Stage 10ピスコ→リマ
2019年1月17日(木)
リエゾン | 247km |
SS | 112km |
トータル | 359km |
1月6日、リマのマグダレナビーチから送り出された世界一過酷なラリーに挑む勇者たちは、11日間、5500kmを超す旅を終え、再びリマの海岸へと戻ってきました。チームは次なる戦いに向け、ここから動き出します。
現地1月17日、ダカールラリーは、ピスコ~リマ間で今大会最終日となるステージ10を行いました。総移動距離359kmで競技区間は112km。ダカールラリーの最終日は、例年通り距離が短く、総合順位の下位からスタートする“リバースグリッドスタート方式”で行われました。
ラリーをここまで走り抜いてきた78名のライダーにとって、このステージはビクトリーランとも言えるものなのです。
Monster Energy Honda Teamのライダー、ホセ・イグナシオ・コルネホにとってこのステージは大きな意味を持っています。総合順位を競うライバルとの差は、ステージ9までの結果でわずか5秒。実質上イーブン。最終ステージが勝負となりました。6時49分。72番手からスタートしたコルネホは、このステージでスパートを見せました。多くのライダーが先行している状況では、パスをするにはスピードばかりではなく慎重さも求められます。コルネホは、このステージをトップと2分21秒差の1時間16分22秒というタイムでフィニッシュしました。今大会、自身3度目となるステージ2位を記録したのです。これにより、ライバルとの差を短いステージ10だけで59秒稼ぎ、総合順位争いに決着をつけました。3度目の挑戦となるダカールラリーながら安定したスピードと正確なナビゲーションで走り、昨年の総合10位から総合7位へと上昇しています。今年25歳になるコルネホは、今後もチームメンバーとして活躍するでしょう。
もう一人のMonster Energy Honda Teamのライダー、ケビン・ベナバイズは65番手からステージ10をスタートし、トップと3分59秒差のステージ6位、総合では12位で今回のダカールを終えていました。
MEC HRCからエントリーし、CRF450 RALLYを駆ったダニエル・ノジリアにとっても印象深い2019年ダカールラリーとなりました。ダカールラリーに2017年から参戦したノジリアは、初挑戦から手堅く完走し総合24位、昨年は総合13位という成績を収めていました。そして3度目の挑戦となる今回、ステージ9では自身最高位となるステージ2位を獲得するなど強さをみせ、最終的に総合10位でマシンをリマへと運んでいます。
ホセ・イグナシオ・コルネホ(ステージ 2位/総合 7位)
「私のやってきたことには満足しています。序盤のステージで時間をロスして、目標だったトップ10入りする可能性が低かったのですが、私たちは最後まであきらめませんでした。結果的に総合7位ですが、とてもうれしいですね。そして今日のステージでも2位でフィニッシュできてとても満足しています。いいパフォーマンスができたと思います。もし仲間も一緒にレースを終えることができていたらもっとよかったですね。彼らの内の誰かはおそらく優勝していたでしょうから。ある時点までは2人のライダーが優勝争いをしていました。私たちのチームにはトップ争いができる5人のライダーがいるということが、改めてよくわかりました。来年、私たちはもっと強くなってこの場所に帰ってくることは間違いありません。個人的には、チームの目標であるダカールでの優勝に向けて、一生懸命努力したいと思っています。一生懸命働いてくれたチームスタッフ全員に感謝します。彼らがこのプロジェクトに対して関わってくれたことに感謝します。私たちは、優勝するために努力します」
ケビン・ベナバイズ(ステージ 6位/総合 12位)
「今回のダカールのために多くの準備をしてきました。私は大きな夢を持って戦いましたが、こういう結果になってしまいました。こういうことになって、結果がコース上ではなく机上で決まるのは、ちょっとひどいですね。とにかく私はスポーツマンらしく、胸を張ってレースを終えました。Hondaも私もうまく行きました。私たちはペナルティーに関して抗議しています。そして今、何が起こるかを見るためにレースがすべて終わるまで待たなければなりません。今日は、最後のステージを楽しむためにスタートしました。私は冷静にライディングしました。次の目標は世界選手権です。そして来年のダカールのために準備をします。すべてのチームスタッフ、スポンサー、家族、ガールフレンド、友達、そしてSNSを通じて私を支えてくれた多くの人たちに感謝します。皆さん、本当にありがとうございました」
本田太一|Monster Energy Honda Team チーム代表
「Hondaとして参戦を再開して7回目となるダカールが終わりました。これまでの経験を踏まえ、さらに体制を強化して今大会に臨みましたが、改めてダカールラリーの難しさを知ることになりました。結果については満足のいくものではありませんでしたが、やはりダカールラリーから得られるものは、スタッフの成長にとっても、技術の進化にとっても、非常に大きいと感じています。チーム、マシンともにさらに強化して来シーズンに臨みます」
※レポートおよびコメントはレース終了時点のものです
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | T.プライス | KTM | 01:14'01 | - | - |
2 | 10 | ホセ・イグナシオ・コルネホ | Honda | 01:16'22 | +00:02'21 | - |
3 | 1 | M.ウォークナー | KTM | 01:16'39 | +00:02'38 | - |
4 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 01:17'20 | +00:03'19 | - |
5 | 77 | L.ベナバイズ | KTM | 01:17'21 | +00:03'20 | - |
6 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 01:18'00 | +00:03'59 | - |
9 | 28 | ダニエル・ノジリア | Honda | 01:24'03 | +00:10'02 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | T.プライス | KTM | 33:57'16 | - | 00:01'33 |
2 | 1 | M.ウォークナー | KTM | 34:06'29 | +00:09'13 | 00:03'00 |
3 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 34:10'50 | +00:13'34 | 00:02'00 |
4 | 6 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 34:18'02 | +00:20'46 | - |
5 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 34:38'30 | +00:41'14 | 00:15'00 |
6 | 29 | A.ショート | ハスクバーナ | 34:41'26 | +00:44'10 | - |
7 | 18 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 34:51'16 | +00:54'00 | 00:01'00 |
8 | 10 | ホセ・イグナシオ・コルネホ | Honda | 35:05'22 | +01:08'06 | 00:15'00 |
11 | 28 | ダニエル・ノジリア | Honda | 36:29'09 | +02:31'53 | 00:02'00 |
*ベナバイズ選手に対して科せられた3時間のペナルティーが棄却されたため、ランキングが変更されています。