Honda Racing F1 Teamは、今週末、夏休み前最後のテストをスペイン・ヘレスサーキットで行った。
ヘレスはかなり暑く、同じような高温が予想されるドイツ、ハンガリー、トルコと続く夏の3戦に向けた準備には、理想的なコンディションといえた。3戦分のテストをこなすために、メニューは盛りだくさん。最新空力パッケージの確認、ミシュランタイヤの評価、改良されたエンジンのテストなどを集中的に行った。
初日水曜日は、ジェンソン・バトンとアンソニー・デビッドソンが参加。バトンは空力とエンジン、そして足回りの評価に専念。デビッドソンはドイツGPに向けての車体、タイヤ評価がメインだった。この日は風が強かったが、2人はそれぞれ83周、107周をこなし、この日4番手、3番手のタイムだった。
2 日目は、デビッドソンが行っていたタイヤ評価をバトンが受け継ぎ、ドイツGP用のさまざまなスペックを試した。午後には空力テストも行い、103周を走って、この日2番手の速さを見せた。一方、この日からテストに合流したルーベンス・バリチェロは、午前中は電気系のテストと予選に向けてのシミュレーションを行った。その後、バトンが選択したスペックをもとに、ドイツGP用のタイヤを絞り込んだ。バリチェロは76周を走って、この日最速のタイムを出した。
最終日はバトンに代わって、デビッドソンが復帰。バリチェロとともに、ハンガリー、トルコ用のタイヤ選びに専念した。2人は同時に、前日まで行っていた空力と制御システムも継続してテスト。車体、エンジンの抜群の信頼性も奏功して、デビッドソンは113周をこなした。バリチェロも106周を走って、この日 3番手だった。
■ジェンソン・バトン
「ヘレステストは、うまく行ったね。ホッケンハイムとブダペスト用のタイヤ選択だけでなく、いくつか新しいパーツも試して、いい結果が得られたしね。全般的にいいテストだったけど、ただ問題はその好結果を、実際のレースで再現できるかどうかということだ。何たって、相手あってのレースだからね。次の数戦、どこまで戦闘力が上がっているか、慎重に見る必要があると思う」
■ルーベンス・バリチェロ
「いいテストだったよ。進歩が見られたし、フランスで採用した空力パッケージについても、それをどう発展させていくか、多くの情報を得られたしね。電気系もいろいろやって、こちらも進歩があったよ。だからさらにステップアップをしたことに、自信を持ってる。あとは、ライバルたちとどれだけ戦えるか、週末のレースに期待したい」
■アンソニー・デビッドソン
「初日水曜日は風が強くて、直接の比較はむずかしかった。それでもホッケンハイム用のタイヤについては、多くのデータが得られたよ。このような状況だったけれど、クルマのバランスは悪くない。他と比べても、ペースはよかったんじゃないかな。最終日は113周と、かなりの周回がこなせた。トルコに向けてのタイヤデータをずいぶん取れたし、空力、電気系の開発も完了できた。ドライバビリティに関しては、間違いなく進歩した。夏休み前の、とても有意義なテストになったね」
■マーク・エリス Honda Racing F1 Team チーフエンジニア
「これだけ過酷な暑さの中、テストに専念してくれたスタッフみんなに、感謝の意を表したい。おかげで多くのプログラムを、集中してこなすことができた。空力、メカニカル、電子制御の各プログラムで、多くのいい結果を得られた。周回ペースも非常に良かったしね。信頼性の点でも大きな問題はなく、これも勇気づけられるものだった。ミシュランタイヤもこれからの数戦、十分な戦闘力を発揮できるはずだよ」 |
