2005年F1世界選手権は今週末、オーストラリア・メルボルンのアルバートパーク市街地サーキットで幕を開ける。レギュレーションが大きく変更された今季は、Lucky
Strike B・A・R Hondaにとって、胸躍る技術的なチャレンジの年でもある。
冬の間チームは、車体およびエンジンの開発、信頼性の確立、そして新しいレギュレーションの下でのミシュランタイヤのグリップ確保に全精力を注いできた。そうして得た成果から、開幕戦には大きな手ごたえを感じている。昨年11月から始まったウィンターテストは4ヶ月間に及び、その間ファクトリーでの開発作業、スペイン各地のサーキットでの実走テストが続き、この間の合計走行距離は実に28,000kmに達した。これは昨年に比べて15%も多く走ったことになる。
ニューマシンB・A・R Honda 007のテストでのパフォーマンスには、チームは大いに勇気付けられている。そしていよいよメルボルンでの開幕第1戦は、その真価が問われる「実戦テスト」である。グランプリ週末のレースコンディションで、どれだけのパフォーマンスを発揮できるか、その最初の試金石となるからだ。
アルバートパークは大きなダウンフォースを必要とするサーキットであり、ドライバーには評判の良いコースでもある。全長5.303kmのレイアウトの中に、短いストレートと低中速コーナーが配され、マシンにはトラクションの良さと、ブレーキング時の安定性、さらに優れた空力性能が求められる。普段ほとんど使われていないコースだけに、初日金曜日はホコリだらけでグリップ不足の路面に悩まされることになる。そして2日目以降は、路面コンディションが走るごとに変わるために、セットアップ作業は困難を極める。
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