フォーミュラワン世界選手権は、1950年に欧州で始まった世界最高峰の伝統あるレース。車体もエンジンも各チームが独自に製作したフォーミュラマシン(タイヤが露出したマシン)でアスファルト路面のサーキットを走り、速さを競う競技。 2003年から金・土曜日に各マシンが1ラップずつ単独で走る予選を行い、スターティンググリッドを決定(次項で解説)。2台ずつ並ぶグリッドに停止した状態からスタートし、300km以上で大会ごとに決められる周回数を一番速く駆け抜けたドライバーが勝者となる。 1回以上ピットインを行い、タイヤ交換と給油が行える。ピットインの回数に制限はない。2003年から8位までポイントが与えられることとなり(次項で解説)、より白熱したチャンピオン争いが展開されることとなる。 |
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2003年は、10チーム計20名のドライバーが年間16戦の総合ポイントでワールドチャンピオンの座を競う。マシンのレギュレーションに大きな変更はない。それは、18000回転以上も回るといわれるハイパワーの3000cc自然吸気エンジンを搭載し、最低重量がドライバーを含め600kgと超軽量なフォーミュラマシン。前後とも4本のミゾが入ったドライタイヤ、もしくはパタンが刻まれたウェットタイヤを装着する。 ピットインのタイミングと回数を選択できるため、予選位置やスタートの良し悪し、速さだけでなく、何周目に何回ピットインを行うかといった戦略も重要なカギを握る。また、エンジンはパワーだけでなく燃費の善し悪しも重要となる。燃費が良ければ、はじめに搭載する燃料も少なくて済み、途中で作戦を変更する場合にも選択肢が増える。さらに軽い状態でより多くのラップを重ねられるなどのメリットがある。 さらにレースを面白みのあるものとするため、2003年からレギュレーションが大幅に更新された。その主なポイントは… ●予選が混走から1台ずつ2度の単独アタックへ 従来は土曜日に1時間、各車12周以内の予選走行を行っていた。いつ走るかは各車の自由であるため、混走する他のマシンに行く手を阻まれることがあった。2003年は、金曜日と土曜日に各1時間予選を行い、1度に1台のマシンのみが走行する単独アタックを計2回実施。各車、他のマシンに妨げられず全力のアタックができ、観客もそれをじっくり楽しめる。 ●上位8位までポイントを獲得 従来は上位6位までが入賞となり、ポイントを獲得していた。2003年からは、上位8位までが入賞となりポイントを獲得。ポイントは、1位から順に10・8・6・5・4・3・2・1に。(従来は10・6・4・3・2・1) 入賞の幅が広がっただけでなく、各位の獲得ポイントの格差が縮まったため、ポイント競争でより接戦が期待できる。 ●その他の変更 ・マシン開発のコストを削減すべく、シーズン中のテストを10日以内に抑えるとFIAに約束する代償として、金曜日に2時間のフリー走行のチャンスが与えられる(3チーム以上集った場合)。 ・レース結果を左右するチームオーダーは禁止。 ・タイヤメーカーは、それぞれのチームごとにコンパウンドの異なる2種類のドライタイヤを供給する。 いずれも、資金の豊富なチームの独走を緩和することに配慮されたものだろう。 |
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