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粘りの走りで1ポイントを獲得したバトン |
サンマリノGP決勝レースでジェンソン・バトンが8位完走を果たし、Lucky Strike B・A・R Hondaは第2戦マレーシアGPから3戦連続してポイントを獲得した。ジャック・ビルヌーブはマシントラブルでリタイアとなった。
決勝の前日までの予報では、レース後半に雨が降りだすと言われていた。しかし、サーキット上空は昼近くになるにつれて青空が広がっていった。午後2時のレース開始時点で湿度は45%まで下がり、どうやら雨の心配はなさそうだ。この時点の気温は18℃、路面温度は21℃。路面はもちろんドライと、絶好のレースコンディションになった。
レッドシグナルが消え、各車一斉にスタート。ところが、7番グリッドのジャック・ビルヌーブが、グリッド上で立ち往生した前車に行く手を阻まれて13番手まで後退。ジェンソン・バトンも10番手と、ひとつポジションを落とした。
11周目に入ると、上位を走るマシンが最初のピットインを開始。これによって15周目にはバトンが7番手、ビルヌーブは8番手までポジションを上げた。16周目になるとバトンが、18周目にはビルヌーブがピットイン。それぞれ順調に作業を終え、コースに復帰した。ところが、ビルヌーブのマシンが次の周のピット前ストレートで突然スローダウン。エンジン配線が燃えたことによる電気系トラブルにより、リタイアとなってしまった。
ほとんどのマシンが1回目のピット作業を終えた22周目の時点で、バトンは9番手。しかし、イモラはほとんど抜ける場所がないサーキットであるため、我慢の走りを強いられた。それでも、28周目に前を行くO・パニス(トヨタ)が2回目のピットインをしたことで、バトンは入賞圏内の8番手にポジションアップ。さらに、33周目にはJ-P・モントーヤ(ウィリアムズ)が3回目のピットイン。ついに、バトンは7番手までポジションを上げた。
バトンは38周目に2回目のピットインを行い、残り24周をノンストップで走り切るために多めの燃料を給油した。残り20周となった42周目の時点でバトンは8番手と、入賞圏内のポジションをキープ。そのままチェッカーを受け、第2戦マレーシアGP以来の入賞を果たした。優勝はM・シューマッハ(フェラーリ)。この日の朝に母親を病で亡くし、その悲しみを乗り越えてのシーズン初勝利だった。
●中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「ジェンソンは良く頑張ってくれましたね。これで、3戦連続してポイントを獲得することができました。ただ、今回のレースは不満が残る内容でした。ジャックのマシンに問題が発生してしまったことは、とても残念です。最後に、MotoGPライダーの加藤大治郎選手のご冥福を心よりお祈り申し上げます」
●ジェンソン・バトン(8位)
「1ポイント獲得できたのは良かったと思うが、もっと良い成績を残せなくて残念です。スタートの際にM・ウェバー(ジャガー)の後ろで引っかかってしまったけれど、その後は全力でプッシュしたよ。今日は戦略的にもすべてうまく行ったと思うが、それでも先頭からはずいぶん遅れてしまった。これまでのレースで信頼性が高まってきたことは証明できたと思うので、後はもう少し速さが欲しいね。次のレースには空力パーツとエンジンのアップグレードが予定されていて、来週にムジェロでテストするよ。2週間後のバルセロナでは、またステップアップが見られると思うよ」
●ジャック・ビルヌーブ(19周リタイア)
「今日は順調にいっていただけに、最後まで走ることができなくて本当に悔しい。シフトダウンする際に問題が起こったと思ったら、エンジンが止まってしまったんだ。3ストップ作戦を選んだドライバーが多かったのには、正直驚いたね。我々は2ストップだったんだけど、結構速かったからね。ここのところいくつかトラブルが起きているが、いずれも僕のマシンに発生しているのが悲しい。でも、マシンの競争力はあるから希望は持てるよ。もっと信頼性を上げて、せっかくのチャンスを逃すことのないようにしないとね」
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