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佐野教授の手紙
8月28日イギリスからその5
RA300の完成までもう一息だ

 この一週間こちらはここへ来て以来の暑い日が続いています。連日晴天で気持が良い気候です。暑いといっても日本の9月の終り近い感じで、秋を感じるようになりました。
 仕事の方は図面作業が殆んど終ったので、火曜日にかねてから頼んでおいた食料(インスタントラーメン、みそしるのもと、お茶漬のもと)を受取りにホンダUKに出かけました。もうすっかり馴れたのでドライブも楽しめます。日本人は2人出かけていったあとで僕と同期の斉田君一人残っていて、特に仕事は忙しくないので、インド料理店へ連れていってくれました。カレーを食べましたが、本式のカレーはあまり好みに合いません。
 彼は昨年の秋にロンドンに来たのですが、つい先日子供が生まれて家の方は大変忙しいとのことです。久しぶりで日本語を話し、すっかりゆっくりしてしまいました。せっかくロンドンまで来たので町を歩いて見たいのでその予定を話したところ親切にセンターまで車で送ってくれました。  ローラのオーストリア人に聞いておいたロンドン一番の本屋へ行って、特に日本で手に入らない良い本が有るか探しましたが特に今まで見ない本はありませんでしたが、航空機の構造設計の本で、欲しいと思っていたものが有ったので少し高いのですが日本で買うよりはるかに安いので一思いに買いました。4200円です。その本屋は世界一の蔵書を誇っていますが日本でもこの程度の本屋は有るような感じがしますが事実大きいことは確かです。
 店が小さな露地をはさんで両側にあり、エスカレーターがあって3階建です。奥の方が古本部になっています。時間が遅く行ったので十分見るひまがなかったので良くわかりませんが、専門の本も充実しています。但し自動車の本はしろうと向けとマニア向けは有りますが、専門家向けはありません。多少失望しましたが、我々も既に参考にする本がないほど進んでいるのかもしれません。
 ローラの連中には「早く帰って図面をかくよ」といってあるので帰りの時間を気にしながら、ロンドンの銀座通りであるオックスフォードストリートを歩いてイギリスの西武に相当するセルフリッヂに行きました。このデパートはオックスフォードストリートの西のはづれに在るのですが、地図で見ると一マイルぐらいなのですが、この日は暑く、人出が多く、おまけに重い本を買ってしまったので、一苦労してたどりつきました。
 デパートの内容はいたっておそまつです。面積は白木屋ぐらいですが、四階までしかなく、それも四階は事務所が大部分です。中はうす暗く、品数もありません。特に買いたいと思うようなものはなんにもなくがっかりしました。
 車をホンダUKにおいてあるので帰りは地下鉄で帰る予定で、前日ローラの設計屋に地下鉄利用の手ほどきを受けておいたので、ホンダUKの近くの駅に乗り換え無しで行けるチャーリングクロス駅まで歩く予定でしたが、時間は遅くなるし、すっかりくたびれたので、一度乗換えても良い覚悟でボンドストリート駅から乗ることにしました。日本と同じ自動販売機で切符を売っていますが、どれを見ても目的のガーナスベリー駅はありません。やむをえず、表で探すと2シリング3ペンス大体115円と有ったので、窓口で買うことにしました。2シリング3ペンス出してガーナスベリーと云うと、又聞き返されたのでもう一度ガーナスベリーと云ったらわかって切符をくれました。発音が悪いのではなくて、声が小さかった様で、窓口では度胸を出して大声でどならなければだめですね。


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