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グリッドにつくバトン |
開幕戦オーストラリアGPの決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジャック・ビルヌーブは9番手。ジェンソン・バトンは10番手でチェッカーを受けた。惜しくも入賞は逃したものの、チェッカーを受けたのは11台というサバイバルレ
ースの中で2台共完走を果たし、信頼性の高さを証明した。
午前中から断続的に強い雨の降る不安定な天候。ウェットレースの宣告が出され、午後2時のスタート時点でも路面は若干濡れておりウェットタイヤを装着してのスタートとなった。昨年のような多重クラッシュもなく、全車が1コーナーを抜けて行った。フロントローのフェラーリ2台が飛び出して行くなか、1周目を終えた時点で、バトンとビルヌーブは6・7番手。バトンはすぐ前のH・フレンツェン(ザウバー)を激しくプッシュするが、なかなか抜けない。
その間に路面はみるみる乾き始め、まずビルヌーブが4周目にピットイン。ドライタイヤに交換する。続いてバトンも、次の周にタイヤ交換。その後6周目にR・ファーマン(ジョーダン)がクラッシュしたため、ペースカーに先導されてのレースとなった。この時点でビルヌーブは9番手。バトンは11番手まで後退してしまった。
その後11周目にレース再開。ここでビルヌーブは8番手、バトンは10番手までポジションを回復。そして次の周でバトンがO・パニス(トヨタ)をパスして9番手に。再びB・A・R
Hondaのランデブー走行が始まった。15周目にM・ウェバー(ジャガー)がストップ。さらに上位を走るウィリアムズ勢がピットインするなどした結果、ビルヌーブ、バトンは表彰台まであと一息の4・5番手まで順位を上げる。
レースが3分の1を終えた20周目の時点で、B・A・R Honda勢は依然4・5番手。バトンのすぐ後ろからJ・モントーヤ(ウィリアムズ)が激しく迫るが、バトンは抜かれる隙を見せない。ところが、電波状態が悪くドライバーとの無線が途切れてしまい、25周目に2台同時にピットインすることに。これで2人は最下位の13・14番手まで順位を落としてしまう。その後2人はめざましいペースで先行車を追い上げ、31周目にはジャックがA・ピッツォニア(ジャガー)とパニスを抜いて10番手に。39周目にはフレンツェンを抜き、この時点で8番手までポジションアップ。その後バトンは同じ周に、そしてビルヌーブも41周目に3回目のピットインを行なう。
ゴールまで残り10周となった48周目。ビルヌーブは10番手、バトンは11番手に付けている。53周目には直ぐ前を行くフィジケラがピットインしたままリタイヤ。これでジャックは9番手に上がり、入賞圏内まであと一息と迫るが、残念ながらポイント獲得にはならなかった。とは言え、20台中チェッカーを受けたのは11台というサバイバルレースの中で、2台が完走。1時間40分を走り切って、信頼性の高さを証明した。
●中本修平 エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「ポイント獲得まで、あと一歩だったので本当に残念です。ジャックもジェンソンもドライタイヤに交換するため早めにピットインせざるを得ず、その結果3回ストップになってしまい、ポイントを逃してしまいました。ただ、週末を通じてマシンの速さを証明することが出来たので、この先のシーズンに向けての励みになりました」
●ジャック・ビルヌーブ(9位)
「無線の具合が悪くてピットとの間のコミュニケーションがうまく行かず、2回目のピットインの際、2台で同時に入ってしまった。これまでの経験からだと、今回のドライタイヤはレースの残りの半分までもたないと思っていたので、結果的に3ストップになってしまった。タイヤが温まるまでに時間がかかり、結果的にどのセットも上手くグリップさせる事が出来なかった。セーフティーカーが入らなかったら今日の戦略は正しかったと思うけれど、とにかく今日はついていなかったよ」
●ジェンソン・バトン(10位)
「スタート時にタイヤの選択を間違えたことや、チームメートが間違った周回にピットインして来たことは残念だし、はっきり言って恥ずかしいよね。練習走行や予選の際にはマシンの調子もとても良かったし、レースでもすごく速かったから、この結果は本当に悔しいよ」
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