STAGE 04
サン・ファン・デ・マルコナ↓
サン・ファン・デ・マルコナ
2018年ダカールラリーは前半から難しいステージが続いています。サン・ファン・デ・マルコナを起点に周回するかたちで設定されたステージ4も、高いライディングスキルに加え冷静にルートを読み解く能力を求める深いゲーム性が織り込まれていました。
二輪部門で幾度もダカールラリーを制した後、主催者のスポーティングダイレクターとなったマルク・コマが制作したペルーのルートを、ラリーの参加者は戦っています。ステージ4も難しいコース、難しいナビゲーションに加え、参加者が冷静さを失う手法で試したのです。
この日のステージは、15台が一列に並びモトクロスのように走り出す一斉スタートでした。普段、トップグループは1台ごとに3分、ないしは2分間隔でスタート。マシンに装備されたトリップメーター、ロードブックからルートを読み取りながら走ります。サハラを舞台にしたダカールラリーで好んで用いられた一斉スタート方法をオマージュしたこの日、膨らむ競争心で冷静さを忘れないか、ライダーに心理戦を仕掛けたのです。
ダカールラリー史上最長となる砂のステージが用意されたステージ4。そこへと入る前、ライダーたちは狭い峡谷や低速かつ難易度の高い路面とヒルクライムを組み合わせた地形をくぐり抜けます。ナビゲーションすることの難しさが集団でミスコースにもつながります。
この日、7時35分に2列目からスタートしたホアン・バレダは序盤から中盤までウエイポイント(GPSで規定された通過点)の通過タイムでは全体ベストを記録する快調さでペースを上げます。しかし終盤、バレダやマイケル・メッジ、7時30分にスタートしたリッキー・ブラベック、ケビン・ベナバイズ他、多くのライダーたちと同様、悪路の中でのウエイポイントを特定するのに時間を費やすことになります。
その中、ベナバイズは、タイムロスはありましたが悪くないタイムで走りきり、総合順位ではトップと3分15秒差の3位に付けています。また、昨日順位を落としたバレダも順調にばん回しています。この日、Monster Energy Honda Teamとしてはベストリザルトとなったのは、イグナシオ・コルネホです。コルネホは得意のサンドを快調に走り、ステージ7位、総合でも7位に付けています。
このステージでは二輪部門と四輪、トラック部門は別のルートを走る。レースは夜明けにスタートして、スペシャルステージは二つのセクションで構成されている。まず30ヵ所ほど巨大な砂丘群を渡っていったあと、海岸線に近いタナカに拡がる砂丘群に初めて入ります。スペシャルステージが終わったあと、アレキパへの道程は長くなるだろう。ビバークへの到着が遅くなるエントラントが少なくないかもしれない。
ケビン・ベナバイズ(ステージ4 8位/総合 3位)
「とてもいい誕生日でした。タフで肉体的にも厳しいステージでした。スタートした後は砂埃が舞っていました。それは砂丘に入っても同じでした。ウエイポイントを見つけるのにとても苦労しました。私はうまくゴールすることができたし、明日のステージを戦うためにはいいポジションです」
ホアン・バレダ(ステージ4 9位/総合 13位)
「ある日はすべてがうまく行くし、でもその翌日はとても辛かったりするものです。それでも私たちは目標に向かって集中するだけです。今日はさまざまな難しさがありましたが、明日は最後の砂丘ステージであり、攻めるために後ろからスタートしたいですから、今日の順位は結果的にはおおよそプラン通りにいったと言えます。ウエイポイントの一つが正確な位置にあったかどうか疑わしく、私たちはその位置を探し当てるためかなりの距離を走り回ることになり、数分のロスをしました。しかし、私たちはいいポジションにいます。(サム)サンダーランド(KTM)のリタイアは最強のライバルだっただけにとても残念です。昨日ジャンプの着地で痛めた手は少し痛みます。砂丘ではそれほどでもないのですが、山岳セクションでは痛みます。我慢してこの先のセクションに挑んでいくだけです」
マイケル・メッジ(ステージ4 13位/総合 27位)
「太平洋を望むビーチからのスタートはすばらしい体験でした。でも、水際に入ったライダーの飛沫が私のゴーグルの中に入ってしまいました。海水が目にしみてよく見えませんでした。ゴーグルを拭くために私は一度止まるしかありませんでした。その後はいいペースで走り、砂のパートもうまくいきました。ただウエイポイントを見つけるのが難しく、しばらく時間がかかってしまいました。それでも悪いステージではなかったと思います」
リッキー・ブラベック(ステージ4 24位/総合 12位)
「今日は4日目です。本当に難しかったですね。素敵なビーチからのスタートでしたが、終盤に向かうにつれて難しくなりました。トリッキーなルート設定でナビゲーションが難しかったです。特に終盤のウエイポイントではみんなが同様に探し出せずにいましたからね。誰もが自分のやり方で探し当てようと必死でしたが、私はそのポイントが砂丘の頂上にあるかもしれないと思い苦労して頂上へと戻りました。しかし残念ながらその砂丘の頂上にはなく、その先の渓谷にあったのです。私はそこで20分のロスタイムをしました。総合順位ではとても痛いです。この失敗を受け入れるのは難しいですが、続く数日でロスを取り戻すべく戦います」
本田太一|Monster Energy Honda Team ラリー・プロジェクト・リーダー
「ステージ4が終わりました。今日のスペシャルステージのハイライトの一つは、一列に並んで15名ずつの一斉スタートでした。そのままグループでの走行が続きましたが、その先頭を走るライダーが、砂漠の中でナビゲーションをミスし、コースを見失い多くのライダーがその後を追いかける展開で、15台ほどの集団ミスコースに発展したようです。その中、Monster Energy Honda Teamのライダーたちは、早い段階で間違いを修正し、明日に向けてよいポジションで戻ってきてくれたと思っています。
バレダ選手は今日のステージで総合13位までポジションをばん回しました。これからさらに順位を上げてくるのは間違いなく、期待をしています。ベナバイズ選手は現時点の自身のポジションをしっかり、冷静に判断した走行で今の位置にいると考えています。ラリー全体を考え最終的な目標に向けた考え方で闘っています。ブラベック選手は今日、ミスコースで少し遅れました。しかし体調もよく明日もがんばってくれると思っています。そしてコルネホ選手は大活躍をしてくれています。今日の難しいステージを7位、総合でも7位につけています。チームのためのサポートをするなど、多いに支えてくれています。
マイケル・メッジ選手はステージ3でのウエイポイント不通過という裁定を受け、1時間のタイムペナルティーが加算されました。それにより現在総合27位と順位的に離れてしまっていますが、体調、マシンの状態に問題ありません。他のライダーも体調万全。しっかりサポートをしてゆきます。
2018年のダカールは前半戦から中盤戦へと入っていきます。明日からステージの標高も上がっていき、12日にはボリビアのラパスに移動するステージで4000メートル級の標高まであがります。ライダーたちは元気で体調も万全。チームも彼らを全力でサポートするため、体調管理をしっかりして長いダカールを戦います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 04:08'23 | - | - |
2 | 23 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 04:13'24 | +00:05'01 | - |
3 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 04:15'33 | +00:07'10 | - |
4 | 10 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 04:15'55 | +00:07'32 | - |
5 | 9 | S.ソヴィッツコ | KTM | 04:16'08 | +00:07'45 | - |
6 | 29 | D.オリベラス | KTM | 04:17'02 | +00:08'39 | - |
7 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 04:17'08 | +00:08'45 | - |
8 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 04:17'37 | +00:09'14 | - |
9 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 04:18'23 | +00:10'00 | - |
13 | 14 | マイケル・メッジ | Honda | 04:19'40 | +00:11'17 | - |
20 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 04:25'27 | +00:17'04 | - |
24 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 04:32'07 | +00:23'44 | - |
34 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 04:50'59 | +00:42'36 | - |
51 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 05:22'05 | +01:13'42 | - |
94 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 07:00'55 | +02:52'32 | - |
115 | 124 | ジェリー・コルノ | Honda | 10:25'38 | +06:17'15 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 11:03'23 | - | - |
2 | 10 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 11:05'18 | +00:01'55 | - |
3 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 11:06'38 | +00:03'15 | - |
4 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 11:08'46 | +00:05'23 | - |
5 | 23 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 11:10'57 | +00:07'34 | - |
6 | 8 | T.プライス | KTM | 11:13'37 | +00:10'14 | - |
7 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 11:15'29 | +00:12'06 | - |
12 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 11:24'30 | +00:21'07 | - |
13 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 11:25'31 | +00:22'08 | - |
25 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 12:07'50 | +01:04'27 | 00:10'00 |
27 | 14 | マイケル・メッジ | Honda | 12:15'35 | +01:12'12 | 01:00'00 |
49 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 14:01'56 | +02:58'33 | - |
53 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 14:19'10 | +03:15'47 | 01:00'00 |
101 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 19:30'41 | +08:27'18 | 02:00'00 |
113 | 124 | ジェリー・コルノ | Honda | 25:37'27 | +14:34'04 | 02:00'00 |