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第6戦
オーストリアGP(シュピールベルク)
2003年5月18日 開催
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サーキット&TV情報 レースレポート リザルト ポイントスタンディング
予選1日目 予選2日目 決 勝
レースレポート

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フェラーリに遜色のない快走を見せたバトン
5位につけていたビルヌーブはトラブルで12位に終わった
バトンの走りを見守るピットクルーたち
バトンが今季最高の4位入賞
■日時 :5月18日(日)
■天候 :晴れ(一時小雨)
■気温 :19℃
バトンは今季最高の4位入賞を果たした
バトンは今季最高の4位入賞を果たした
 オーストリアGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが今季最高の4位入賞を果たした。ジャック・ビルヌーブもレース後半は5位を快走し、上位ダブル入賞が期待されたが、ピットインの際のトラブルでタイムロスし、12位完走に終わった。

 決勝当日は薄日こそ射すものの、朝から雲の多い天候となった。午後の降水確率は40%と、レース中に雨が降リ出すことも予想された。レース開始時間の午後2時の気温は19℃、路面温度は25℃と、雲は依然多いものの、青空も広がって雨の心配はなさそうだった。前日の予選を失敗してそれぞれ17、19番手に沈んだM・ウェバー(ジャガー)、F・アロンソ(ルノー)が、ピットスタートを選択。ところがレッドシグナルが消え、レースがスタートしようとした瞬間、グリッド後方で黄旗が激しく振られる。7列目のC・ダ・マッタ(トヨタ)が、エンジンストール。これでスタートはやり直しとなる。ところが2度目のスタートで、最後尾に移ったダ・マッタがまたもエンジンストール。再びスタートはやり直しとなった。その間に、上空には少しずつ雲が張り出し始めた。

 3度目のスタート。M・シューマッハ(フェラーリ)が好ダッシュを決めて、ポールを堅持。7番グリッドのバトンは1コーナーの混乱を上手く抜けたものの、ポジションを一つ落として、8番手でホームストレッチに戻ってくる。逆にビルヌーブは一つ順位を上げ、11番手に付けた。

 12周目。コース上に小雨が降リはじめ、スタンドには傘の開く姿が見られたが、雨は短時間で上がった。この頃から、1回目の給油のため各マシンが次々とピットイン。更に15週目にJ・トゥルーリ(ルノー)が1コーナー、バトンの目の前でスピン。これでバトンは5番手に、ビルヌーブも6番手までポジションアップ。更に20周目には、2番手のJP・モントーヤ(ウィリアムズ)がピットインし、2台揃って一つずつ順位を上げる。

 23周目、トップを走るM・シューマッハ、K・ライコネン(マクラーレン)に続いて、3番手に上がったバトンも最初のピットイン。順調にピット作業を済まし、4番手でコースに復帰。その1周前にピットに入っていたビルヌーブは、10番手でコース復帰。一方でバトンはフェラーリやマクラーレンと遜色のないラップタイムで、4位を快走する。背後にはバリチェロが迫るが、その差はほとんど縮まらない。

 31周目。トップを走っていたモントーヤがエンジンブローし、ピットまでたどり着いたところでリタイヤ。これでバトンは、ついに表彰台圏内の3位に上がる。数周にわたり、背後に迫ったR・バリチェロ(フェラーリ)のプッシュを必死にブロックするものの、34周目の2コーナーでインを刺され、4番手に後退。一方ビルヌーブは前を行くG・フィジケラ(ジョーダン)を抜くなどして、39周目には6番手に上がる。

 43周目。5番手のR・シューマッハ(ウィリアムズ)が2度目のピットイン。これでバトン、ビルヌーブは4、5番手を占める。47周目にバトンが、49周目にビルヌーブがそれぞれ2度目のピットイン。ところがビルヌーブがピット作業を終え、再発進しようとしたところでエンジンストール。ステアリングを交換しコースに復帰するが、大きくタイムロスし、13番手まで順位を落としてしまう。一方バトンは、4番手のポジションをキープしたまま順調に周回を続ける。そして69周を走り切り、今季最高位の4位入賞を果たした。ビルヌーブは12位完走。優勝は、M・シューマッハ(フェラーリ)だった。


中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development

「今日のレースは、我々にとって喜び半分、悔しさ半分といったところでしたね。ジェンソンが本当に良く頑張ってくれたおかげでポイントも獲得する事が出来、嬉しく思います。ジャックも2回目のピットストップの際にトラブルが起きるまでは良いレースをしていて、ポイント獲得目前かと思われていたので、彼にとっては辛い一日となってしまいました。エンジンに関しては、終始順調でしたね。今後も改良を続け、この勢いを保ち続けたいと思います」

ジェンソン・バトン(4位)
「最高のレースだった。本当に楽しめたよ。今日は自己ベストと同じ4位でフィニッシュする事が出来たし、ポイントも獲得する事が出来て嬉しいよ。チームの仕事ぶりも最高で、ピットストップの際にフェラーリよりも前に出ることが出来たし、全てが上手くいった1日だった。リアに新品のタイヤを付けてスタートしたために、若干オーバーステアが残っていたけれど、なんとか押さえ込む事が出来る範囲だった。今日のこの結果はチームにとって、まさに今必要としていたものだったし、また、得られてしかるべき結果だったよね。今日の結果はフロックじゃなく、実力だよ。今週は総じて上手くいったと思う。プラクティス、予選を通じて、常に我々の速さを見せつける事が出来たし、今日の走りは、まさにレースしてるって言えるパフォーマンスだったと思う。上位陣にチャレンジ出来るのはとても嬉しかったし、今の我々にはその力があると思う。来週はバレンシアでモナコに向けてのテストがあるので、この勢いを保ち続ける事が大事だね」

ジャック・ビルヌーブ(12位)
「1周目からステアリングの電気系にトラブルが出てしまったため、終始問題を抱えて走らなくてはならなかった。リミッターボタンも利かなければ、どのギヤに入っているかも分からない。ニュートラルに入っているかどうかも分からない。とにかく何も分からないんだ。全て手動でやらなければならなかった。ピットに入ってくる際に、ピットレーンでスピード違反をしないように、僕のレースエンジニアにラジオを通じて車速を読み上げてもらわなければなかったくらいなんだよ!ステアリングを交換することで、電気系が更に不具合を起こす可能性があったので、最初のピットストップの際には交換しないことに決めたんだ。でも、2回目のピットストップの際にエンジンがストールしたので、結局ステアリングを交換したんだけれど、システムのリセットが必要なため、それを待たなくてはならなかった。最悪のピットストップになってしまい、随分時間をロスしてしまった。メカニカルトラブルのために遅れると、挽回は難しいよね。これまで6レース中4レースにトラブルが出てしまい、いい加減イライラしてくるよ。今の我々にとって、レースセットアップで今日のマシンよりも良いマシンを手に入れる事は難しいと思われるだけに、本当に残念だよ。いつもレースに向けて良いセットアップが出来るのに、これまでのところ、それを生かすことが出来ずにいるんだ。でも、今に僕にも良い日が来る事を願って、引き続き頑張るよ」

 
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