| 酷暑の中で行なわれたドイツGP２日目予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジャック・ビルヌーブは、２番手出走という不利なポジションからのアタックで13番手グリッドを獲得。一方ジェンソン・バトンは、アタックラップ中のミスでタイムロスを喫し、17番手に終わった。
朝から雲一つない青空の広がった、ホッケンハイムサーキット。前日と同様に真夏日模様となり、午前９時のフリー走行が始まった時点で、すでに気温は25℃まで上がった。その午前中のセッションでは、バトン９番手、ビルヌーブ10番手とまずまずのポジションにつけ、午後の予選に向けて多くの周回を重ねた。トラブルもなく２人合わせて80周を周回し、予選でトップ10内を狙い、着々と準備を進めた。
午後になると、暑さは一層厳しさを増した。午後２時で気温32℃、路面温度は48℃まで上昇した。前日より10℃近くも高い路面温度が、走りにどれだけの影響を及ぼすかが注目された。
昨日の初日予選でスピンを喫したビルヌーブは、２番手出走という不利なポジションでのアタックとなった。１コーナー立ち上がりと、第２区間で若干のタイムロスを喫したが、予選セッション中の最高速を記録するなど、1分17秒090で暫定トップに立った。
９番手のバトンが出走する頃には、路面温度は46℃とやや下がったものの、依然として強い日差しが照りつける中でコースイン。１コーナーでコースをはみ出し、続く２コーナーの挙動も安定しない。更に最終コーナーの一つ手前のコーナーも大きく外にふくらんでしまうなど、ミスを重ねてしまい、暫定６番手の1分18秒085のタイムに留まった。
全20人が走り終わって、ポールポジションはJP・モントーヤ（ウィリアムズ）。最終的にビルヌーブは13番手、バトンは17番手となり、明日の決勝レースは7、９列目からのスタートとなった。
●中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「今日は明らかに２人のドライバー共、とても激しく攻めてくれました。ジェンソンが、どんな予選ポジションからでもポイント獲得が可能なことをシルバーストーンで見せてくれたので、明日もポイント獲得に向けて頑張ります」
●ジャック・ビルヌーブ 13番手 1分17秒090
「マシンは軽快でバランスも悪くなかったから、今日はハードに攻められたんだ。僕達のタイヤが本来の性能を発揮するのは、走り出してから５、６周経ってからなので、タイヤを暖めるのが大変だった。最後の２つのコーナーで、アンダーステアとタイヤのグレイニング（ささくれ磨耗）のため、タイムロスしてしまった。タイヤの選択には、予選の１周が良いものと、レース本番が良いものの２通りがあるんだけど、僕らはレース本番に強いものを選んでいるので、明日は有利だと思うよ」
●ジェンソン・バトン 17番手 1分18秒085
「マシンが速かっただけに、酷い予選になってしまい残念だ。アタックラップ中、強いオーバーステアに悩まされ続けていて、まるでスケートしているようだった。最終コーナーの手前のコーナーでは、オーバーステアの末に大失敗してしまい、コースをはみ出してしまった。朝の時点で、マシンはとても速かったし、もっと速くなると思っていたから、その時から何も変えていないのに、突然こうなるなんて変だよね。おそらく、路面温度が６℃近くも高くなったことが、ハンドリングを不安定にさせたんだと思う。今日は、トップ10に入れたはずだったから、今日の結果にはそのことが影響しているのは間違いないね。だけど明日のレース結果は、もっと良くなると思うよ。シルバーストーンでは悪い条件が重なった中でも良いレースが出来たので、明日はもう一度同じように頑張るよ」
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