ROUND 03
ドイツ
2017.05.20(土)・決勝
FIM世界耐久選手権第3戦となるオッシャースレーベン8時間耐久レースは、週末に向けてコンディションが心配される予報でしたが、幸い金曜日の夜中にかけて雷雨と強風が吹き荒れただけで、その後は常に安定した暑い日差しの中、ドライコンディションで行われました。
好コンディションの中で行われた決勝レース、新型「CBR1000RR Fireblade SP2」で参戦するF.C.C. TSR Hondaは序盤のトラブルで、ほぼ最後尾からの追い上げの展開を強いられ、ハイペースで巻き返しを図るも、3位を目前にしながら5位でチェッカー。Honda Endurance Racingは力強いパフォーマンスをみせ、10位でフィニッシュしポイントを重ねました。
F.C.C. TSR Hondaのスタートライダーは、グレッグ・ブラック。Honda Endurance Racingはフレディ・フォレイが担当。ブラックは前回ル・マンと同様に好スタートを決めて、オープニングラップを3番手で戻ってきました。しかし、その直後から明らかにペースが落ち、8周目には7番手あたりまで順位を下げてピットへ。原因はスローパンクチャーでした。フロントタイヤを交換して、すぐにコースに復帰するも、このロスの影響は大きく、復帰した後は30番手を走行することになりました。
Honda Endurance Racingのフォレイは、1周目は14番手でした。しかし、その後はペースを上げ、9周目にはトップ10入り、スタート後1時間を迎えるころには、フォレイはトップを走行。最初のピットストップを行ったことによってリードは失いますが、セバスティアン・ジンバートに交代し、3番手でコースへ戻り、順調にレースを進めていきます。
後方からの追い上げとなったF.C.C. TSR Hondaは、ブラック、そして交代でコースインしたジョシュ・フックが自己ベストを出しながらのハイペースで徐々に順位を回復。特にフックはレースが終盤に入る227周目に1分27秒676のチームとしてのベストタイムをマークするなどの快走で、場内を沸かせました。そのままハイペースを続け、ポジションを3番手に引き上げることに成功しました。
残り1時間となると、背中から腰を痛め体調不良で様子を見ていたダミアン・カドリン(F.C.C. TSR Honda)が短い1スティントを担当することになりました。このピット作業中、フロントタイヤ脱着で痛恨のミス。30秒ほどの時間をロスし、5番手でコースインとなりました。その後は、カドリンが好ペースで周回し、最後のスティントを再びフックが担当。夜9時を過ぎてようやく暗くなったコースでトップに匹敵するタイムで追い上げますが、5位でのチェッカーとなりました。
Honda Endurance Racingは、2回目のピットストップでタイムをロスしてしまいますが、2番手のフリアン・ダ・コスタが順位を奪還し、124周目の時点で3番手。しかし、その次のピット時にリアのアクスルに生じた問題を解決するため、作業に4分以上かかってしまい、15番手まで順位を落としてしまいます。その後は5時間にわたり、燃料戦略も功を奏し1スティントの走行距離を伸ばすなど、パフォーマンスを最大限に発揮し、10位でフィニッシュしました。
次回のFIM世界耐久選手権は、6月23日~24日に今季より新たにカレンダーに加わったスロバキアリンクでの8時間耐久レースとなります。
フレディ・フォレイ|#111 Honda Endurance Racing(10位) 「表彰台が可能だと思っていたので、結果は本当に残念ですし、みんなも同じ気持ちだと思います。ライダーだけでなく、チーム全員が表彰台という、いい結果を求めて懸命に仕事をしただけに、この結果にはがっかりしています。コース上でのペースは悪くなく、SERT(SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM)と同じくらいだったので、レースでは自信になりましたが、問題を抱えたことで時間をロスしました。Firebladeはとてもよく、涼しい気温もプラスに働きました。ペースには自信があったので、15番手からトップ10へ返り咲くことができました。次のラウンドへ気持ちを切り替え、準備をしなければなりません。次こそは表彰台を達成できればと思います」
フリアン・ダ・コスタ|#111 Honda Endurance Racing(10位) 「10番手でスタートし、10位でフィニッシュしました。レース中に問題はありましたが、SERTのようなチームと戦うことができて自信になりましたし、表彰台フィニッシュをできる力はあったと思います。ただ、レースというものは、ペースのみが結果につながるものではありません。ただ、いいペースがあったので、別の部分を改善すれば表彰台を手にできる力があると思います。個人的には手首の問題があったので厳しいレースでしたが、私にはいいチームメートがいるので、彼らがトップ10を守ってくれました。今回は私が足を引っ張ってしまったかもしれませんね。ですから、しっかり休養をとり、次戦では手首が大丈夫といえるようにしなければなりません。まだすべきことはありますが、チームの力に自信がありますし、スロバキアに向けて一丸となって準備していきます」
セバスティアン・ジンバート|#111 Honda Endurance Racing(10位) 「ご存知のように結果は残念だと思っています。スタートの時点では表彰台フィニッシュができると確信していましたが、できませんでした。オッシャースレーベンはFirebladeと相性がいいので残念です。コーナー脱出時の加速にかなり苦しみましたが、ストレートで差を作ることができていたので、レースペースは悪くなかったのです。次のラウンドまで1カ月あるので、チーム一丸となってスロバキア、そしてその次の鈴鹿へ向けて最適なパッケージを作って行かなければなりません。残り2戦ともに表彰台獲得をしたいですし、それは可能だと思います。それに向けて努力を続け、より強さを増して最後の2戦に臨みます」
ジョニー・トゥエルヴツリーズ|#111 Honda Endurance Racing 総監督(10位) 「10番手で予選を終え、フレディが担当した第1スティントはうまくいきました。路面温度が低いのがプラスに働き、ライダーは力強い走りで3番手へ向けてプッシュしてくれました。ラップタイムはよかったですし、序盤は表彰台が手にできると感じていました。しかし、不運なことに3回目か4回目のピットストップで、リアのアクスルに起きた問題を解決するために時間を取られてしまいました。これで4分をロスし15番手からの追い上げを強いられました。それでも、残り周回でライダーたちはトップ10に返り咲いてくれたのです。チームみんなのハードワークに感謝しています。結果は残念ですが、これもレースです。いいペースがあって戦えるということは見せられたと思います。スロバキアリンクでのレースを楽しみにしていますし、より進化して次こそは表彰台に立ちたいと思います」
順位 | No. | チーム | ライダー | マシン | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | GMT94 Yamaha | D.チェカ N.カネパ M.ディ・ミリオ | ヤマハ | 318 |
2 | 7 | YART Yamaha | B.パークス M.フリッツ 野左根航汰 | ヤマハ | 318 |
3 | 14 | Maco Racing Team | G.ジュノー M.ジェルマン A.ドス・サントス | ヤマハ | 315 |
4 | 8 | Team Bolliger Switzerland | H.サイガー R.スタム M.サヴァリー |
カワサキ | 314 |
5 | 5 | F.C.C. TSR Honda | グレッグ・ブラック ダミアン・カドリン ジョシュ・フック | ![]() | 314 |
6 | 96 | Moto Ain CRT | H.クリア A.マスボー R.マルホウザー | ヤマハ | 313 |
7 | 48 | Voelpker NRT48 by Schubert-Motors | S.ケルシュバウマー J.ビューン L.グロックナー |
BMW | 312 |
8 | 333 | Yamaha Viltais Experience | S.マッケルズ F.オルト A.モーラン |
ヤマハ | 312 |
9 | 1 | Suzuki Endurance Racing Team | V.フィリップ E.マッソン A.カドリン | スズキ | 311 |
10 | 111 | Honda Endurance Racing | フリアン・ダ・コスタ セバスティアン・ジンバート フレディ・フォレイ | ![]() | 310 |
14 | 50 | Team April Moto Motors Events | グレゴリー・ルブラン グレゴリー・ファストリ― | ![]() | 306 |
25 | 61 | MotoTech-EWC | ディディエ・ファンケイミューレン ゴティエ・ドゥベルツ マルク・ブフナー | ![]() | 231 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Suzuki Endurance Racing Team | スズキ | 108 | |
2 | 94 | GMT94 YAMAHA | ヤマハ | 101 | |
3 | 11 | TEAM SRC KAWASAKI | カワサキ | 92 | |
4 | 7 | YART - YAMAHA | ヤマハ | 86 | |
5 | 5 | F.C.C. TSR Honda | ![]() |
84 | |
6 | 14 | MACO RACING Team | ヤマハ | 75 | |
13 | 111 | Honda Endurance Racing | ![]() | 21 | |
15 | 41 | Rac 41 | ![]() | 13 | |
23 | 26 | Zuff Racing Team | ![]() | 8 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 170 |
2 | カワサキ | 137 |
3 | スズキ | 95 |
4 | ![]() | 85 |
5 | BMW | 33 |
6 | ドゥカティ | 1 |