ROUND 02
フランス
Circuit des 24 Heures
2017.04.15(土)-16(日)・決勝
2016-2017シーズンのFIM世界耐久選手権第2戦となった、第40回ル・マン24時間耐久ロードレース。その決勝レースは、定刻通り4月15日(土)午後3時(現地時間)にはじまりました。
F.C.C. TSR Hondaのスタートライダーはグレッグ・ブラックが務め、好スタートを決めるとレース序盤は5~6番手付近でレースを進めました。Honda Endurance Racingのスタートライダーを務めた、フレディ・フォレイは、トラブルが発生したため、スタート直後にピットに戻ることになりました。
F.C.C. TSR Hondaは、アルトゥロ・ティゾンに交代するピット作業の際ブレーキにトラブルが発生し、1分17秒かかってしまいます。その間、1台にかわされたものの、ペースを取り戻したティゾンは、6番手でダミアン・カドリンにバトンタッチ。5番手に順位を上げると、再びグレッグもプッシュして4番手に浮上し、トップの3台を追いかけます。
Honda Endurance Racingのフォレイは、チームの懸命なピット作業もあり、前を走る集団に追いつくべく走りますが、チームメートのフリアン・ダ・コスタがトラブルに見舞われ、順位を落としてしまいます。再びレースに戻った時には59番手でしたが、チームは悲観することなくやるべきことをやり、フォレイ、ダ・コスタ、セバスティアン・ジンバートの3人は先行する集団を追いかけました。
F.C.C. TSR Hondaは次のピット作業で再び手間取り、1分33秒のロス。作業を終えてコースに7番手で戻ったティゾンは、そのあとのダミアン、グレッグとルーティン周回をこなして、ピット作業も50秒前後でこなしながら、5~7番手をキープして戦い続けます。ボーナスポイントの対象となる8時間経過時点では5番手となり、その間もピット内ではトラブルについての対応を検討していましたが、4番手に浮上していた400周目頃のピットワークでは、ブレーキキャリパーを交換するなど、2分以上ロスしてしまいました。
Honda Endurance Racingは情熱と不屈の精神、素早いピット作業で順位を上げて、トップ30で前半を折り返しました。
F.C.C. TSR Hondaは、5番手に踏みとどまったものの、その後のピットワークでもタイムを費やしてしまい、トップとの差が広がってしまいました。しかし、ライダーたちの走りでばん回、520周目にはついに3番手まで順位を上げることに成功。前後を強豪チームに挟まれながら走行を続けましたが、600周目を迎える終盤に再びブレーキキャリパーを交換し、5番手のポジションとなりました。
Honda Endurance Racingは、夜が明けるころにはトップ20に入り、トップグループを追いかけます。11番手まで順位を上げて、残りは2時間。前方を走るトップグループに追いつくには間隔が空きすぎていますが、最良のポジションでチェッカーを受けるために走り続けます。
ライバルを追走し続けたF.C.C. TSR Hondaは、5位でフィニッシュしました。12時間以上24時間までの耐久レースでは、8時間ごとにボーナスポイントが与えられますが、今戦では8時間経過時点で5番手(6pt)、16時間経過時点で3番手(8pt)の選手権ボーナスポイントを獲得。5位フィニッシュの21ポイントと合わせて計67ポイントを獲得し、ランキング4位へと浮上しました。
終盤のHonda Endurance Racingは、素晴らしいパフォーマンスでトップ5を走るチームと同等のスピードをみせました。11位でフィニッシュするとともに、24時間レースのような過酷な環境下でのCBR1000RR Fireblade SP2の耐久性を再確認しました。
次回、FIM世界耐久選手権の第3戦となるオッシャースレーベン(ドイツ)8時間耐久レースは、現地時間の5月20日(土)午後2時にスタートし、午後10時に終了する予定です。
フレディ・フォレイ|#111 Honda Endurance Racing(11位) 「24時間耐久レースを走りきりました。これが一番大事なことです。スタートは最悪で、まさに悪夢でした。でも、チームが問題を解決するために働いてくれて、その後は何の問題もなく走行できました。レースを通してプッシュし続けましたが、あまりにも後方にいたため、トップ10以内に入ることはもう不可能だと分かっていました。なので、11位でフィニッシュできたことは非常によかったです。今回は、レースを通していいペースを保つことができ、多くを学びました。CBR1000RR Fireblade SP2は新しいマシンなので、ほかのチームに比べ、マシン面でのアドバンテージはありません。でも、今回のレースで多くのデータを収集しましたし、これからその検証に取り掛かることができます。今日のような日は、結果を受け入れなければなりませんが、まだよくなる可能性があります。今は、まずオッシャースレーベンに向けて準備することが最優先です」
フリアン・ダ・コスタ|#111 Honda Endurance Racing(11位) 「我々は今週末の結果から、よかった点を見る必要があります。スタートはよくなかったですが、チームが問題を解決してからは、レースを通して速さをみせることができました。さらによかったのは、新マシンのCBR1000RR Fireblade SP2がすばらしいパフォーマンスを発揮したことです。マシンのエンジン、ギアボックス、電力系統はすべてよく機能していて、大きな改善は必要ありません。私自身、マシンには本当に満足していて、次戦でも期待できそうです。次のレースでは、幸運に恵まれることを期待しましょう。問題がなければ私たちにはトップ5に入るだけの速さがありますし、今週末はそのことを証明できたと感じています。新しいマシンなので、そこに到達するためにやるべき事がありますが、チームが必死に働いてくれているので、そう長くはかからないと思います」
セバスティアン・ジンバート|#111 Honda Endurance Racing(11位)
「新しいCBR1000RR Fireblade SP2はよく機能しています。私にとっては、まずレースを走り切ることが重要でした。スタートで問題があり、そのことで順位を下げてしまいましたが、完走ができてよかったです。今回の24時間耐久レースは、新しいチームのメンバー、新しいマシンのテストとも言えるレースでした。無事に終了した今、残りのシーズンをより効率的に戦い抜くために、今回収集したデータを検証する必要があります。チームみんなが本当によく働いてくれており、どんな問題が起こってもすぐに解決してくれて、その後は何の問題もなく走行ができています。今回の私たちのペースには満足していますが、あと2~3回そのペースを維持しなくてはいけません。CBR1000RRは非常に乗りやすいマシンで、多くの可能性を秘めていますが、今回のレースで得た情報でさらに改善することができると感じています。チームの懸命な仕事ぶりに感謝しています。次戦のドイツでは、さらに強くなった姿をお披露目できるでしょう」
ジョニー・トゥエルヴツリーズ|#111 Honda Endurance Racing 総監督(11位)
「ひとまず24時間耐久レースを走りきったわけですが、24時間以上に感じました。スタートは最悪で、一連の問題を前に、チームのみんなは意気消沈した様子でした。そうした状況の中でも、チームとライダーたちがうまく結束してそれぞれの仕事を遂行する様子を見て、非常に感心しました。新しいCBR1000RR Fireblade SP2は、チームのみんなと同じぐらいよく機能しています。11位でレースを終えられたことを本当に嬉しく思います。トラブルに対処している時点では、まさか11位でフィニッシュできると思いませんでした。また、問題がなければトップ5に入れたであろうペースを保てたことも、とても嬉しいです。今回は、新しいマシンで臨む最初のレースでした、もちろんこの結果は我々が望んでいた結果ではありませんが、それでも非常に強いパッケージを持っていることを示せたと思います。あとはマシンが持つポテンシャルを発揮するだけです。小さな課題は、大きな課題と同じくマシンを止める問題となりますが、重要なのは、チームが問題の原因を突き止められたことです。事実、その後は何の問題もなく走行できていました。これから、次戦のオッシャースレーベンに向けてやるべき事がたくさんあります。異なるサーキット、8時間という異なる長さでの戦いになりますが、我々には24時間分のデータがあります。これは始めた当初よりはるかに多いデータです。今の我々は知識豊富です。これから、今あるすべてを使って準備を進めます」
順位 | No. | チーム | ライダー | マシン | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | GMT94 YAMAHA | D.チェカ N.カネパ M.ディ・ミリオ |
ヤマハ | 860 |
2 | 7 | YART - YAMAHA | B.パークス M.フリッツ 野左根航汰 |
ヤマハ | 860 |
3 | 11 | TEAM SRC KAWASAKI | M.ギネス R.ドゥ・プニエ F.フォーレ |
カワサキ | 848 |
4 | 1 | Suzuki Endurance Racing Team | V.フィリップ E.マッソン A.カドリン | スズキ | 848 |
5 | 5 | F.C.C. TSR Honda | グレッグ・ブラック ダミアン・カドリン アルトゥロ・ティゾン |
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843 |
6 | 4 | Tati Team Beaujolais Racing | J.アンジョルラス D.ビュイソン K.デニス |
カワサキ | 837 |
11 | 111 | Honda Endurance Racing | フリアン・ダ・コスタ セバスティアン・ジンバート フレディ・フォレイ |
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822 |
13 | 41 | RAC 41 | アクセル・アイニー ガエタン・グージェ アンソニー・ヴィオラン | ![]() |
820 |
15 | 26 | Zuff Racing Team | ケヴィン・ジュフュレ アドリアン・ピテット デヴィッド・シュヴァリエ | ![]() |
811 |
22 | 55 | National Motos | エメリク・ジョンシェール ニコラス・サルカード 大久保光 |
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797 |
31 | 212 | Team Dunlop Motors Events | クリストファー・オズー レオ・カラメル フロラン・シャネ |
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744 |
RT | 50 | Team April Moto Motors Events | グレゴリー・ルブラン マシュー・ラグリブ グレゴリー・ファストレ |
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206 |
RT | 85 | TEAM RACING 85 | リオネル・アンスラン ポール・カルー アレクサンダー・バッソブルーサ |
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172 |
RT | 61 | MOTOTECH EWC TEAM | ディディエ・ヴァン・ケイムールン ゴーサー・ドゥエルズ マーティ・デブライネ |
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130 |
順位 | No. | チーム | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | Suzuki Endurance Racing Team | スズキ | 95 |
2 | 11 | Team SRC Kawasaki | カワサキ | 92 |
3 | 94 | GMT94 Yamaha | ヤマハ | 71 |
4 | 5 | F.C.C. TSR Honda | Honda | 67 |
5 | 7 | YART - Yamaha | ヤマハ | 62 |
6 | 14 | Maco Racing Team | ヤマハ | 54 |
12 | 41 | Rac 41 | Honda | 13 |
17 | 111 | Honda Endurance Racing | Honda | 10 |
20 | 26 | Zuff Racing Team | Honda | 8 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 116 |
2 | カワサキ | 108 |
3 | スズキ | 77 |
4 | Honda | 57 |
5 | BMW | 11 |