※レポートは暫定結果に基づくものです。
※レース終了後のペナルティーにより、順位の変動がありました。
ダカールラリーの4日目は、サン・サルバドル・デ・フフイ~トゥピサ間の521kmで行われました。途中アルゼンチンからボリビアへと国境をまたいだほか、今回のラリーでは初めて砂丘群の中に入り、ルートのほとんどが標高3000~4000mの高地に設定されているとあって、416kmの長いスペシャルステージ(競技区間)では数多くのドラマが起こっています。
ホアン・バレダ
雨や霧の影響により20分遅れでスタートしたステージ4。今日の高地バトルでも快走をみせたのは、Monster Energy Honda Teamのホアン・バレダでした。ステージ3を首位で終えたバレダは、この日のステージを1番手でスタート。ダカールラリーでは、特に砂丘地帯を抜ける場合、前走者のわだちが後続車の道標となるため、先頭スタートは戦略的には有利とは言いきれません。
しかし、正確なナビゲーションスキルを持ち味とするバレダはCRF450 RALLYをハイペースで走らせながら、国境通過のため前半・後半の2部構成となっているスペシャルステージですばらしい走りをみせました。途中のWP(ウエイポイント:GPSで設定されたルート上の通過点)のタイムを見ても、9カ所中7カ所で最速をマーク。残る2カ所も2位タイムで通過する好ペースでした。後半パートでは、ステージ優勝よりも安全に走りきる作戦にシフト。マティアス・ウォークナー(KTM)に2分2秒差を許したものの、2位でこのステージをまとめました。
ホアン・バレダ
ホアン・バレダ
このステージでは多くのライダーがナビゲーションに苦労し、貴重な時間を失う中、終始力強い走りをみせたことで、総合順位では2位のパブロ・クインタニラ(ハスクバーナ)との差を18分19秒まで広げ、首位を守っています。
マイケル・メッジ
マイケル・メッジ
また、この日のスペシャルステージを13番手からスタートしたMonster Energy Honda Teamのマイケル・メッジも416kmという長いステージで、WP通過タイム4番手前後をキープする力強い走りをみせ、ステージ3位(レース後ペナルティーにより4位)でフィニッシュ。総合順位を15位から13位に上げています。
リッキー・ブラベック(Monster Energy Honda Team)は、ステージ最初のWPを探すのに手間取ってしまい10分以上をロス。WP1通過タイムは50番手と出遅れますが、その後スパートをかけ、序盤の遅れを取り戻しステージ11位で終えています。
リッキー・ブラベック
パウロ・ゴンサルヴェス(Monster Energy Honda Team)も、この日は前半のナビゲーションで苦しみ貴重な時間を失います。しかし彼も次第にペースを取り戻し、前半パートをバレダと15分50秒差の13位でまとめました。後半パートでは、トゥピサへのゴール直前に、2016年のダカールラリーで優勝したトビー・プライス(KTM)の転倒現場に遭遇。負傷したプライスを救護し、ヘリで彼が無事に運ばれることを確認してから自分のレースに戻りました。この転倒で右足大たい骨を骨折したプライスは、残念ながらラリーを去ることになりました。
パウロ・ゴンサルヴェス
パウロ・ゴンサルヴェス
明日のステージも参加者を悩ませる高い標高と、ナビゲーションの難しい砂丘セクションが繰り返されます。高地でのバトルはまだ始まったばかりです。
STAGE 5
トゥピサ~オルロ
リエゾン(移動区間):245km スペシャルステージ(競技区間):447km 総移動距離:692km
明日のステージはアルティプラーノと呼ばれる、ボリビアの標高が高い高原地帯を進む。引き続き厳しい高地での戦いになる。さらに明日通過する地形は参加者に高いスキルを要求する。なかでもステージ後半に現れる2つの砂丘セクションは、ダカールラリーの精神を象徴するような厳しいものとなるだろう。
※コメントは暫定結果に基づくものです。
※レース終了後のペナルティーにより、順位の変動がありました。
ホアン・バレダ(ステージ4 2位 / 総合1位)
「すばらしいステージでしたので、とてもうれしいですね。前半はとても美しかったです。ナビゲーションミスをすることもなく快適に走れ、いいペースを保つことができました。好調なスタートを切れて、序盤の数kmはコースを間違えないよう砂漠に集中することができました。今日の終盤にボリビアへ入ると、川が交差していて岩も多かったので、ペースを落としました。今日を走りきったことがうれしいし、なにより総合でもトップです。トビー・プライス(KTM)に起こったことは残念です。それほど深刻でないといいですね。そして彼は乗り越えてすぐに戻ってくるでしょう」
マイケル・メッジ(ステージ4 4位 / 総合13位)
「頭痛が続いていました。昨日、標高4000mに達してからですね。それでもライディングに影響はなく、昨日も今日のステージも、とてもうまくライディングできました。今日は最初からうまくいきました。リエゾンを走っているときに少し問題があって残念でしたが、砂漠もナビゲーションに関しても問題はありませんでした。唯一あるとすれば、ミスを犯したと思って引き返したのですが、その道が実は正しかったことです。休息日までこの調子をキープしたいですね」
パウロ・ゴンサルヴェス(ステージ4 11位 / 総合6位)
「私たちにとって、本当に難しい日でした。距離は長く、ナビゲーションも難しかったです。序盤でウエイポイントを見つけられなくて時間をロスしてしまいました。その後、失った時間を取り戻すために走れたことはよかったです。ボリビアに入った終盤にトビー・プライス(KTM)を助けるため、マシンを止めました。彼は私の前を走っていたのですが、負傷していることが分かりましたからね。私はヘリコプターを呼び、来るのを待っていました。主催側が、この時間を復活させてくれることを確信しています。マシンの調子はいいです。これからの数日、チームにとってうまくいくはずです」
リッキー・ブラベック(ステージ4 12位 / 総合9位)
「最も難しい一日でした。多くのトリッキーなコースがありました。スペシャルステージの最初で私はミスをしました。コースに戻る前、道を見つけるのにちょっと苦労しましたが、このことによって、さらに集中できるようになりました。私はペースを上げ、レースに復帰しました。ビバークに戻ることができてうれしいです。チームとして戦い続けます。次のステージでは、ばん回したいですね」
本田太一|Monster Energy Honda Team ラリー・プロジェクト・リーダー
「今日のステージで先頭スタートだったバレダ選手ですが、実はタイム差をライバルに取り戻されると想像していました。砂丘では後続者がナビゲーション的に有利ですから。しかし、バレダ選手はすばらしいナビゲーションでいい結果に結びつけてくれました。メッジ選手もいいペースでステージ4を終えたことで総合順位も上がっています。ブラベック選手とゴンサルヴェス選手は、最初のパートでナビゲーションをミスしたようですが、2人ともペースを取り戻してくれました。また、ブラベック選手は軽い高山病のような症状があったということで、体調管理を万全にして明日に備えます。これから6日間、標高の高いボリビアで過ごします。ライダー、メカニック、スタッフともにタフなラリーです。体調をしっかり管理し戦います。引き続き、Monster Energy Honda Teamへの応援をお願いいたします」
※レース終了後のペナルティーにより、順位の変動がありました。
ステージ4 リザルト順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | M.ウォークナー | KTM | 04:57'22 | - | - |
2 | 23 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 05:03'20 | 00:05'58 | - |
3 | 3 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 05:06'44 | 00:09'22 | - |
4 | 8 | G.ファレス | KTM | 05:07'46 | 00:10'24 | - |
5 | 31 | P.アレクサンドレ・ルネット | ハスクバーナ | 05:09'52 | 00:12'30 | - |
6 | 6 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 05:10'33 | 00:13'11 | - |
24 | 50 | ダニエル・ノシリア | ![]() | 05:47'54 | 00:50'32 | - |
30 | 11 | ホアン・バレダ | ![]() | 05:59'24 | 01:02'02 | 01:00'00 |
36 | 15 | マイケル・メッジ | ![]() | 06:05'40 | 01:08'18 | 01:05'00 |
40 | 66 | ウォルター・ノシリア | ![]() | 06:07'16 | 01:09'54 | - |
42 | 67 | フランコ・カイミ | ![]() | 06:10'25 | 01:13'03 | 01:00'00 |
44 | 17 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 06:12'18 | 01:14'56 | 00:48'20 |
45 | 9 | リッキー・ブラベック | ![]() | 06:13'27 | 01:16'05 | 01:00'00 |
49 | 68 | シモーネ・アガッツィ | ![]() | 06:16'30 | 01:19'08 | - |
62 | 159 | リチャード・フリッター | ![]() | 06:40'11 | 01:42'49 | 00:01'00 |
73 | 75 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 06:57'09 | 01:59'47 | 01:00'00 |
95 | 158 | グレゴリオ・カセラーニ | ![]() | 08:46'00 | 03:48'38 | - |
総合順位
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 12:54'02 | - | - |
2 | 16 | M.ウォークナー | KTM | 12:56'09 | 00:02'07 | 00:05'00 |
3 | 14 | S.サンダーランド | KTM | 13:00'14 | 00:06'12 | - |
4 | 8 | G.ファレス | KTM | 13:06'04 | 00:12'02 | - |
5 | 23 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 13:06'40 | 00:12'38 | 00:01'00 |
6 | 6 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 13:08'52 | 00:14'50 | - |
8 | 11 | ホアン・バレダ | ![]() | 13:35'43 | 00:41'41 | 01:01'00 |
15 | 17 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 14:01'28 | 01:07'26 | 00:48'20 |
17 | 9 | リッキー・ブラベック | ![]() | 14:07'33 | 01:13'31 | 01:00'00 |
20 | 67 | フランコ・カイミ | ![]() | 14:15'11 | 01:21'09 | 01:05'00 |
21 | 15 | マイケル・メッジ | ![]() | 14:17'41 | 01:23'39 | 01:11'30 |
48 | 50 | ダニエル・ノシリア | ![]() | 15:55'39 | 03:01'37 | - |
51 | 68 | シモーネ・アガッツィ | ![]() | 16:03'36 | 03:09'34 | - |
57 | 66 | ウォルター・ノシリア | ![]() | 16:32'47 | 03:38'45 | - |
60 | 159 | リチャード・フリッター | ![]() | 16:37'31 | 03:43'29 | 00:02'30 |
63 | 75 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 16:45'10 | 03:51'08 | 01:01'30 |
102 | 158 | グレゴリオ・カセラーニ | ![]() | 21:10'12 | 08:16'10 | 00:01'00 |
※ リザルトは暫定結果に基づくものです
Dakar Rally 2017 ステージ4
J SPORTS×Honda Dakar Rally 2017 Day4