Honda Racing F1 Teamは今週、チームのホームサーキットとなるシルバーストーン・サーキットで、3日間のテストを行った。
チームは、イモラで出たいくつかの問題を詳細に検討し、マシン自体の性能をさらに向上させることに焦点を合わせている。
今回の3日間のテストには、ジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロ、アンソニー・デビッドソンの3人が、そろって参加。通常の車体セットアップ、タイヤ開発に集中した。さらに今回は、予選での速さをいかに日曜のレースにつなげるかについて対策が行われ、成果を挙げることができた。
初日の火曜日は、バトンとデビッドソンがステアリングを握った。朝のうち激しいにわか雨に見舞われたため、ウエットタイヤでの走行から始める。その後路面が完全に乾いてからは、車体セットアップ作業に取りかかった。バトンは59周を走って、総合2番手。デビッドソンは65周を走行した。
翌水曜日には、バリチェロが合流。タイヤプログラムと空力評価を集中的にこなし、109周を走りきった。バトンは前日に引き続き、車体セットアップに専念。さらにスペインとイギリスＧＰに向けてのタイヤ評価も行った。この日のバトンは、合計135周を走った。
最終日の木曜には、デビッドソンが復帰。初日にいい結果を出していたスペックを使い、より長い距離でのタイヤ評価に専念した。デビッドソンは143周を走って、予定されたプログラムをすべて終了した。一方バリチェロは、さまざまなセットアップを試すなど、車体開発と空力評価に集中。午後になってギアボックスにトラブルが出たものの、合計71周を走ることができた。
■ジェンソン・バトン
「今後数戦に向けて、いいテストになったと思う。僕は今回、これまでのレースで出ていた問題を解決しようと、いろんな車体セットアップを試してみた。それからわれわれのクルマにより合ったミシュランタイヤのテストもね。結果的に、今年行ったテストでは、ベストのひとつになったと思う。特に相当の距離をこなせた2日目の、成果が大きかったよ。それからレース距離の走行も、ずいぶんできた。ニュルではいい結果が出せると期待してるよ」
■ルーベンス・バリチェロ
「チームは今週、ものすごいハードワークをこなした。そのおかげで、車体セットアップに関してかなりの進歩が実感できたね。今日はいくつか小さなトラブルが出てしまったが、 2日間合わせて相当の距離を走ることもできた。ずいぶんいろんなセットアップを試し、その結果クルマの挙動はずいぶん良くなった。まだこの分野でやるべきことは多いけれど、ニュルでいい結果を出す自信はあるよ」
■アンソニー・デビッドソン
「シルバーストーンのテストでは、特に最終日は、かなりの周回をこなせ、成果を感じたよ。例によって信頼性は高いレベルに達してるから、今後のレースでも心配はないはずだ。最終日はイギリスGP用に、コンパウンドと構造の両面からタイヤ選択の作業を行った。結果には、十分満足してるよ。今日はクルマの最適バランスを見つけるのに、ちょっと苦労した。データを検討して、対策を施すつもりだ」
■マーク・エリス、チーフエンジニア
「非常に生産的な作業をこなし、レースペースの向上をさらに達成することができた。それがどこまでできているかは、ニュルブルクリンクでの速さを見るしかない。でも進化の実感はあるよ。他にはスペインとイギリスGPに向けてのタイヤプログラムもこなし、こちらも楽しみな結果になっている」
■中本修平 Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「改良したエンジンに関して、効果を確認できたテストとなりました。スペインGPに投入することになるでしょう」 |
