1月2日、パラグアイの首都アスンシオンをスタートし、ボリビア、アルゼンチンを走ったダカールラリーは、最終日となる1月14日にステージ12を行い、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスへとたどり着きました。総走行距離の約9000kmを走破するルートには、ボリビアの高地やアンデス地帯など、標高3000m以上のエリアで過ごす6日間を含んだほか、スペシャルステージ(競技区間)の合計は4000kmを超える距離が予定されていました。そのどれもがナビゲーションが難しく、さらに、ラリーが通過するエリアを襲った豪雨の影響で、2つのステージがキャンセルされたほか、コースの短縮化やルート変更などが実施されました。
ホアン・バレダ
ホアン・バレダ
最終日、リオクアルト郊外で行われた大会最後のスペシャルステージは64kmと短く、総合順位の下位選手からスタートするのは最終日のおなじみです。Monster Energy Honda Teamのマイケル・メッジが84番手、パウロ・ゴンサルヴェスは92番手、ホアン・バレダは93番手からこのステージをスタートしました。結果は、バレダがCRF450 RALLYをハイペースで走らせ、トップと18秒差のステージ3位。ゴンサルヴェスは1分25秒差で5位、メッジが3分1秒差で9位となりました。
パウロ・ゴンサルヴェス
マイケル・メッジ
総合順位においては、Monster Energy Honda Teamのライダーであるバレダが総合5位、ゴンサルヴェスが6位、メッジが14位となりました。またHonda South America Rally Teamからエントリーし、すばらしい走りを見せたフランコ・カイミは総合8位となり、ダカールラリーに初参戦したライダーとして最上位でフィニッシュ。主催者からルーキー・オブ・ザ・イヤーを与えられました。
フランコ・カイミ
Monster Energy Honda Teamは長い戦いを終えました。ステージ4の終了後、レギュレーションの解釈の相違でチームが受けた1時間のタイムペナルティーもあり、リザルトの上位を明け渡すことになりました。
バレダはトップとの差がステージ7の終了段階で1時間14分47秒。しかしながらその後、コースの変更やスペシャルステージのキャンセルなどで、タイムを取り戻すチャンスが限られる中、ブエノスアイレスに到着したときには、その差を43分8秒まで縮めるスピードと強さを見せました。ほかの選手も同様でした。リッキー・ブラベックが1回、バレダが4回、チームとしては計5つのステージウインを果たしたこと、ゴンサルヴェスとメッジが、ステージ上位の常連だったことも忘れてはいけません。これはすなわち、マシンの信頼性の向上やチーム体制の進化など、チームがダカールラリー2017に向けての努力が、かたちになったと言えます。
※レポートは暫定結果に基づくものです。
ホアン・バレダ(ステージ12 3位 / 総合5位)
「ゴールして、この一年をこのレースに向けて過ごしてきたんだな、という気持ちでいっぱいです。私は私のできることをすべてやりました。しかし、掲げていた目標を達成することはできませんでした。でも、とてもいい気持ちです。いい走りができたし、可能な限りベストを尽くしたので、私は今、穏やかな気持ちでいます。一年を通してがんばりました。昨年、ダカールで強くなるためにいくつかの変更をしました。それは非常にポジティブなものです。チームは本当にいい仕事をしました。すばらしいマシンを開発し、そのマシンはレース中に一切の問題を起こすことはありませんでした。リッキー(ブラベック)は大きな飛躍を遂げました。ミカ(マイケル・メッジ)とはとても仲良くなれたし、パウロ(ゴンサルヴェス)はいつもトップ争いに絡んでいました。私たちは本当に強いチームであり、それについてはとても喜んでいます」
パウロ・ゴンサルヴェス(ステージ12 5位 / 総合6位)
「ダカールが終わりました。HRCはとてもいい仕事をしたし、この一年を通して達成したこの結果に対して、私たちはとてもハッピーです。唯一残念なのは、私たちが望んでいたものとは違った最終結果です。私たちはなにが起こったのかを検証しなければなりません。しかし、今はどうすれば勝てるかを知っています。もしあのペナルティーがなければ、私たちは総合成績で1位と2位を獲得していました。次のダカールまで、あと一年待たなければなりません。チームのすべてのメンバーに感謝します。あの制裁がなければ、私たちの目標である総合1-2フィニッシュを果たせていました」
マイケル・メッジ(ステージ12 9位 / 総合14位)
「今日が最後のステージでした。シンプルなスペシャルステージでフラットだ、とみんなが言っていました。でも、そんなことはありませんでした。30秒間隔でスタートするため、すごいほこりでなにも見えないのです。コースはわだちと穴だらけでした。私は無理をしませんでした。残念ながら、私たちが掲げた目標が達成できないことが分かっていましたからね。しっかりゴールしたいと思いました。Monster Energy Honda Teamはいいレースをしました。ペナルティーに関しては少し残念ですが、うまくいけば物語はここで終わらないし、あの時間を取り戻すことができるかもしれません」
※コメントは暫定結果に基づくものです。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 00:30'29 | - | - |
2 | 8 | G.ファレス | KTM | 00:30'29 | - | - |
3 | 11 | ホアン・バレダ | ![]() | 00:30'47 | 00:00'18 | - |
4 | 16 | M.ウォークナー | KTM | 00:31'02 | 00:00'33 | - |
5 | 17 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 00:31'54 | 00:01'25 | - |
6 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 00:32'11 | 00:01'42 | - |
9 | 15 | マイケル・メッジ | ![]() | 00:33'30 | 00:03'01 | - |
10 | 67 | フランコ・カイミ | ![]() | 00:33'36 | 00:03'07 | - |
24 | 50 | ダニエル・ノシリア | ![]() | 00:36'27 | 00:05'58 | - |
29 | 66 | ウォルター・ノシリア | ![]() | 00:37'56 | 00:07'27 | - |
49 | 68 | シモーネ・アガッツィ | ![]() | 00:41'36 | 00:11'07 | - |
73 | 159 | リチャード・フリッター | ![]() | 00:46'08 | 00:15'39 | - |
97 | 75 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 01:21'30 | 00:51'01 | - |
総合順位
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 32:06'22 | - | - |
2 | 16 | M.ウォークナー | KTM | 32:38'22 | 00:32'00 | 00:05'00 |
3 | 8 | G.ファレス | KTM | 32:42'02 | 00:35'40 | - |
4 | 6 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 32:42'50 | 00:36'28 | 00:01'00 |
5 | 11 | ホアン・バレダ | ![]() | 32:49'30 | 00:43'08 | 00:58'01 |
6 | 17 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 32:58'51 | 00:52'29 | 00:48'20 |
8 | 67 | フランコ・カイミ | ![]() | 33:48'40 | 01:42'18 | 01:05'00 |
14 | 15 | マイケル・メッジ | ![]() | 34:44'54 | 02:38'32 | 02:11'30 |
24 | 50 | ダニエル・ノシリア | ![]() | 36:59'55 | 04:53'33 | - |
37 | 68 | シモーネ・アガッツィ | ![]() | 39:09'59 | 07:03'37 | - |
41 | 66 | ウォルター・ノシリア | ![]() | 40:47'03 | 08:40'41 | 01:08'00 |
57 | 75 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 44:38'21 | 12:31'59 | 03:37'26 |
59 | 159 | リチャード・フリッター | ![]() | 45:01'38 | 12:55'16 | 01:02'30 |
※ リザルトは暫定結果に基づくものです
Dakar Rally 2017 ステージ12