Honda Racing
F1 Teamは今週、走り慣れたスペイン・バルセロナのカタロニアサーキットで、次戦イギリスGPに向けての3日間のテストを行った。
今回の主なメニューは、シルバーストーン用のタイヤ選択、および車体セットアップ、そして最新バージョンのエンジンテストだった。
レースドライバーのジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロ、さらにアンソニー・デビッドソンとジェームズ・ロシターのフルメンバーが参加。日本、イギリスと今季2つあるホームGPの初戦に備えた。
初日水曜日は、朝から大雨に見舞われるあいにくの天候。午前11時まで、まったく走行できないほどだった。バトンとバリチェロの2人は、深溝のレインタイヤで何周かこなすにとどまった。午後には路面が完全に乾き、バトンは車体セットアップで102周、バリチェロは空力とタイヤメニューに専念し、110周を走行した。
2日目はスペインらしい陽気が、サーキットに戻ってきた。バトンとバリチェロはイギリスGPに向けてのタイヤ選択、そして空力開発に専念。バトンは109周をこなしたものの、バリチェロは午後早くにエンジン交換でテスト時間を若干ロスし、98周にとどまった。
最終日はデビッドソンとロシターが、2人のレースドライバーと交代。デビッドソンは車体セッティング作業と、これまで2日間の結果をもとにしたタイヤ開発に重点を置いた。走行中の4コーナーでのスピンなどもあったが、短めの空力テストも行い、実に139周を走破。一方のロシターは、午前中走り始めて間もなく4コーナーでスピンを喫し、大きくタイムロス。それでも午後は空力開発や車体セットアップに専念し、105周をこなした。
■ジェンソン・バトン
「今週のテストも順調だった。イギリスGPに向けてのタイヤ選択を行って、すごく有益なものになったよ。それからモナコで問題の出たセットアップ作業に関しても、安定した走りができるようなものを見つけるべく、いろいろ対策を講じたしね。今回もかなりの周回をこなして、現時点のマシンのポテンシャルを、最大限まで引き出せてると思う」
■ルーベンス・バリチェロ
「エンジンにトラブルが出てしまったが、それを除けば今回も非常に多くの周回がこなせた。初日の僕は、タイヤと車体セットアップに専念した。2日目は足回りをいろいろ変更したんだけど、その結果には大いに満足してるよ。全般的にバルセロナでの2日間は、満足できるものになったと思う。タイム自体はさほど目覚ましいものではないかもしれないが、僕らの立ち位置は、自分たちでよくわかってる。イギリスGPに向けて、すごくいい感じだ」
■アンソニー・デビッドソン
「今日だけで139周を走り切り、僕らのクルマがいかに高い信頼性を持っているかが実証された。エンジンも目標距離を超えたしね。シルバーストーンに向けてのタイヤと空力評価を行って、期待できる結果が出たよ」
■ジェームズ・ロシター
「今朝ちょっとしたミスをしてしまって、おかげでテストプログラムに支障をきたしてしまった。でも最終的には少なからぬ周回をこなせて、今後数戦のレースに向けて、いくつか有益なデータを見つけることができた」
■マーク・エリス チーフエンジニア
「イギリスGPに向けて、数々のセットアップやタイヤ開発など、実に有益なテストができた。バトンもバリチェロも、われわれが達成したことに非常に手応えを感じてくれている。ここで得た膨大なデータは、必ずホームGPでの戦闘力発揮に役立ってくれるはずだ」
■中本修平 Honda Racing F1 Team
シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「シルバーストーンに向けての最終仕様を決める上で、今回のテストでは非常に有益なデータが得られました。これを十分に分析し、決定を下すつもりです」 |
