STAGE 12
フィアンバラ↓
サンフアン
1月17日の夜、ダカールラリーの主催者は、ステージ12の前半部分をキャンセルすることを発表しました。
その理由としては、二輪部門のライダーたちがスタートする早朝の時間帯に発生する濃い霧で、レースコントロールのヘリコプターが飛行できないことに加え、ルート上にある渡河セクションが降雨の影響で増水しており、走行が危険と判断されたからです。
それにともない、18日に行われるステージ12の後半部分からスタートするために、二輪部門は四輪部門と共にフィアンバラからチレシトへと移動。前夜に主催者から通達された、スペシャルステージの後半部分のみでタイムを競うレースに備えました。しかし、その後、トラック部門がスタートした1時間後に二輪がスタートするという新たなプランが発表。このプランは、トラック部門が走行したあとの荒れた路面を、トラックが巻き上げるほこりの中、しかもニ輪部門がトラック部門を追い越しながら走るという難しい状況になることを意味しました。
このプランに数人のライダーたちが難色を示したため、その結果、主催者は最終的にステージ12全体をキャンセルすることを決定したのです。安全を確保するためとはいえ、計画の度重なる変更に、チームは振り回されることとなりました。
ライダーたちはサンフアンにあるエル・ゾンタサーキットまで、クルーと同じルートを使っての移動を完了しています。ステージ12がキャンセルとなったため、総合順位はステージ11の終了時と変わらず、Monster Energy Honda Teamはトップと32分差のケビン・ベナバイズが総合2位、リッキー・ブラベックが総合6位、イグナシオ・コルネホが総合9位からステージ13に挑みます。
明日のステージの移動距離は今大会最長となる907km。いよいよ、ラリーの最終目的地であるコルドバへと向かいます。
ステージ序盤、サンフアンの砂丘を楽しんだ参加者たちは、その後、柔らかくライディングが難しいばかりか、強烈なほこりで視界もままならないフェシフェシ地帯(パウダー状に砕けた土が溜まった場所)を通過しなければならない。世界ラリー選手権のアルゼンチンラウンドのルートを知る人なら、このエリアの攻略には、慎重さが要求されることを知っているはずだ。そしてダカールでは、最終日の前日にドラマが起こることも珍しくない。
ケビン・ベナバイズ(総合 2位)
「もちろんレースをしたかったので、少しガッカリしています。主催者は、四輪やトラックのあとに二輪をスタートさせたいと考えていたけれど、私たちはとても危険だと言いました。私たちはバイクを四輪とトラックより前にスタートさせてくれないかと提案しましたが、彼らはスタートの変更よりも、もっと簡単な解決方法を見つけたのです。それがキャンセルする、ということです。私は正しい決定だとは思いませんが、もちろんそれはそれ。ゴールまでの残りの2日間、精一杯プッシュするだけです」
リッキー・ブラベック(総合 6位)
「今日のステージはキャンセルになりましたが、正直なところ、その理由が分かりません。私たちはとても退屈な700kmを公道で移動したのですが、本当にうんざりしてしまいました。私たちが走れなかった今日のステージのあとには、もう2日しかありません。残されたステージをうまくライディングして、いい結果を得られることを願っています」
本田太一|Monster Energy Honda Team ラリー・プロジェクト・リーダー
「チームはサンフアンのビバークに到着しました。ここはとても暑いです。気温は38度を超えています。今日、行われる予定だったステージ12はキャンセルになりました。これを含めると、今年のダカールではここまで2つのステージがキャンセルされ、短縮されたステージもあり、合計すると1000km程度のスペシャルステージ(競技区間)がなくなった計算です。我々にとって、これは厳しい状況と言えます。しかし、ダカールラリーはまだあと2つのステージが残っています。チーム、ライダーそれぞれがしっかりと仕事をして、逆転優勝を目指してがんばります。引き続き、Monster Energy Honda Teamへの応援をよろしくお願いいたします」