STAGE 10
サルタ↓
ベレン
1月16日、サルタ~ベレン間に設定されたスペシャルステージは、前後、2つのパートに分けて行われ、242kmの前半パートを終えたライダーたちは、103kmの移動区間を挟んで、後半パートの129kmに挑みました。この後半パートで、トップグループがコースを見失い、正しいルートへ復帰するのに貴重な時間を失ってしまいます。結果、総合2位にホアン・バレダ、総合3位にケビン・ベナバイズがつけているものの、首位には40分近いリードを許すこととなりました。
早朝4時30分、サルタのビバークを出発したライダーたちは320kmを移動し、スペシャルステージ(競技区間)のスタート地点に到着しました。9時45分スタートの時点で、気温はすでに34度。ボリビアでのステージとは打って変わり、真夏のアルゼンチンの太陽が照りつけます。高温に加え、ステージはキャメルグラスが生える走りづらい砂の路面、砂丘地帯、渡河などさまざまなエリアが混在し、ライダーにとって高いスキルを問われるものでした。
この日、2番手スタートを切ったMonster Energy Honda Teamのリッキー・ブラベックは序盤からリズムをつかめず、何度かのミスコースにより遅れをとってしまいます。
4番手からスタートしたのは、地元出身ライダーのケビン・ベナバイズ。地の利を活かして快調にペースを上げると、ルートに設けられたウエイポイント(GPSで設定されたルート上の通過点)の通過タイムで全体ベストを記録し続け、ライバルとの差を広げていきます。しかし、気温が40度を超えた後半パートで、そのリズムが崩れます。ルートを外れたベナバイズは、この後半パートだけでそれまで築いていたマージンを消化。さらに、正しいルートに復帰するために時間を費やし、前半とは逆に、首位に47分35秒ものビハインドを負ってしまいます。
8番手スタートのホアン・バレダも後半で先行グループ同様にルートを見失い、トップから38分15秒差、ブラベックは56分13秒差でこのステージを終えました。
好調だったのは後方の21番手からスタートしたイグナシオ・コルネホでした。コルネホは慎重な走りでステージ5番手タイムをマーク。また、MECチームからCRF450 RALLYでエントリーしているマーク・サミュエルズもトップと24分50秒差でステージ7位、総合では28位に浮上しています。
この日は、上位からスタートしたライダーたちの多くが、ミスコースや転倒などでペースを崩す厳しい展開となりました。総合順位ではバレダが総合2位、ベナバイズが総合3位につけていますが、新たに首位となったマティアス・ウォークナー(KTM)に40分近くのビハインドを負うこととなりました。
しかし、ラリーはまだ続きます。明日から二輪クラスは、アルゼンチン国内でも屈指の難易度を誇るフィアンバラの砂丘地帯を含むステージで、チームからのサポートを受けられないマラソンステージを迎えます。ここがラリー後半戦の山場となるでしょう。頂点を目指す戦いは、まだ終わりません。
ステージ11、ステージ12の2ステージは、二輪クラスだけがマラソンステージとして行われる。総距離1200kmを超す明日からの2日間は、チームからのサポートを受けられず、ライダー同士で問題を解決しなければならない。フィアンバラの砂丘は気温が高くなり、それにともない砂は柔らかくなる。ルート全体の70%がサンドであることから、優れたラリーストが有利になるだろう。二輪クラスにとっては、これがラリー後半パートの大きな山場となる。またこのステージは2016年と同様に、二輪、四輪、トラックの各クラスの上位25位までが混在してのスタートとなる。この夜、ライダーたちはマラソンステージのために別のビバークで宿泊する。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 04:52'26 | - | - |
2 | 10 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 05:04'01 | +00:11'35 | - |
3 | 3 | G.ファレス | KTM | 05:08'47 | +00:16'21 | - |
4 | 61 | O.メーナ | ヒーロー | 05:13'11 | +00:20'45 | - |
5 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 05:15'40 | +00:23'14 | - |
6 | 54 | A.ショート | ハスクバーナ | 05:16'39 | +00:24'13 | - |
7 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 05:17'16 | +00:24'50 | - |
14 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 05:30'41 | +00:38'15 | - |
17 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 05:40'01 | +00:47'35 | - |
24 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 05:48'39 | +00:56'13 | - |
34 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 06:29'23 | +01:36'57 | - |
43 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 06:45'07 | +01:52'41 | - |
74 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 08:48'04 | +03:55'38 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 32:21'03 | - | 00:01'00 |
2 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 33:00'45 | +00:39'42 | - |
3 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 33:02'26 | +00:41'23 | - |
4 | 3 | G.ファレス | KTM | 33:08'49 | +00:47'46 | - |
5 | 8 | T.プライス | KTM | 33:11'21 | +00:50'18 | - |
6 | 19 | A.メオ | KTM | 33:24'38 | +01:03'35 | 00:01'00 |
7 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 33:42'40 | +01:21'37 | - |
11 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 34:10'53 | +01:49'50 | - |
21 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 35:59'53 | +03:38'50 | 00:10'00 |
28 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 37:41'05 | +05:20'02 | 01:00'00 |
46 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 42:53'51 | +10:32'48 | - |
82 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 64:47'20 | +32:26'17 | 10:56'00 |