Honda Racing F1 Teamは、スペイン・バルセロナで行われたヨーロッパラウンドに向けての最終テストを終了した。
今回のカタロニアサーキットでのテストは、5月に開催されるスペインGP前の最後の走行機会でもあった。チームは今回、空力と車体セットアップ、今後のレースに向けてのタイヤ開発テストに加えて、サンマリノで投入する最新バージョンのエンジンテストも行った。レギュラードライバーのルーベンス・バリチェロとジェンソン・バトン、さらにサードドライバーのアンソニー・デビッドソンも加わり、3日間で3500ｋｍ以上を走行。RA106は素晴らしい信頼性を発揮し、かつ周回ペースも向上させることができた。
初日水曜日は、バリチェロとデビッドソンが参加。車体セットアップに続いて、空力評価を行った。バリチェロは午後も空力プログラムをこなす一方、デビッドソンは車体セットアップに専念。バリチェロは106周を走行し、この日総合2番手。デビッドソンは113周を走行した。
木曜日に合流したバトンは、まずはマシンバランスを探ることからテストを開始した。その後は空力、車体セットアップのプログラムをこなす。一方バリチェロも、午前は空力テストに専念し、その後は今後数戦に向けてのタイヤ評価を行った。バトンは実に150周、700km近くを走破。バリチェロも133周を走行した。
最終日のバトンは、まずは全般的な車体セットアップを行い、続いてロングランでの、タイヤ評価に集中した。さらに午後には空力評価や、より長期的な開発を行った。一方バリチェロは車体セットアップをこなし、午前中だけで54周を周回した。しかし肩の痛みを訴えたために、午後はデビッドソンと交替。69周を走行し、予定していたタイヤ評価プログラムはすべて終了した。
■ルーベンス・バリチェロ
「今週のテストは、充実していたし、かなりの進歩を実感できた。僕自身もいっそうマシンに慣れて、自在に操れるようになった。トラクションコントロールも、まだ完璧とは行かないまでも、さらに性能が向上した。唯一残念だったのは、最終日に肩の痛みを感じて、昼までにテストを切り上げてしまったことだ。とはいえこのテストでは有意義な結果を残せたし、次戦イモラが楽しみだよ」
■ジェンソン・バトン
「ヨーロッパラウンドに入る直前で、膨大なテストメニューをこなしたよ。主にやったのは空力開発と、今後数戦に向けてのタイヤテスト。新しい空力パッケージは、かなりの進化を感じたね。タイヤの温まりの問題も、前進したと思う」
■アンソニー・デビッドソン
「今週のテストも順調だった。水曜日は今後数戦を見据えた車体セットアップに専念して、ずいぶん良くなったね。最終日の午後は、急にルーベンスの代役を務めた。ずいぶん忙しかったけど、69周を走ってタイヤ評価を終えられた。予定通りスケジュールを消化できて、うれしいよ」
■マーク・エリス チーフエンジニア
「今週はヨーロッパラウンドを見据えた実に盛りだくさんのメニューをこなした。2台のマシン3日間を通じて、素晴らしい信頼性の高さを発揮できた。おかげで新しい空力パッケージやタイヤ、車体セットアップ、制御システムなどのテストプログラムを、ほぼ終了できたよ」
■中本修平 Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「今週は最新バージョンのエンジンを走らせ、目標としていた距離まで到達できました。メルボルンでジェンソンが苦しんだ問題も対策が立てられたし、イモラではさらにパワフルなエンジンを投入する予定です」 |
