Round04ドイツ
2018年6月9日(土)・決勝
オッシャースレーベン8時間耐久レース
オッシャースレーベン
ドイツで開催されたオッシャースレーベン8時間耐久レースで2番手グリッドからスタートした、F.C.C. TSR Honda Franceが優勝。ポイントランキングをリードしたまま、最終戦鈴鹿を迎えることになりました。
レース序盤、F.C.C. TSR Honda Franceはスタートライダーのフレディ・フォレイがトップ争いの集団に入りました。11周目、30周目と早い段階でセーフティカー(SC)が入る展開となりましたが、ピット内での戦略がライダーに確実に伝えられ、ライダーも経験値を最大限に発揮してぎりぎりまでスティントを引っ張る戦略で周回を続けていきました。
最初のスティントでトップ集団の4番手だったフレディは、上位陣で最も遅くピットインを行い、トップでジョシュ・フックにチェンジ。上位陣が順位を上下に入れ替える展開が続きました。中盤戦になると、再び走行を担当したフレディが2台のヤマハと順位を争いトップへ。その後、代わってコースインしたジョシュが一時奪われていたトップの座を奪い返すなど、F.C.C. TSR Honda Franceが場内を沸かせます。そして、じわじわとその差を広げトップの座を確実なものとし、レースをリードし始めます。
レース終盤、ぎりぎりまでピットインを引っ張る戦略で、ライバルたちより1回少ない6回目のピットインで最後の約1時間を担当するフレディに交代。残り約20分というところで転倒車が発生し、このレース3回目となるSCが導入される展開となりましたが、真っ先にフレディの駆るCBR1000RRが今季2勝目となるチェッカーフラッグ受けました。F.C.C. TSR Honda Franceは、SCが3回入る波乱の8時間レースを、ノーミスのパーフェクトな展開で勝利をつかみ取りました。
この結果、ランキングでは2番手に10ポイント差をつけ、ホームレース鈴鹿8耐を迎えることになりました。
一方、Honda Endurance Racingにとって、今大会の最大の正念場となったのはチェッカーフラッグまで残り21分時点で、4番手で走行していたグレゴリー・ルブランがクラッシュしたときでした。
ルブランは、この時点ですでに131ラップを周回し、4位フィニッシュを目指して猛プッシュを続けている最中でした。しかし、ゴールまであとわずかというときに、バウアー・コーナーでバランスを崩し、トラックから一時的に去らなければならなくなってしまいます。幸いにもルブランは無傷で、マシンをピットに戻すことができました。そこからメカニックたちは怒涛の速さでマシンの修復作業を行い、マシンのフロントエンド、タンク、ラジエーター、フェアリングなどの取り換えをわずか12分間で完了。残り時間9分間というところでレースに復帰。チームは最後まで走り通し、13位でチェッカーを受けました。
今回は残念な結果となってしまいましたが、Honda Endurance Racingは最終戦として7月27日から29日にかけて行われる鈴鹿8時間耐久レースでの巻き返しを目指します。
藤井正和|#5 F.C.C. TSR Honda France総監督(優勝)
「勝ちたくて、優勝したくて、世界一になりたくて準備を進め、仕込んできました。これはだれもが同じだと思いますが、思っただけで実現できるわけではないです。しかし、考えなかったり、やろうとしなければ絶対にできない。その中で結果が出ると、みんなが喜んでくれる、君が代が流れる、まさに感無量の瞬間です。ル・マンの優勝から新しいマシンの投入で3位、そして今回の優勝と、着実にポテンシャルは上がってきているし、ようやくライバルに競り勝つことができたと感じています。この状態で我々のホームグラウンド、鈴鹿で世界一の決戦ができます」
フレディ・フォレイ|#5 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「まず、セーフティカーのおかげで、最後のピットストップを避けることができました。クラッシュに巻き込まれたライダーが大丈夫であることを願います。レースはすべてが完ぺきでした。チャンピオンシップを1ポイントでリードしていて満足していましたが、今日は10ポイント差に広げることができました。マシンは走るごとに進化していて、現状でもほぼ完ぺきです。チームが本当に素晴らしい仕事をしてくれていることに感謝します。完ぺきな週末でした。鈴鹿ではもっとプッシュしていきたいです」
ジョシュ・フック|#5 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「チームにとって素晴らしい週末でした。それに加えて優勝の結果だから言うことはありません。チームとチームメートに感謝しています。チームはもちろん、チームメートも信じられないほどの仕事をしたと思っています。我々は予選から速かったし、レース中もベストを出しきることができました。完ぺきな週末でした」
アラン・テシェ|#5 F.C.C. TSR Honda France(優勝)
「ライダーとしてこの決断(レースで走らない)に直面することはかなり厳しいことでした。でも、人生とはこのようなものでもあると思います。自分とチーム全員と決断したことですから。レースではチームメートとチームが素晴らしい仕事をしたので、この結果にはとても幸せです。チャンピオンの獲得に向けて、鈴鹿8耐をとても楽しみにしています。状況が非常に難しいことは理解していますが、僕にとっても馴染みのあるコースなので、チャンピオンのために戦うことができることを願っています」
ジョニー・トゥエルヴツリーズ|#111 Honda Endurance Racing監督(13位)
「8時間にわたる戦いの終盤、チームの素晴らしい働きにより、非常に短時間でマシンを修復して完走できました。このネバーギブアップの精神こそが耐久レースや我々のチームの根幹であり、今日、チームがみせたプロ根性を誇らしく思います。結果は望んだものではなく、もっといい順位が狙えましたが、最後の最後まで諦めずに全力でプッシュしたことには、胸を張りたいと思います。グレゴリーはレース終了直前まで4番手で走っていました。セバスティアンの膝の状態が芳しくなかったので、グレゴリーが131周、エルワンが132周と周回を重ねて戦い抜いたことは素晴らしいことです。満足のいく順位を獲得することはできませんでしたが、今大会でみせたチームスピリットを誇らしく思っています」
エルワン・ニゴン|#111 Honda Endurance Racing(13位)
「今日のレースをどんな言葉で表現すればいいのか分かりません。苦しい戦いでしたが、こういうときもあります。7番手スタートから猛プッシュを続け、4位フィニッシュも可能なペースでした。レース終盤にグレゴリーがクラッシュしてしまったのは残念ですが、無事でよかったです。そして、チームの素晴らしい働きで完走することができました。望んだ順位ではありませんでしたが、クラッシュを乗り越えて完走したことは大きな成果です」
グレゴリー・ルブラン|#111 Honda Endurance Racing(13位)
「レース終盤でクラッシュしてしまって、チームには非常に申し訳なく思います。最後のスティントの最初の2周で2秒短縮してファステストラップを記録したときには、4位フィニッシュの可能性もありました。スティントに入るときには4位を狙っていましたが、バウアー・コーナーでブレーキをかけた際にフロントタイアのグリップを失ってしまいました。周回数が多かったので簡単なレースではありませんでしたが、スピードがありましたし、トップグループで走れるペースがありました。私たちは4~5位を狙うべきチームですから、今回の結果は残念です」
セバスティアン・ジンバート|#111 Honda Endurance Racing(13位)
「個人的には、とてもフラストレーションが溜まる週末でした。膝の状態が悪くて、チームメートと同じ周回数やタイムで走ることができませんでした。最初のスティントを走り終えたときには、非常に強い痛みがありました。鈴鹿8耐が残っていますし、クラッシュやケガが悪化するリスクを避けることにしました。クラッシュしてしまったグレゴリーが無事でよかったです。4位フィニッシュのチャンスでしたし、彼がプッシュした気持ちは分かります。グレゴリーとエルワンは周回数が多くなったので、大変だったと思います。そんな困難な状況の中で素晴らしいチームスピリットがありましたし、チームメートとスタッフには感謝しています」
順位 | No. | チーム | マシン | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | F.C.C. TSR Honda France | ![]() | 312 |
2 | 11 | TEAM SRC KAWASAKI | カワサキ | 312 |
3 | 94 | GMT94 YAMAHA | ヤマハ | 312 |
4 | 48 | NRT48 | BMW | 311 |
5 | 14 | MACO RACING Team | ヤマハ | 307 |
6 | 96 | MOTO AIN | ヤマハ | 306 |
13 | 111 | Honda Endurance Racing | ![]() |
303 |
19 | 41 | Rac 41 | ![]() |
291 |
RT | 26 | Zuff Racing Team | ![]() |
7 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | F.C.C. TSR Honda France | ![]() | 146 | |
2 | 94 | GMT94 YAMAHA | ヤマハ | 136 | |
3 | 111 | Honda Endurance Racing | ![]() | 109 | |
4 | 13 | WEPOL Racing by penz13.com | BMW | 81 | |
5 | 21 | MERCURY RACING | BMW | 70 | |
6 | 48 | NRT48 | BMW | 68 | |
24 | 61 | MOTOTECH EWC TEAM | ![]() | 13 | |
34 | 50 | Team April Moto Motors Events | ![]() | 3 | |
35 | 41 | Rac 41 | ![]() | 2 | |
37 | 26 | Zuff Racing Team | ![]() | 1 | |
38 | 55 | National Motos | ![]() | 1 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 198 |
2 | ヤマハ | 178 |
3 | BMW | 156 |
4 | カワサキ | 135 |
5 | スズキ | 102 |