ドイツ、スペインと2週連続のレースが終わってすぐ、Honda
Racing F1 Teamはイタリア・バレルンガで、3日間のテストを行った。
今回のテストの目的は、次戦モナコGPに向けての車体開発、セットアップ、タイヤ選択。そして今後数戦用のタイヤ開発だった。初夏の好天に恵まれた上に、RA106も高い信頼性を発揮し、チームは予定したプログラムをすべて消化することができた。バレルンガは短く、かつきついコーナーが連続するレイアウトであり、今回参加したジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロ、そしてサードドライバーのアンソニー・デビッドソンにとっては、市街地コースで戦われるモナコGPへの絶好の練習の場となった。
初日の火曜日は、デビッドソンとジェームズ・ロシターがステアリングを握り、モナコGP用の空力、タイヤ評価を行った。デビッドソンは127周、ロシターは午後になっていくつかメカニカル面でのトラブルに見舞われ走行を中断したものの、76周をこなした。
翌水曜日には、ロシターに代わり、バトンが参加。コースの習熟走行の後、タイヤプログラムの消化に専念。実に176周を走り込んだ。一方デビッドソンは空力やタイヤ、車体セットアップ作業などを行い、146周を走った。
最終日のバトンは、まずモナコ用のテストから始める。車体セットアップの後、ダウンフォースを減らした車体仕様で、カナダGPに向けてのタイヤをテスト。合計147周を走行した。この日合流したバリチェロは、モナコ用の空力、タイヤテストに専念し、112周をこなした。
■ジェンソン・バトン
「かなりの距離を稼いで、いいテストになった。モナコだけでなく、カナダGP用のタイヤもいろいろ試せたしね。バレルンガは路面の凹凸がひどく、舗装もモナコよりずっと粗い。でもどのタイヤが本番でいけそうか、いい感触を得られたよ。手応えを感じているだけに、週末のレースが楽しみだ」
■ルーベンス・バリチェロ
「今日は終日、セットアップ変更を徹底的に試せた1日だったね。主なメニューは車体関連だったけど、モナコ用のタイヤもテストした。いい結果が出たよ。モナコ在住の僕にとって、次はホームレースでもある。抜きどころのないあのコースでは、予選が最も重要になる。でもこのクルマなら、いいグリッドが獲得できるはずだ」
■アンソニー・デビッドソン
「空力、タイヤ両方でいいデータが取れて、大変充実した2日間となった。他にも全般的に車体セットアップを色々試せて、今後のレースに使えそうだ。バレルンガのきつく曲がりくねったレイアウトでも、いいフィーリングを体感でき、全体的にいいテストだった。だからモナコの金曜日でも、かなりの走りができると思うよ」
■ジェームズ・ロシター
「いろいろトラブルが出てしまったけど、今回のテストでさらに走れたのはよかった。僕は主に空力パッケージをテストして、いろいろなセッティングを試したけど、最後はいくつかいい結果が出たよ」
■マーク・エリス チーフエンジニア
「バレルンガの3日間は、非常に有効なテストになった。天候もコースコンディションも完璧で、モナコGP用の開発とタイヤプログラムは、すべて消化できたしね。ドライバーたちには新しい方向性のセットアップを試してもらって、彼らも好結果に喜んでいる。モナコでは、競争力を発揮できるはずだ」
■中本修平Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「他のサーキットに比べて加速カーブがずっと急なモナコに向けて、ベストのセッティングを見極め、最新スペックのエンジンに活かすことを今回の目的として臨みましたが、いい結果が出ました」 |
