1月8日、ダカールラリーはステージ2に続きピスコ周辺の砂丘地帯を舞台に296kmのステージ3が行われました。この日のルートの63.5%が砂、残りの36.5%が土というコンディションで、ステージ2のルートと同様にピスコ、イーカ周辺を回るように設定されました。その途中、7カ所のウエイポイント(GPSで規定された通過地点)が用意されていました。このステージでMonster Energy Honda Teamのライダーたちは幸運と不運、その両方を体験したのです。

この日、快調な走りを見せたのはケビン・ベナバイズでした。早朝5時57分、5番手からスタートしたベナバイズは、順調なペースで難ルートを駆け抜け296kmのスペシャルステージ(競技区間)を3時間23分46秒で走破。トップのサム・サンダーランド(KTM)と3分3秒差でこのステージをまとめ、2位でフィニッシュ。これにより、総合順位もトップと4分38秒差の2位へと上げています。

また、リッキー・ブラベックも強さを見せます。砂丘とナビゲーションに苦しむライダーが多かったこの日、ミス無くこなしてトップと3分55秒差のステージ4位を獲得。総合でもトップと8分差の4位となっています。

また、パウロ・ゴンサルヴェスの代役として参加したイグナシオ・コルネホも得意のサンドセクションで実力を示しました。3時間27分49秒で走り、CRF450 RALLYをステージ9位に導きます。優勝候補がひしめくトップ10に入った速さは、23歳のチリ人ライダーが有望であることを証明しました。

早朝5時45分に始まったステージを1番手スタートしたのはホアン・バレダでした。この日、バレダはステージを切り開きながら順調なペースで走行を続けます。しかし、後半のウエイポイント7を過ぎた終盤、ゴールも間近になった280km地点付近でルートを見失いました。正しいルートに戻るため、ウエイポイント7まで15kmを戻る決断をしたバレダは、正しいルートを見つけたものの、貴重な時間を失ってしまいます。これにより、トップから27分49秒の差を開けられ、ステージ3のリザルトは28位。総合トップから14位へと後退することになりました。

また、ステージ中盤まで快走を見せていたマイケル・メッジは、後半、GPS機能にトラブルが出たためペースダウンを余儀なくされましたが、ステージはフィニッシュ。しかし、残念ながら1時間のペナルティーが加算され、ステージ58位、総合でも31位に沈む結果となりました。

ラリーはまだ序盤。落胆をする必要も楽観する余裕もまだありません。明日はサン・ファン・デ・マルコナ周辺に拡がる330kmのルートでスペシャルステージが用意されています。ルートのほとんどが砂丘で、海岸線に近いフィニッシュラインに戻る前には、海抜2000m地帯に拡がる砂丘群を抜ける予定です。また、クラシック・ダカールラリーがテネレ砂漠で行っていた一斉スタートをオマージュし、15台のバイクが並んで海岸からスタートを切る予定です。

明日のステージ

この日のステージは海岸線から始まる。二輪部門は一列に15台、四輪は4台が並んでの一斉スタートだ。海岸での加速競争を終えると、ダカールラリーの歴史の中で最長となる砂のセクションを参加者たちは戦う。合計100km続く砂のステージには、大小取りそろえたあらゆるサイズの砂丘が待ち受けている。さらにステージ終盤、進むべき峡谷を見つけるのは難しく、確かな腕の持ち主が誰かが分かるだろう。