Round 01フランス
2018年9月15日(土)-16日(日)・決勝
ボルドール24時間耐久レース
ポールリカール・サーキット
2018-2019FIM世界耐久選手権(EWC)が、伝統のボルドール24時間耐久レースで開幕しました。昨季王者の#1 F.C.C. TSR Honda Franceは、フレディ・フォレイ、ジョシュ・フックに加え、今季よりマイク・ディ・メリオが加入。昨季総合3位の#111 Honda Endurance Racingは、セバスティアン・ジンバートとグレゴリー・ルブランのペアは継続し、エルワン・ニゴンが加わりました。
今大会では、タイヤ使用制限は行なわれず、また予選上位5チームまでグリッドに応じたポイントが与えられる規則が追加されたことなどもあり、公式予選は最終セッションまでタイムが更新されるアタック合戦が繰り広げられました。
#1 F.C.C. TSR Honda Franceは、ライダー3名ともに最終予選で自己ベストタイムを更新し、2番グリッドを獲得。#111 Honda Endurance Racingもトップと1秒差以内という好タイムをマークし、6番グリッドにつけました。
9月15日(土)午後3時に、24時間レースがスタート。序盤から激しい争いが繰り広げられますが、#1 F.C.C. TSR Honda Franceはスタートライダーのフックが2番手をキープしてフォレイへと交代。このスティントでセーフティカー(SC)が入り、各車の差が縮まると、フォレイからディ・メリオへの交代時にはトップへと浮上します。
その後、トップ集団はピットインごとに順位を入れ替えながら走行を重ねましたが、ライバルチームの1台が転倒したことでオイル漏れを起こし、さらに複数台が転倒。コースコンディション回復のためにSC導入となります。これにより、先頭集団は#1 F.C.C. TSR Honda Franceと#111 Honda Endurance Racingほか2チームの4台に。しかし、#1 F.C.C. TSR Honda Franceにメカニカルトラブルが発生。すぐにマシン修復を図りますが、これに約10分を費やし、順位を18番手まで落としてしまいます。
8時間経過時点で#111 Honda Endurance Racingは2番手までポジションアップ。追い上げを目指す#1 F.C.C. TSR Honda Franceは10番手まで順位を回復させていました。
#111 Honda Endurance Racingのペースは衰えず、その約1時間後にはトップに立つと、2番手に43秒のリードを築きます。しかし、深夜1時8分に、ジンバートがトラブルを訴え緊急ピットイン。チームが確認したところ、シリンダーヘッドのボルト破損が発覚しました。チームは懸命の作業で修復に取り組み、約6時間20分後の午前7時27分にルブランがコースへ復帰。ルブランが担当スティントを終えてニゴンへと交代しましたが、再びパワーがなくなる症状に見舞われ、330周を走行したところでリタイアとなりました。
一方の#1 F.C.C. TSR Honda Franceは、夜間走行の間も粘り強く追い上げを図って走り続けます。他チームがトラブルで後退したこともあり、21時間経過時点でトップに立ちます。ポジションを奪おうとするライバルチームをうまく抑えていましたが、レース時間残り30分というところで再度SCが出動。これによって後続との差が詰まり、最後までバトルは続きましたが、首位を明け渡すことはなく、見事に開幕戦を勝利で飾りました。
#1 F.C.C. TSR Honda Franceは、昨年のル・マン24時間レースに続き、24時間耐久2連勝を達成。EWCシリーズ通算3勝目を挙げ、連覇を目指すシーズンを最高の形でスタートしました。
次戦は2019年4月20日~21日にフランスで行われる、ル・マン24時間レースです。
藤井正和|#1 F.C.C. TSR Honda France総監督(優勝)
「まさに奇跡。テストから時間の無い中で、どうなることかと思ったりもしましたが、結果的にはナンバー1として最高のかたちで終わることができました。皆さんにいい報告ができることを誇りに思います。しかしいつも言う通り、その位置にいなければこの結果は生まれない、耐久チームはみんなその想いでレースをしています。あきらめたらそこで終わり。我々もタフでしぶとい耐久チームになってきた、ということですかね」
ジョシュ・フック|#1 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「今日は運も味方してくれましたね、トップチームのほとんどがなんらかの問題で後退しましたから。僕たちは早い段階でそうなったので、十分に順位を回復する時間があったんです。今回は特別強い目標はなく、自分たちの走りをするだけだと思っていたので、この結果は十分すぎるほどです。ここに来るまでのテストで本当にいい仕事をしてくれたチームと、チームメートに感謝しています。新しいシーズンも自信を持って臨めそうです」
フレディ・フォレイ|#1 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「鈴鹿8耐でチャンピオンを決めてから少ししか時間が無かったので、正直ちょっとイライラしていました。でも、結果的に優勝できて、なにもかも解消できた感じです。今回このボルドールで勝てたのはすごいことだし、今年(昨シーズン)はル・マンでも勝っていますからね。耐久レースではパフォーマンスも重要ですが、長い時間の中でチャンスを見つけて、自ら引き寄せることも必要なんです。今回はそのチャンスが、F.C.C. TSR Honda Franceのためにあったということです」
マイク・ディ・メリオ|#1 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「新しいチーム、新しいマシン、新しいタイヤと、テストからとても難しく複雑な問題ばかりでした。違った乗り方を試して学んで、本当にゼロからのスタートでしたね。しかし、TSRは昔(グランプリ時代)からよく知っていたし、チーフエンジニアの大森さんとはMoto2のときに一緒に仕事もしていたので、信頼して走ることに専念できました。レース中も自分の担当スティントで走るたびに自信が深まって、最後には優勝できたのですごかったです」
セバスティアン・ジンバート|#111 Honda Endurance Racing(リタイア)
「戦略もよく、レースペースも速かったので、首位に立つことができ、深夜0時までは悪くない戦いができていましたが、結果は厳しいものでした。トップを走行中に問題が起き、ピットに戻らなければなりませんでした。ボルト破損という大きなトラブルでしたが、メカニックは懸命に作業をしてくれて、レースに復帰することができました。そして、グレッグ(ルブラン)からエルワン(ニゴン)に交代したときに、パワーを失うトラブルに見舞われ、ボルドールは超高速コースですから、リスクを冒すことはできませんでした。ここで勝つことが夢ですし、レース前にはこれが最後のボルドールかもしれないと話しましたが、また来年挑戦しなければなりません!」
エルワン・ニゴン|#111 Honda Endurance Racing(リタイア)
「レースを途中であきらめるのはつらいことですし、それがトップ走行中ならなおさらです。しかし、これもレースですし、耐久レースは簡単ではありません。ただ、パフォーマンスがよかったことはいいことで、レースペースはよく、何度もトップに立つことができました。さらに、このレースで多くのデータを得られて、学習も進みました。チームが必死にレース復帰を目指して素晴らしい仕事をしてくれたことに感謝しています。リタイアは残念ですが、さらに強さを増すことができるように取り組まなければなりません」
グレゴリー・ルブラン|#111 Honda Endurance Racing(リタイア)
「今日はいい面も悪い面もあるレースでした。よかったこととしては、最初の11時間では優勝できるだけの力があったことです。いいペースがあり、2番手に対して40秒ものアドバンテージを築くことができましたし、その差はさらに広げられたと思います。セブ(ジンバート)が問題に気付いてピットへ戻り、チームは6時間以上かけて修復してくれました。私がコースに戻り、約1時間走行しましたが、パワーが落ちているのを感じ、交代したエルワンも同様の症状を感じました。その時点で我々は44番手までポジションを落としており、残りのレース時間で挽回するのはかなり難しかったと思います。しかし、これがレースというもので、誰にも起こりうることです」
順位 | No. | チーム | マシン | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | F.C.C. TSR Honda France | ![]() |
698 |
2 | 7 | YART - YAMAHA | ヤマハ | 698 |
3 | 13 | WEPOL Racing | ヤマハ | 697 |
4 | 8 | Bolliger Team Switzerland | カワサキ | 695 |
5 | 2 | Suzuki Endurance Racing Team | スズキ | 691 |
6 | 56 | Gert56 German Endurance Racing Team | BMW | 688 |
16 | 26 | Zuff Racing Team | ![]() |
670 |
18 | 55 | National Motos | ![]() |
660 |
RT | 111 | Honda Endurance Racing | ![]() |
330 |
RT | 41 | Rac 41 Honda | ![]() |
224 |
順位 | No. | チーム | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | F.C.C. TSR Honda France | ![]() |
51 |
2 | 13 | WEPOL Racing | ヤマハ | 43 |
3 | 7 | YART - YAMAHA | ヤマハ | 41 |
4 | 2 | Suzuki Endurance Racing Team | スズキ | 41 |
5 | 11 | TEAM SRC KAWASAKI FRANCE | カワサキ | 40 |
6 | 8 | Bolliger Team Switzerland | カワサキ | 37 |
14 | 111 | Honda Endurance Racing | ![]() |
9 |
16 | 26 | Zuff Racing Team | ![]() |
6 |
20 | 55 | National Motos | ![]() |
3 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 61 |
2 | ![]() |
46 |
3 | カワサキ | 41 |
4 | スズキ | 30 |
5 | BMW | 30 |