Lucky Strike B・A・R Hondaは今週末、ヨーロッパラウンドの緒戦となるサンマリノGPを戦うべく、イタリア・イモラへと向かう。それに先立つバルセロナとポールリカールのテストでは、5日間で合計6,000km近い距離を走破。新たな空力パッケージを導入したことなどによる進化を確認したほか、懸案となっていた信頼性の問題も解消でき、自信を深める結果となった。
バルセロナのテストでは、まずジェンソン・バトンが、1年前に従来のレギュレーション下で佐藤琢磨が記録していた同サーキットでの非公式タイムレコードを破る速さを披露した。その佐藤も翌週、ポールリカールサーキットでのコースレコードを叩き出し、バーレーンGP以降の開発が正しい方向に進んでいることが確認された。
サンマリノGPから、B・A・R Hondaには新たに2人のキーパーソンが加わる。田中詔一前社長の後を継いでHRDの指揮を執る和田康裕新社長、そして新設されたスポーティング・ディレクターのポストに就く、ジル・ド・フェランである。ド・フェランは今更いうまでもなく、現役時代は超一流のレーシングドライバーで、インディ500の勝者、そしてアメリカCART選手権を2度制した経歴の持ち主である。
古都ボローニャから30kmほど東南にあるイモラサーキットがオープンしたのは1952年。以来、チャレンジングなコーナーもある、高速かつコース幅の狭いサーキットとして名を知られ、サンマリノGPとイタリアGPの双方が行なわれてきた。1994年の大事故をきっかけに、コースは大幅な改修工事が行なわれたが、依然としてドライバー達にはお気に入りのサーキットの一つである。そして何と言っても、イタリアの熱狂的なファン「ティフォジ」達の熱い応援が、独特の雰囲気を添える。さらにここは、ブラジルのインテルラゴス、そして今季初開催のトルコと並んで、GPサーキットとしては珍しい反時計回りのコースでもある。
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