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佐野教授の手紙
9月7日イギリスからその6
いよいよイタリアGPへの旅立ちが近づいた

 少し手紙を書くのが遅くなって申し訳ありません。手紙は2通とも31日(木)に受取りました。皆様一同元気でなによりです。こちらもこのところ少し忙しく手紙が書けませんでしたが元気です。御心配なく。
 29日(火)に中村さんが残りのメカニック一人とロンドンに着きました。空港に迎えに出ましたが、今度はすぐ見つけました。車の方は順調に進んでいます。31日(木)にエンジン屋の久米さん(この人がこれからのエンジン関係の親分)が到着しましたが最新情報によると我々の方針を少し変更せざるを得ないかもしれず、僕のこれからの日程に影響を及すかもしれません(この事に関してはあとで書きます)。
 新しい車はローラにまかせてあるので(実際はてつだいを申し入れたところが英語が解らないメカニック達にてつだってもらっても邪魔だとことわられた)仕事はあまりないので夜すぐ近くの映画館で封切の「007は2度死ぬ」を見に行きました。ロードショーなので少し高いとのことでしたが約380円で二階の良い席です。250円ぐらいで一階でも見られますから日本より安い様です。映画は内容は原作を完全に変えてしまっていますが、大人の紙芝居としては面白く、特に日本の景色がいろいろ出てくるので、なつかしく、日本の紹介としてもまあまあそう悪くないので英語はやはり良くわかりませんが楽しい時を過しました。ローラの職人たちが日本に非常に関心を持っていろいろ質問を受けましたが、その日本ブームの原因はどうやらこの映画らしい様です。
 ローラでの図面の作業はすでに終っていますが、今度は久米さんの要望でフラットに道具を持込んで図面をかきはじめました。土曜日ローラから帰って4:00から7:00PM迄図面をかき、夕食后、中村さん、久米さん、萩田さんで麻雀をやりました。ロンドンまで来てまさかマージャンをやるとは思いもかけませんでしたが、久米さんが好きで、ホンダUKの人から借りて来たのです。半ちゃん2回やりましたが、第1回の冒頭中村さんに親万をふり込んでそのショックで次回は少パイしてしまうなどスタートは悪かったのですが、次第にもり返して、1位になりました。第2回戦は4点の差で久米さんにトップをとられましたが合計で1人勝ちです。萩田さんなどは金子さんの仲間でかなりな高いマージャンをしている人なのですが、やはり僕はそう下手ではない様です。
 日曜日はメカニックは車が完成しないので一日休みましたが、こちらは図面を一日中かいていました。月曜日も4:00PM迄図面をかいてからローラに行って車の最終組立を見ていましたが結局7:30PM頃ホンダレーシングのガレージに持込んで、塗装したり最終チェックをしたりして11:00PMにフラットに戻りました。火曜は朝7:30AMにフラットを出てグッドウッドのテストコース迄中村さんの借りて来たS800に同乗して行きました。
 グッドウッドはロンドンの南80マイル程にある、丘陵地にあるレースコースで、いわばスズカサーキットのようにレースコースだけではなくゴルフコースやキャンプ地を含んだ広大な公園の様な所です。天候が悪く強い風と時々雨が降って寒くて防寒衣を着ていましたが、はじめての走行でもさすがにローラの経験はたいしたもので、1周24マイルのコースを44lap走り、多少の問題点はありましたが、とにかく車が非常に軽くなったのでイタリアグランプリの見通しは明るくなった様です。


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