バーレーン、マレーシアと2006年開幕2戦を終え、Honda
Racing F1 Teamはヨーロッパでのテストを再開した。
第2戦ではジェンソン・バトンが表彰台を獲得し、幸先のいいスタートが切れた。次のオーストラリア、そして4週間後から始まるヨーロッパラウンドに向けて、チームは準備に余念がない。
前半の2日間は、サードドライバーのアンソニー・デビッドソンと、ヤングドライバーの一人であるジェームズ・ロシターが参加。最終日3日目に、ルーベンス・バリチェロが合流した。今回の主なメニューは、ミシュランタイヤのテスト、ブレーキ評価、車体のセットアップに加えて、最新スペックのHondaエンジンを走らせることだった。
ヨーロッパ各地でテストを行った他チーム同様、Hondaも気まぐれな天候に悩まされた。初日午前中は雨が降ったり止んだりの天気で、路面は完全に乾かなかった。そのため両ドライバーは、ウエット路面でのセットアップ作業から始めた。昼過ぎには路面もようやく乾き、2人はドライ路面でのプログラムにとりかかる。デビッドソンはタイヤ評価を中心に140周を周回。ロシターは新車RA106-05号車でさまざまなセットアップを試し、97周を走った。
2日目は朝のうちこそ陽が射していたものの、天候はすぐに悪化。そんな中で2人は、それぞれのマシンのセットアップ作業に専念した。午後にはにわか雨に見舞われたが、デビッドソンは67周、ロシターは35周をこなした。
最終日に合流したバリチェロは、まずはマシンとコースに慣れるための周回を重ねる。一方デビッドソンは車体セットアップ作業を続けていたが、雨が強くなったために、午前中の早い時点でテストを切り上げた。その後は雷を伴う大雨となり、路面は完全に濡れた状態に。両ドライバーはセッション終了間近に、悪天候用ウエットタイヤを装着して数周ずつ走った。この日のバリチェロは、計46周。デビッドソンは82周の周回だった。
■ルーベンス・バリチェロ
「朝のうちはドライ路面を走れたけれど、まだコースの習熟走行の段階だった。そのうち雨が降り始めてしまってね。でも夕方はウエットタイヤでキッチリ走り込んで、濡れた路面でのマシンの感触とセットアップを確認することができた。このサーキットでは、僕らが色々考えてたアイデアもテストできた。次のオーストラリアGPでいくつか使ってみるつもりだから、いいレースになることを期待してるよ」
■アンソニー・デビッドソン
「新しいサーキットで走るのは、なかなか興味深いことだったね。天気に恵まれなかったのが、ちょっと残念だったけど。でも初日には140周走れて、今回では一番収穫のある日だった。制御系の開発で、いい結果が出たからね。車体セットアップもやったし、エンジンの距離もこなすことができた。メルボルンの金曜日にどんな走りができるか、楽しみだよ」
■ジェームズ・ロシター
「初日火曜日は、悪くなかったね。ここで走るのは初めてだったから、最初はまずコースの習熟に時間をかけた。午後はドライ路面で走れたんで、マシン挙動をより深く理解できたし、セットアップ作業もずいぶん進展した。2日目は天候が今一つだったけど、セッションが終わるまでには何とか予定していたプログラムをこなしたよ」
■マーク・エリス チーフエンジニア
「変わりやすい天候だったにもかかわらず、充実した内容のテストができた。今回の主な目的は、序盤2戦で明らかになった課題についてテストすることで、ここバレルンガはそれには最適なコースだったね。電子制御と車体セットアップの両方で、かなりの収穫を挙げることができた。しかもドライとウエット、両方の路面コンディションでね。タイヤに関しては、さすがにドライ路面での評価は十分にはできなかった。しかしいくつか楽しみな結果が出ているので、ヨーロッパラウンドが始まる前のテストにつなげようと思っている」
■中本修平 Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「雨が降り続いていたために、パワーや回転数を上げることよりも、制御システムのテストに集中しました。成果は上々で、メルボルンに向けての最適なエンジンマッピング作成に役立ってくれるでしょう」
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