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Hondaの挑戦がはじまった! 佐野教授の「60's Honda F1物語」

写真
映画の撮影に備えて鈴鹿に実地研修にやってきた“大物俳優”三船敏郎さん(左から3人目)と。右端の佐野さんは、確かに、記念写真も気が進まなそうなそぶり!?
映画「グランプリ」の感動
(佐野彰一×高木理恵) 

みなさんは、映画「グランプリ」をご存知ですか? 1966年のアメリカ映画で、日本でもヒットした、F1をテーマにしたレース映画です。これはハリウッド映画ですが、Hondaをもじった“ヤムラ”という名の日本チームが活躍するこの作品に日本人として出演していたのが、あの“世界のミフネ”三船敏郎さんでした。

そして、何と何と佐野さんは、この世界的大スターといっしょの写真をお持ちなのです。 えーと、この背景はサーキットですねえ。ということは、やっぱり鈴鹿なのでしょうか?

――佐野さん! これ、三船さんといっしょの写真ですよね! どこかのサーキットでお会いになったんですね?

「ああ、場所は鈴鹿です。彼はF1というものをまったく知らなかったので、レースを知るために現場に勉強にきたというか」

――おお、そうでしたか。大スターということで、佐野さんもけっこう緊張されましたか?

「いや、実はよく覚えてなくて……(笑)。あとで写真ができあがってきたときに、家内が『三船敏郎だ!』というんで、じゃ、この写真は記念に取っておこうかなとは思ったけど」

――そんな……。で、あの、三船さん以外の他の俳優さんも来ていたんですか、鈴鹿には?

「いや、それはわかりません。まったく記憶にない。というか、関心がなかったので(笑)」

――もう!(笑)でも、できあがった映画は、もちろんごらんになってますよね?

「あ、それは見ました。テアトル東京だったですね、映画館は。会社の人間といっしょに行きました。でも……」

――でも!?

「申し訳ないんですが、ストーリーっていうのは、まったく覚えてないんですよ(笑)。だから、どんな映画だったかと聞かれても説明はできない」

――え〜!? 三船さんと一緒に撮った写真もあるというのに〜?

「物語に感動したとか、そういうのはまったくないんですけど、そうそう、ひとつだけ、記憶に残っているというか、すごく感心したシーンというのがあった」

――はい、どんなシーンでしょう?

「コーナーから立ち上がってくるクルマを、ストレート側から、つまりクルマの正面が見えるように映している場面がありましてね。
そのとき、ああ、コーナリングっていうのはブレーキなんだなということがよくわかった。うん、あれには感心したな」


――は……!? コーナリングがブレーキ?

「クルマがすごい勢いでコーナーに入っていって、そしてストレートに出てくるでしょ。 映画の画面でいうと、左側から走ってきたクルマが、コーナーを回って、こっちに向かってくる。そのとき、コースの外側いっぱいまで斜めにはらんで行ったクルマが、ピタッと止まるように見えた。
つまり、コーナリングするというのは、ブレーキングしているのと同じなんですね。
そうか、タイヤって縦でも横でも同じ力を出すんだ、なるほど! と思いました」


――あの、そんな見方をするのは、おそらく佐野さんだけだと思います!(笑)

「あの映画で、自動車の運動というのは、縦も横も同じだっていうことがわかった。それまでは、前後の運動と左右の運動を、どこかで分けてた。でも、映画を見てからは、横も縦も同じなんだ、と。
だから、しっかり止まれる、扱いやすいこと――つまり、いいブレーキとサスペンションというのは共通するものがあるんだということです。原理的には一緒なんですね」


映画のストーリーにはまったく興味を持てなかったという佐野さん……。
コーナリングのシーンが映されるまでは、ひょっとしてウトウトしていたのかしら?
でも、そのシーンを思い出しながらお話する佐野さんって、けっこうホット! 佐野さんは、ある意味、誰よりも映画「グランプリ」を楽しんだ方だったんだなと思いました。

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