2005年シーズンも、残すところ1戦のみ。日本GPを戦ったB・A・R
Hondaのレースメンバーは、中国GPを戦うべく、上海へと向かった。
今季最後の2連戦。鈴鹿でのレース終了後、ただちに30トンもの資材をパッキングし、東シナ海を渡り、その48時間後にはすでにマシンとガレージ設備など、レースに必要な機材を組み立てている。まさにレースチームの妙技と言うほかない。
昨年初めて開催された中国GPだが、上海国際サーキットの素晴らしさには誰もが目を奪われ、関係者のお気に入りのグランプリとなった。B・A・R
Hondaのドライバーにとっても、最終戦の舞台としてこれ以上の場所はない。
チームはシーズン終盤になっても開発の手をゆるめず、スペイン・ヘレスでの3日間のテストで、最後の2連戦に向けての進化の手応えをつかんでいた。日本GPでは残念ながら期待した結果は得られなかったものの、その原因を分析し、最終戦での雪辱を期している。佐藤琢磨はここでHonda
V10エンジンの最終バージョンを使うことが決まっており、その意味でも好パフォーマンスを期待している。
■サーキット情報
レーシングコース設計にかけては当代きっての、ヘルマン・ティルケによってデザインされた上海国際サーキット。全長5.451kmのコースは、漢字の「上」をイメージしたレイアウトになっている。右、左のコーナーを7つずつ有し、オーバーテイクポイントにも事欠かない。中でも見どころは、いくつかのクリップのある1コーナーと、バックストレートのブレーキングであろう。平均時速は200km/hを超える。ターン13と14の間に、1km以上もの直線が配されている。ドライ路面なら、ここで330km/h以上のスピードが出ることになる。上りの最大勾配は3%。下りは8%。観客席は、実に20万人の収容能力を誇る。 |