Lucky Strike B・A・R Hondaは今週、シーズンの折り返しとなる北米2連戦に臨むため、大西洋を渡ってカナダ・モントリオールへと向かう。カナダGPは例年、チームにとって楽しみなグランプリの一つである。モントリオール市内のカーニバルのような雰囲気が、サーキットからほんのわずか行くだけで満喫できるからである。
チームは先週、4人のドライバーによる3日間の集中テストを敢行した。カナダに向けて、復調を期するためであった。テストチームがイタリア・モンツァで2日間、そしてレースチームがイギリス・シルバーストーンで1日という、変則的なスケジュール。しかし新しい空力パッケージや大きくバージョンアップしたHondaのニューエンジンの評価テストなど、カナダGPに向けて大きな収穫を得ることができた。
長距離移動の2連戦では、機材の搬送などロジスティックの面でもさまざまな困難が伴う。今回はカナダからインディアナポリスまで、2週間の長丁場だ。そのために昼夜を問わずにスタッフが準備した資材は、車体やエンジン、膨大な量のパーツなど、総重量は26トンに達した。
■モントリオールでのHonda主催イベント Hondaは今年も6年連続して、市内の中心部で行なわれるクレセント・ストリート・フェスティバルを主催する。6月9日のオープニングには、ジェンソン・バトン、佐藤琢磨の両ドライバーが出席。その後3日間、有名人によるピットストップ競争など、昼夜を分かたず盛りだくさんのイベントが予定されている。またこの通り沿いは期間中、Hondaのショーケースに変身。B・A・R
Hondaのマシンを始めとする歴代のレーシングカー、そしてHondaシビックSiクーペのコンセプトカーなどが展示される。
■サーキット情報 カナダGPが開催されるジル・ビルヌーブサーキットは、モントリオール市内を流れるセント・ローレンス川に人工的に作られたノートルダム島内で、一部一般道を使って行なわれる。コースは1967年の万博パビリオン、そして1976年カナダオリンピックで使用されたボート競技用の池に囲まれている。このユニークなサーキットでは、これまで数々のドラマが繰り広げられてきた。スタート直後はしばしば、多重クラッシュが発生する。しかしそれを切り抜ければ、オーバーテイクポイントも何カ所かあるため、ドライバーはレースを存分を楽しめる。しかしハードブレーキングの連続するコースレイアウトは、ブレーキやギアボックスにとっては過酷で、無傷でマシンをゴールまで運ぶのが困難と言われる一面ある。 |