレース展開で、最初のピットストップのあとにフロントダンパーにダメージを負ってしまい、その後のレースが難しくなった。今日のような日に完走することはとても大変なことだ」

―レースの大半はうまく運び、マシンのパフォーマンスもよかったようだが、RA108のパフォーマンスには満足した?
「この週末の様子から、マシンはすばらしいポテンシャルを持っていると感じた。ファクトリーでは、ここ数週間で最高の仕事をしてくれたと思う。レース距離を走ったことで、よりマシンの理解を深めることができた。今はマレーシアGPを楽しみに、マシンをマレーシア向けに調整していきたい」

ロス・ブロウン|Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

―バリチェロが果敢な走りを見せたが、2回目のピットストップのあとに何が起きた?
「2回目に、予定通りピットストップをしようとバリチェロに指示したあと、すぐにグロックがクラッシュして、セーフティカーが導入された。これでピットレーンがクローズされ、給油をすると10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが科されることはわかっていたが、バリチェロの燃料はもうなくなっていたため、彼を呼び戻すほかに方法はなかった。ピットストップ作業中には、燃料ホースがマシンから外されるほんの少し前に、ロリポップが上がってしまった。そして、ピットストップのあと、ルーベンスは赤信号なのにピットレーンを出てしまい、明らかにこれはレギュレーションに触れる行為だった。厳しい状況が続いたが、それまではルーベンスは全力でドライブしていた。彼はいいスタートを切り、19周にわたってライコネンを後ろに従え、果敢な走りを見せた。そういったことが、この週末、我々が得ることができたポジィティブな面だ」

―RA108がこのデビューレースで見せたパフォーマンスについては?
「予選では中団の速さを見せていた。そして、今日のレースでは、我々の目標であるポイント獲得が可能な力を見せた。メルボルン向けの空力パッケージがうまく機能していたが、グリッドを上げ、予選の最終セッションの常連になるように、さらなる進歩が必要だ」

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SUPER AGURI F1 TEAM 決勝レースの展開

18番グリッドのエイドリアン・スーティル(フォースインディア)がピットスタートとなり、佐藤、デビッドソンはそれぞれ、19、21番手と奇数グリッドからレースをスタートした。

1コーナーの混乱にデビッドソンが巻き込まれて、リタイアとなった。しかし、佐藤は11番手に順位を上げ、背後のグロックからのリードを保ちつつ、周回を重ねる。しかし惜しくも、14周目にかわされて、12番手に後退。

26周目。デビッド・クルサード(レッドブル)のクラッシュで、セーフティカーが導入される。佐藤はピットが閉鎖される直前の、絶妙のタイミングでピットインを済ませた。しかし32周で、コース脇に自らマシンを止め、レースを終えた。

SUPER AGURI F1 TEAM コメント

佐藤琢磨(32周目リタイア)

「難しいレースだった。うまくスタートを切れなかったが、そこから巻き返してオープニングラップでいくつか順位を上げた。第1スティントの中でも、ここがエキサイティングなバトルだった。最初のピットストップを終えたあと、数周でトラブルが発生して、ストップしなくてはならなかった。ここまでくるためにみんながすばらしい仕事をしてきただけに、とても残念だ。しかし、とても貴重なデータが集められたので、次のマレーシアGPが待ち遠しい」

アンソニー・デビッドソン(1周目リタイア)

「オーストラリアGPを早々にリタイアしてしまい、がっかりだ。今日は期待していた走りができず、しかも僕の一番の目標だった完走ができなくて、本当に残念だ。この週末も、オフシーズンテストと同様にマシンを走らせる時間があまりなかっただけに、今日走ることがとても重要だった。それなのにそれができなかったのが悔しい。僕に落ち度はなかったが、2台のマシンに挟まれてしまった。避けようとしたが、どうしようもなかった。ブレーキをかけて回避しようとしたら、マシンが左右から僕のフロントホイールに乗り上げてきた。僕にはもう行き場がなかった」

鈴木亜久里|SUPER AGURI F1 TEAM チーム代表

「スタッフ全員とドライバーたちに感謝したい。この冬はチームにとって本当に厳しかった。シーズン前に十分なテストが完了できなかったにもかかわらず、我々は今日、ここオーストラリアに立ち、フリー走行、予選、決勝と、それぞれ限られた走行しかできなかったが、すべてのメンバーがすばらしい仕事をやり遂げたと思う。アンソニーのスタートは不運だったが、琢磨はいいスタートを切り、いいレースを見せてくれた。2台とも完走はできなかったが、我々はここまでたどり着き、2008年のシーズンをスタートさせた。我々の闘志は衰えていない」

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決勝リザルト

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム/差
1 22 L.ハミルトン マクラーレン 1:34:50.616
2 3 N.ハイドフェルド BMWザウバー +5.478
3 7 N.ロズベルグ ウィリアムズ +8.163
4 5 F.アロンソ ルノー +17.181
5 23 H.コバライネン マクラーレン +18.014
6 8 中嶋一貴 ウィリアムズ +1Lap
7 14 S.ブルデー トロロッソ DNF
8 1 K.ライコネン フェラーリ DNF
RT 4 R.クビツァ BMWザウバー DNF
RT 12 T.グロック トヨタ DNF
RT 18 佐藤琢磨 SUPER AGURI F1 TEAM DNF
RT 6 N.ピケJr. ルノー DNF
RT 2 F.マッサ フェラーリ DNF
RT 9 D.クルサード レッドブル DNF
RT 11 J.トゥルーリ トヨタ DNF
RT 20 A.スーティル フォースインディア DNF
RT 15 S.フェテル トロロッソ DNF
RT 16 ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team DNF
RT 10 M.ウェーバー レッドブル DNF
RT 21 G.フィジケラ フォースインディア DNF
RT 19 アンソニー・デビッドソン SUPER AGURI F1 TEAM DNF
- 17 ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team DNQ

※バリチェロはピットレーン出口でのレッドライト無視により、失格の裁定が下された

ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン ポイント
1 L.ハミルトン マクラーレン 10
2 N.ハイドフェルド BMWザウバー 8
3 N.ロズベルグ ウィリアムズ 6
4 F.アロンソ ルノー 5
5 H.コバライネン マクラーレン 4
6 中嶋一貴 ウィリアムズ 3
7 S.ブルデー トロロッソ 2
8 K.ライコネン フェラーリ 1
- R.クビツァ BMWザウバー 0
- T.グロック トヨタ 0
- 佐藤琢磨 SUPER AGURI F1 TEAM 0
- N.ピケJr. ルノー 0
- F.マッサ フェラーリ 0
- D.クルサード レッドブル 0
- J.トゥルーリ トヨタ 0
- A.スーティル フォースインディア 0
- M.ウェーバー レッドブル 0
- ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team 0
- アンソニー・デビッドソン SUPER AGURI F1 TEAM 0
- S.フェテル トロロッソ 0
- G.フィジケラ フォースインディア 0
- ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team 0

コンストラクター

順位 コンストラクター ポイント
1 マクラーレン 14
2 ウィリアムズ 9
3 BMWザウバー 8
4 ルノー 5
5 トロロッソ 2
6 フェラーリ 1
- レッドブル 0
- トヨタ 0
- SUPER AGURI F1 TEAM 0
- フォースインディア 0
- Honda Racing F1 Team 0