Honda Racing F1 Teamは今週、スペイン南部ヘレスサーキットで、中国・日本・ブラジルと続くシーズン終盤3戦に向け、3日間のテストを行った。
次週も同地でテストを続けるが、この2週間のテストは、かなり中身の濃いプログラムが用意されている。今週はまず中国GP用のタイヤ選択、空力、電子制御、そしてエンジンのアップデートなどを行った。
初日の水曜日は、ルーベンス・バリチェロとアンソニー・デビッドソンが参加。午前中、路面コンディションがよくなるまでは、車体の基本セットアップを煮詰める作業から取りかかった。その後2人は、中国GPを見据えたタイヤテストに移る。さらにデビッドソンは空力評価、バリチェロは電子制御の開発をこなし、それぞれ126周、114周を周回した。
その夜から降った雨のために、2日目午前中はウエット路面となった。それでもこの日参加したジェームズ・ロシターは、マシン開発とタイヤ評価で101周を走った。バリチェロは空力テストに加え、前日のデータを基に中国GP用の最適なタイヤ選びに専念した。この日の終盤には電気系のトラブルが出たものの、80周をこなし、トップタイムも記録した。
最終日に再びステアリングを握ったデビッドソンは、中国GP用のロングランでのタイヤ選択、空力評価などで、非常に充実した一日となった。一方ロシターは将来的なタイヤ開発、電子制御のチェックランなどを行った。デビッドソンは実に161周を周回して、この日トップ。ロシターも108周を走って、2番手のタイムだった。
■ルーベンス・バリチェロ
「今週は終盤3戦に向けての、セットアップ作業に専念した。初日は最適なバランスを見つけるのが難しかったが、クルマ自体の信頼性は高く、多くの周回をこなすことができた。翌日はセットアップを変えて、バランスはずいぶんいい感じになった。中国GP用のタイヤ、そして空力や電気系のテストも集中して行い、パフォーマンスはかなりいいと思う。終盤3戦は、いいレースができると信じてるよ」
■アンソニー・デビッドソン
「初日は中国に向けたタイヤと、空力テストに集中した。残念ながら風が相当強く、理想的な走行コンディションとはいえなかった。みんな、バランスを取るのに苦労してたからね。でも最終日は最高の状態でテストができ、クルマの性能を十分に引き出せたと思う。すばらしい一日になった。空力比較や、ロングランでのタイヤテストで、いい結果が出たしね。今週は信頼性も申し分なく、トラブルフリーで多くの周回ができたよ」
■ジェームズ・ロシター
「今週は、いいテストができた。僕はマシンセットアップと空力テストを主にこなし、ほかにはタイヤや電気系の作業も行った。2日間とも目立ったトラブルはなく、いいデータが取れた。2週目もこの調子でいきたいね」
■マーク・エリス チーフエンジニア
「ヘレスで2週連続で行われるテストの1週目は、非常にうまくいった。RA106もRA806エンジンも、申し分のない信頼性を発揮してくれた。スタッフもがんばり、コースコンディションにも恵まれたことで、予定したメニューはすべて成功裏に終了したよ。マシンはグリップもあり、バランスもいいと、ドライバーは評価してくれている。ラップタイムも、非常に励みになるものだった。車体と制御系の改良はいい結果が出たし、ミシュランとの上海用のタイヤテストも、期待したような解決策が見つけられた。来週もヘレスで、シーズン終盤に向けてのテストを続けるよ」 |
