Stage 08ペルーサン・ファン・デ・マルコナ→ピスコ

2019年1月15日(火)

リエゾン 215km
SS 360km
トータル 575km
サン・ファン・デ・マルコナ→ピスコ

リッキー・ブラベック、無念のリタイア 残す2日にチーム力を結集する

ステージ8。ここまでラリーを冷静かつ力強い走りでリードしてきたアメリカ人ライダー、リッキー・ブラベックがマシントラブルでラリーを去ることに

現地1月15日、サン・ファン・デ・マルコナ~ピスコ間575km(内、スペシャルステージ/競技区間360km)でステージ8が行われました。このエリアはラリー序盤にも通過した場所ですが、そのルートやコース設定は前半のものとは全く異なるフォーマットで行われました。ステージ中、ペルー独特の柔らかい砂と、40℃に達する気温が参加者たちを苦しめます。このステージ8では通常の2輪、4輪、トラックと分かれてスタートをする方式ではなく、2輪、4輪両カテゴリーの上位10台が混合してスタートする方法が取られました。

この日、このステージを先頭でスタートを切ったのは、Monster Energy Honda Teamのホセ・イグナシオ・コルネホでした。1位スタートのライダー、サム・サンダーランド(KTM)が、マシンにトラブルが見つかったとの申し出により、本来2番手スタートのコルネホが先頭スタートとなったのです。この結果、コルネホは終始先頭でステージを切り開きます。終盤、このステージで4輪カテゴリーの8位に入るステファン・ペテランセル(ミニ)に追い抜かれるものの、フィニッシュ直前にはに砂丘でスタックしたペテランセルを再び追いこしたのがコルネホにとってこの日唯一のドラマだったほどです。

コルネホの3分後、2番手からスタートしたブラベックをこの日、不運が襲います。リーダーボードで2位に8分近い時間差をステージ7までに築いたブラベックは、力強い走りでそのマージンをさらに稼ぐ決意でこのステージに臨みました。しかし、ブラベックのマシンはウエイポイント1を通過してまもなくトラブルに見舞われ、ラリーの継続ができなくなりました。

「とても残念です。しかし、実力を示すことができた戦いに満足しています。来年は今回以上のモチベーションを持って次のダカールに戻ってきます」ブラベックはリタイア後に話しました。

混合スタートのため、ケビン・ベナバイズがステージ8に走りだしたのはコルネホがスタートした1時間21分後でした。この日、トップから16分15秒差の総合6位のポジションからばん回を図るべく挑んだベナバイズにとって、このステージ8は大きな勝負どころです。ベナバイズは序盤からペースを上げて走り出しました。しかし途中のウエイポイントで、正しい場所を通過しているにも関わらず、主催者から供給されるGPS機材が反応せず、何度も同じ場所を通過し確認に時間を要してしまいました。結果的にリザルトはステージ8位、総合14位となっています。

ダカールラリー2019も、残すステージは2つ。明日のステージ9はピスコ周辺に設定されたループルートであり、競技区間313kmを含む409kmで行われます。最終日の競技区間が112kmと短いことを考えれば、明日のステージ9は後半の、そして今回のラリー最大の山場となります。そのスタート方式は、ステージ5でも行われた、モトクロススタイルの一斉スタートが予定されています。

 

コメント

ホセ・イグナシオ・コルネホ(ステージ 7位/総合 8位)
ホセ・イグナシオ・コルネホ 「長い一日でした。4輪が私を追い抜いていった数kmを除いて、ほとんどすべてのスペシャルステージで道を切り開いていけたのでとてもうれしいです。砂の多いガレ場と開けた砂漠のステージでしたからとても難しかったです。ですから今日のステージはとてもよかったです。道を切り開くことによって多くのことを学びましたから、私の将来、この経験が役立つと思います。リッキー(・ブラベック)は最高のレースをしていたので、リタイアしなければならなかったことはとても残念です。リッキーは非常に安定しており、皆がそれをたたえていました。その安定感と自信がリッキーだけではなく、チーム全体をも勇気づけていました。私たちは攻め続けなければなりません。まだ2日残っていて、何が起こるか分からないのです」

ケビン・ベナバイズ(ステージ 8位/総合 14位)
ケビン・ベナバイズ 「ウエイポイントを有効化することができなかったことが、今日のステージをたいへんなものにしました。目視はできないポイントでしたが、山のすぐ下、ビーチに降りるポイントにあり、見つけるのは非常に簡単だったはずなのです。私は正しい場所にいましたが、機器が反応を示さなかったのです。私はその場所を、それこそ何千回も通りましたが、それでも反応を得られませんでした。私はすでにウエイポイントを有効化できていたホアキン・ロドリゲスを止め、彼にも確かめてもらったのですが、それでも私の機器はウエイポイントを認識してくれなかったのです。何人ものライダーが通りすぎていきました。その後マイケル・メッジを止めて、確実にウエイポイントを通過するべく彼に付いていっていいかどうかを聞きました。最終的には機器が反応しウエイポイントを認識できたのですが、そこはすでに何度も通ったところでした。オーガナイザーは、私がその場所を何度も通過したことを分かっているはずです。今は、オーガナイザーが、そのことに関してどのような措置をとってくれるか待っています。リッキー(・ブラベック)はとても残念です。彼はすばらしいレースをしていましたからね。2人とも最後まで戦うことができたはずです。彼のためにも全力を尽くします」

リッキー・ブラベック(ステージ リタイア/総合 リタイア)
「とてもつらい日でした。今日のレースでは、本当にポジティブになれることはなにもありませんでした。楽しめたのはヘリコプターに乗ってビーチ沿いを帰ってきたことくらいですね。がっかりしています。簡単じゃないのです。私は家に帰らなければならないのです。でも、少し休んで、またここに帰ってきます。なんと言えばいいのか分かりません。総合でトップになったのはすごいことでした。チームが私たちをサポートしてくれて本当にうれしいです。いい雰囲気と私への信頼が感じられました。それが、私がこのレースですばらしい日々を送れたことの助けになりました」

本田太一|Monster Energy Honda Team チーム代表
「残念です。ステージ8を終えたところでブラベック選手がトラブルでリタイアをしました。今日、ブラベック選手はステージ8を序盤から快調にリズムよく走りだし、ライバルとのタイム差を稼ぐつもりでした。ブラベック選手は、今回のラリーをここまで完ぺきなかたちで戦っていたので、とても残念です。 トラブルの原因ですが、現在、まだ車両がビバークに戻っておらず特定できていません。主催者の発表ではエンジントラブルでストップしたとのことです。今夜にはマシンが戻るので、原因を究明し、ベナバイズ選手、コルネホ選手のマシンに同様のトラブルが出る可能性があるようであれば、それが出ないようしっかり点検します。ラリーは残り2つのステージです。ベナバイズ選手がタイム差を詰め、優勝争いに絡んでいけるように、またコルネホ選手もフィニッシュできるように、全力でサポートをしていきます。Monster Energy Honda Teamへの応援を引き続きよろしくお願いいたします」

リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム ペナルティー
11M.ウォークナーKTM03:55'25--
26P.クインタニラハスクバーナ03:56'10+00:00'45-
33T.プライスKTM03:56'38+00:01'13-
429A.ショートハスクバーナ04:05'16+00:09'51-
54A.ファン・ビファレンヤマハ04:07'13+00:11'48-
677L.ベナバイズKTM04:08'16+00:12'51-
710ホセ・イグナシオ・コルネホHonda04:09'13+00:13'48-
847ケビン・ベナバイズHonda04:10'32+00:15'07-
 
1328ダニエル・ノジリアHonda04:26'58+00:31'3300:01'00

総合順位

順位 No. ライダー マシン タイム ペナルティー
13T.プライスKTM28:53'08-00:01'33
26P.クインタニラハスクバーナ28:54'11+00:01'03-
31M.ウォークナーKTM28:59'43+00:06'3500:03'00
44A.ファン・ビファレンヤマハ29:03'02+00:09'54-
529A.ショートハスクバーナ29:32'35+00:39'27-
618X.ド・スルトレヤマハ29:39'25+00:46'1700:01'00
 
810ホセ・イグナシオ・コルネホHonda29:58'52+01:05'4400:15'00
1128ダニエル・ノジリアHonda31:16'28+02:23'2000:02'00
1447ケビン・ベナバイズHonda32:14'49+03:21'4103:00'00

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