気温34℃という猛暑の中行なわれた初日予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは9番手。ジャック・ビルヌーブは15番手のタイムだった。
初日は快晴。前日の夕方にセパン周辺を豪雨が襲い、朝の金曜日テスト走行の際には路面はまだ濡れていた。但し、午前11時のフリー走行開始時点では、路面は完全にドライ。前日の豪雨のおかげで、コース上には例年のような土埃も舞っていない。このフリー走行セッションでB・A・R Hondaの両ドライバーは、トラブルフリーでそれぞれ20周以上を走行し、ジェンソン・バトンがブリヂストンタイヤ勢トップの6番手。7番手のM・シューマッハ(フェラーリ)に続き、ジャック・ビルヌーブが8番手のタイムだった。
午後も晴天が続き、1回目予選の始まる午後2時には気温34℃。路面温度は実に、46℃まで上昇。これは午前中の路面温度より10℃も高い数字。開幕戦のドライバーポイント順に序盤に出ていったドライバーは、それが影響したのかどうか、何れもフリー走行のタイムと比べてそれほど高い伸びを示さない。とは言え、4番手のM・シューマッハは、昨年の自身のポールタイムをコンマ3秒近く縮め、貫禄を見せた。
そして9番目に、ジャック・ビルヌーブがアタックを開始する。ところが路面温度の上昇にセッティングを詰められず、オーバーステア気味。更に第3区間でミスをしたこともあり、思ったようなタイムを出せなかった。結局午前中の自己ベストにも及ばず、その時点で9番手。続いて10番目に出走したバトンも、第1第2区間のタイムがジャック同様なかなか伸びなかったものの、最終区間で踏ん張りタイムアップに成功。暫定7番手に付けた。
20人全員が走り終え、バトンは初日予選9番手、ビルヌーブは15番手だった。明日2回目予選は、初日予選のタイムの遅い順から走ることになり、ビルヌーブが6番目、バトンが12番目から出走し、グリッド順位を競うことになる。この日のトップタイムは、M・シューマッハ(フェラーリ)が獲得した。
中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「今朝のセッションでは二人とも順調だったので、午後はもう少し良い結果を期待していたんですが、9位と15位はまあまあといったところでしょうか。両セッション共にエンジンは快調でした。明日の順位の方がもっと重要ですから、頑張りますよ」
ジェンソン・バトン 9番手 1分36秒632
「朝のセッションではアンダーステアが強く、てこずっていたのに、午後になってみたら大きくバランスが変わってしまい、今度はオーバーステアが強くなってしまった。オーバーステアを消すために、セットアップの変更を試みたけど、むしろ前よりも悪くなったような気がする。このコースの特性なのかもしれないけど、ブレーキングのたびに姿勢が乱れがちだった。マシンの仕上がり状況を考えると、タイムアタック自体は悪くなかったと思う。良い意味でまだまだやるべき事は残っているけど、明日はもっと良くなると思うよ」
ジャック・ビルヌーブ 15番手 1分37秒585
「午前中はデフの調子が悪くて、練習走行終了時点ではマシンのバランスが実際のところどうなのか良く分からなかった。予選用にはセットアップを変えてみたので、ちょっと未知数のところもあったんだよね。マシン自体は結構速かった。でもメルボルンの時ほどじゃなかったな。思い切り責めたんだけど、最後の2つのコーナーでミスしてしまい、タイムが伸びなかった」 |