第6戦オーストリアGP初日予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジャック・ビルヌーブが4番手、ジェンソン・バトンが5番手のタイムを記録。明日の2回目予選、そして日曜の決勝レースに向けて、大きな手応えを感じさせるスタートとなった。
この地方は10年周期で冷夏が訪れると言われ、今年のシュピールベルクはその年にあたり、気温は低く寒さを感じる程。サーキットを囲む標高1500m以上の山々は雪に覆われ、数日前にはコース上にも積雪があった。昨年より1週間遅い開催にもかかわらず、天気は快晴だが初日午前中の気温は14℃までしか上がらない。
午後も引き続き好天に恵まれているものの、空には雲が広がり始めた。初日予選が始まる頃には、気温は15℃と、午前中に比べやや上昇。路面温度も31℃まで上がっている。ところが6番手のR・シューマッハ(ウィリアムズ)が走り出す頃には、太陽が雲にさえぎられ、その直後に路面温度は24Cまで一気に下がってしまう。そしてR・シューマッハは4コーナーでスピンし、コースアウト。これでセッションは5分間の赤旗中断となる。
開始後30分。11番目に出走のジャック・ビルヌーブが、コースイン。上空はうす曇りで、路面温度は24℃と依然低い。ビルヌーブは安定したドライビングで各区間のタイムをまとめ、1分08秒680でフィニッシュラインを通過。フェラーリ2台に次ぐ、暫定3番手のタイムを叩き出した。
その2台後に、ジェンソン・バトンがアタックを開始。1コーナーで僅かにはみ出すなど、若干のミスはあったが、ビルヌーブからコンマ15秒遅れで暫定4番手につけた。その後M・ウェバー(ジャガー)が3番手のタイムを出したために順位を落としたが、それでも4、5番手。2台共にトップ5入りし、初日としては開幕戦の3、5番手に次ぐ好結果となった。
●中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「今日は終日順調でした。4番手、5番手というのは、励みになります。明日の最終予選もこの調子で実力を出し切り、更には日曜日の決勝で、この速さを確実にポイントに結び付けたいですね」
●ジャック・ビルヌーブ 4番手 1分08秒680
「アタックラップは上手く行った。マシンも順調だよ。ここではもともと自信があったんだけど、思っていたよりも更に速かったよ。今朝のフリープラクティスでは幾つか問題点があったんだけど、予選用にセットアップを何箇所か変更してみたら、それが上手く当たったみたいだね。このマシンは、シーズンの初めから結構速くて、今でも常に改良されているんだ。ここはかなり涼しいのだけど、暑い時よりは涼しい方がマシンの調子は良いみたいだね。僕自身も調子が良いよ。ここでは素晴らしい思い出も幾つかあって、好きなコースなんだ。残りの週末が上手く行くかどうかは、今後の戦略にかかっているんだけど、これまでのレースと比べても期待出来ると思うよ」
●ジェンソン・バトン 5番手 1分08秒831
「ここでの初日予選では結構良い結果が出せるだろうと思っていたんだ。これまでのところ順調だよ。最初からマシンはオーバーステアがとても強かった。午前中のフリー走行が終わった後に、セットアップを変えたんだけれど、修正が多すぎて、リアがナーバスになってしまった。これはそれほど大きな問題ではなくって、もう少しセットアップを詰めれば良いだけのことだ。一周だけだったらマシンはとても良い感じだ。でも、長い距離を走った時にもっと良くなるように、もう少しセットアップを詰める必要がある。今の段階では、そこそこ自信があるよ。この週末が上手く行くことを期待しているよ」
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