Stage 02ピスコ→サン・ファン・デ・マルコナ
2019年1月8日(火)
リエゾン | 211km |
SS | 342km |
トータル | 553km |
昨日のリバースグリッドスタートに続き、ステージ2は4輪カテゴリーのあとにスタートするという方式でした。今大会最初のロングステージで力走をみせたのはリッキー・ブラベック。持ち前の力強い走りで、ステージ2位を奪取。またトップでスタートを切ったホアン・バレダは、3位でステージをまとめ、総合順位1位を堅持。ケビン・ベナバイズ、ホセ・イグナシオ・コルネホ、パウロ・ゴンサルヴェスも順調にフィニッシュし、明日への準備を整えています。
現地1月8日、ペルーを舞台に行われている第41回ダカールラリーはピスコ~サン・ファン・デ・マルコナ間553kmで行われました。ペルーのみの一国開催、ラリーの総距離も5500km程度と、ダカールラリーとしては異例の大会となる2019年。しかし主催者は複雑かつ難しいサバイバルゲーム性に一切妥協をしていません。
この日設定されたスペシャルステージ(競技区間)は342km。通常は2輪カテゴリーから始まるスタートを、4輪カテゴリーのあとを追うかたちで開始されました。これは、2輪の参加者にとってメリットとデメリットがありました。4輪のわだちが残っている砂漠を走ることでナビゲーションの確認作業が比較的容易になる反面、スタート時間が遅くなることから、太陽が昇り、砂が熱せられることで乾燥し、砂がより柔らかくなる難しさも加わります。
100台近い4輪カテゴリーのスタートが終わったあとにスタートを切ったライダーたちですが、このステージ2では砂丘エリアは全体の20%ほど。硬いハイスピードのルートが多く、ライダーへの影響は多くはありませんでした。
前日行われたステージ1の結果から、午前8時35分、先頭でスタートを切ったのはMonster Energy Honda Teamのバレダ。ブラベックは3番手、ベナバイズは8番手、コルネホは9番手、ゴンサルヴェスは11番手からそれぞれスタートを切ります。
この日、抜群のスピードを見せたのはブラベックでした。昨年の勝者、マティアス・ウォークナー(KTM)と終始マッチレースを続け、8つあるウエイ・ポイント(WP・ルート上に設けられたGPSの通過点)の通過タイムも、後半WP7までトップタイムをたたき出す快走をみせます。最終的に22秒差の2位となりますが、集中力を切らさない走りにコンディションのよさがうかがえます。
また、トップスタートだったバレダも342km先のフィニッシュではトップと1分41秒差の3位でまとめ、総合での首位を守っています。ベナバイズが8位、コルネホが10位、ゴンサルヴェスが11位に入り、明日のステージ3へと理想的なフォーメンションでMonster Energy Honda Teamはスタートを切ることになります。
1月9日のステージ3は競技区間331kmを含む総移動距離798km。アレキパのビバークにライダーたちが戻るのは現地夕方4時ごろが予想されています。さらに続くステージ4、5は途中でチームからのサポートが受けられないマラソンステージが控えています。10ステージが用意された今年のダカールラリーは、一つたりとも気を抜けない展開が明日からも続きます。
リッキー・ブラベック(ステージ 2位 / 総合 3位)
「すばらしいステージ2でした。速い道、多くの岩やフェシフェシそして砂丘があるコースで、本国で慣れ親しんだ地形が多く楽しい一日でした。クインタニラ(ハスクバーナ)と、ほぼ一日を一緒に走りました。とてもいい感触を保つことができたので、明日はどうなるか楽しみです。総合3位は、それほどよくはないですね。私たちはトップにいるはずなのです。明日も最善を尽くします」
ホアン・バレダ (ステージ 3位 / 総合 1位)
「今日のような日は、とても重要です。先頭からスタートするというポジションは、勝つことが非常に難しい。一日を通してミスなくルートを切り開いていくのはとても難しいことです。しかし、これをやることで、本当に成長するのです。ステージ序盤、4輪のわだちを追走していいものかどうか迷いながら走っていました。しかし海辺でのパートで後続に追いつかれ始めていることに気づき、わだちを信じてペースを上げることにしました。結果的に今日は私にとって完ぺきなステージでした。なにしろ、明日はとてもいいポジションからスタートできるのですから」
ケビン・ベナバイズ (ステージ 8位 / 総合 8位)
「今日のステージは、ポジションをキープする気持ちで臨みました。攻める日ではなかったからです。4輪が道を切り開いたあとを追ったのですが、とても危険なステージでした。ですから、気持ちよくスロットルを開ける気分ではありませんでした。まだまだレースは残っているので、攻めませんでした。機会があれば、アタックする準備はできています」
ホセ・イグナシオ・コルネホ (ステージ 10位 / 総合 9位)
「今日のステージはとても速かったですね。4輪のあとからスタートしたのですが、地面の下の石がむき出しになっているような荒れたルートでした。私は落ち着かなければなりませんでした。とにかくラリーの前半はリスクを冒さないことです。昨日と同じ順位ですが、これからの日々のために改善し、ますますやる気になっています」
パウロ・ゴンサルヴェス (ステージ 11位 / 総合 11位)
「2輪の前に4輪がスタートする、300kmを超える長いステージでした。フェシフェシのパートも多くありました。ほこりの舞う場所も多くあったのですが、それでも4輪を抜いて行くことができました。ミスをしないように落ち着いたペースで走り、問題もなくフィニッシュしました。とてもうれしいですね」
本田太一|Monster Energy Honda Team チーム代表
「ステージ2が終わりました。我々Monster Energy Honda Teamは現在、サン・フアン・デ・マルコナのビバークで砂埃が舞う中、明日に向けた準備をしています。日中、気温は30℃ほどに上がり、暑くなっています。本日のステージ2ですが、SSは342kmと今大会最初のロングステージとなりました。路面は砂地が多くハイスピードを維持して走る設定でした。反面、砂丘は20%ほどと、前日とはキャラクターの異なるステージでした。今日は、ブラベック選手がいい走りを見せてくれました。後半、WP8あたりで前走車のほこりでペースを落とさざるをえず、最終的には2位となりましたが、安定した強さを見せてくれました。総合でも3位と、ラリー前半から上位に付けるいい展開をこのあとも期待しています。バレダ選手も快調に安定した走りでステージ3位に入り、総合でも1位を守っています。このまましっかりとチームで支えていきます。ベナバイズ選手も無理せず走らせ8位、総合でも8位と明日からペースを上げていく予定です。また、コルネホ選手もトップ10に入る走りで総合でも9位と健闘しています。ゴンサルヴェス選手は体調と相談しながら安定した走りを見せ、これからペースアップしていく予定です。ライダー全員、転倒もなくマシンをいたわりつつ順調な滑り出しです。明日はアレキパへのロングステージで、サポートの我々を含め、早朝4時までにはビバークを出発します。体調にも気を付けながらラリーを続けます。引き続き応援をよろしくお願いします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | M.ウォークナー | KTM | 03:23'57 | - | - |
2 | 15 | リッキー・ブラベック | Honda | 03:24'19 | +00:00'22 | - |
3 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 03:25'38 | +00:01'41 | - |
4 | 3 | T.プライス | KTM | 03:27'03 | +00:03'06 | - |
5 | 6 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 03:27'21 | +00:03'24 | - |
6 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 03:30'00 | +00:06'03 | - |
8 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 03:33'56 | +00:09'59 | - |
10 | 10 | ホセ・イグナシオ・コルネホ | Honda | 03:37'40 | +00:13'43 | - |
11 | 2 | パウロ・ゴンサルヴェス | Honda | 03:38'09 | +00:14'12 | - |
19 | 58 | ウォルター・ノジリア | Honda | 03:45'32 | +00:21'35 | +00:02'30 |
21 | 28 | ダニエル・ノジリア | Honda | 03:49'34 | +00:25'37 | - |
25 | 22 | ディエゴ・マルティン・デュプレシ | Honda | 03:55'20 | +00:31'23 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 04:23'14 | - | - |
2 | 1 | M.ウォークナー | KTM | 04:24'45 | +00:01'31 | - |
3 | 15 | リッキー・ブラベック | Honda | 04:24'47 | +00:01'33 | - |
4 | 6 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 04:26'31 | +00:03'17 | - |
5 | 3 | T.プライス | KTM | 04:27'47 | +00:04'33 | - |
6 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 04:30'32 | +00:07'18 | - |
8 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 04:35'32 | +00:12'18 | - |
9 | 10 | ホセ・イグナシオ・コルネホ | Honda | 04:40'38 | +00:17'24 | - |
11 | 2 | パウロ・ゴンサルヴェス | Honda | 04:42'26 | +00:19'12 | - |
18 | 58 | ウォルター・ノジリア | Honda | 04:50'57 | +00:27'43 | +00:02'30 |
21 | 28 | ダニエル・ノジリア | Honda | 04:54'52 | +00:31'38 | - |
29 | 22 | ディエゴ・マルティン・デュプレシ | Honda | 05:07'05 | +00:43'51 | - |