モータースポーツ > ダカールラリー > Dakar Rally 2014 > 第3ステージ
TEAM HRCのホアン・バレダ選手は、1月7日に行われたダカールラリーの第3ステージにおいてステージ優勝を収めました。総合成績でも首位をキープし、2位のシリル・デプレ選手(ヤマハ)との差を13分4秒へと拡大。これによりスペイン・カステリョン出身のバレダ選手にとって、今大会2度目の優勝となり、自身のダカールラリーでのステージ優勝回数を7へと伸ばしました。この結果、Hondaは大会初日から3連続ステージ優勝を果たしました。
ステージ:サン・ラファエル~サン・フアン 535km
リエゾン(移動区間):292km スペシャルステージ(競技区間):243km
サン・ラファエル~サン・フアン間で行われたダカールラリー3日目は、先週降った大雨の影響でコースコンディションが悪く、予定していた373kmのスペシャルステージ(競技区間)のうち、序盤の130kmが短縮されました。しかし、残りの243kmには山岳地帯、固い路面などが存在し、ライディングがとても難しく、ライダーたちを苦しめました。
そんな中、先頭でスタートを切ったのは2日目にステージ優勝を収めたサム・サンダーランド選手(TEAM HRC)でしたが、途中バレダ選手がサンダーランド選手をパス。そのあと、バレダ選手はこの難しい第3ステージでトップを譲ることなく、サン・フアンへとたどり着きました。
この日、エルダー・ロドリゲス選手(TEAM HRC)は難しいルートに苦労しながらも、TEAM HRCのライダーとして2番目にゴール。第3ステージを15位でまとめ、総合順位を14位まで上げました。一方、昨日と一転して複雑なコースに翻ろうされたのがサンダーランド選手とパウロ・ゴンサルヴェス選手(TEAM HRC)でした。2人は負傷したほかのライダーを救出するための搬送用ヘリコプターを待ち、その後再びレースに戻ります。しかし、2人はそろってルートを見失い、ルート復帰のために貴重な時間を失ってしまいました。もう一人のTEAM HRCのライダー、ハビエル・ピゾリト選手も同様に後れをとりました。
明暗は分かれたものの、ライダーたちは一夜を過ごすビバーク地に無事戻りました。第3ステージから第4ステージは、ビバーク地でチームからサポートを受けられないマラソンステージ。ビバーク地にはTEAM HRCのサポートクルーの姿はなく、ライダーたちが自らマシンに必要な整備をしなければなりません。
また、アルゼンチン・ホンダ・ラリーチームのライア・サンツ選手は、難易度の高い第3ステージを20位でフィニッシュし、すばらしいパフォーマンスをみせました。ホンダレーシング・ブラジル・ラリーチームからエントリーしているジェアン・アゼヴェド選手も、第3ステージを17位と健闘。もう一人のアルゼンチン・ホンダ・ラリーチームのライダー、パブロ・ロドリゲス選手は78位という結果でした。
#3 ホアン・バレダ選手(スペシャルステージ3 / 優勝、総合1位)「今までのダカールラリーでは経験したことがない、本当に異例のスペシャルステージでした。私たちは高度だけでなく、丘や急な斜面に耐えなければなりませんでした。まるでトライアル競技のようでした。まず呼吸を整え、回転を上げ、2速ギアで一気に挑まなければならないのです。誰もトライしていないながらも、ミスは許されず、そして集中力を持続しなければならないといったところはトライアル競技と同じでした。ナビゲーションもとても難しく、時間がないのにルートを確認するために、逐一止まらなければなりませんでした。スタート直後にいくつかの川を渡りました。私は、ミスコースしていたサンダーランド選手とチャレコ・ロペス選手(KTM)に追いつきました。そのあとは自力でスペシャルステージを走りました。最後の数kmの下り坂ではスロットルを開け続けました。誰にとっても本当に難しい一日でした」
#7 エルダー・ロドリゲス選手(スペシャルステージ3 / 15位、総合14位)「難しいスペシャルステージでした。ミスコースして、正しいルートに戻るのに長い時間がかかりました。しかし、今こうしてビバークに戻ってこられたことには満足しています。今日のレースでは負けましたが、まだまだばん回できる位置にいます」
#10 パウロ・ゴンサルヴェス選手(スペシャルステージ3 / 66位、総合28位)「私は標高4500m地点でベン・グラハム選手(KTM)と一緒にいました。正しいルートを見つけることができなかったのです。グラハム選手は正しくはないルートを選択したのですが、私たちも彼についていきました。とにかくルートを探すのに長い時間を費やしてしまいました。今日のロスで優勝争いが難しくなったことを理解しています。これからはホアン・バレダ選手をサポートすることに集中します」
#18 サム・サンダーランド選手(スペシャルステージ3 / 75位、総合30位)「ステージを先頭でスタートしましたが、急斜面で落下してしまい、正しいルートを探すのに時間がかかってしまいました。標高4000mの高地では方向感覚もおかしくなります。負傷したルーベン・ファリア選手(KTM)を助けるために、ヘリコプターを待っていたゴンサルヴェス選手を見つけました。そのあとは彼と一緒に走りましたが、何度もミスコースしてしまいました。私たちはこの経験を次に生かさなければなりません」
1月8日(水)
第4ステージ サン・フアン~チレシト
リエゾン:210km スペシャルステージ:353km 合計: 563km
二輪ライダーたちの戦略が試される第4ステージ。序盤は高いナビゲーション能力が必要となります。そして、このマラソンステージ2日目は、初日に摩耗したタイヤがライダーたちを苦しめることになります。これだけ長いステージを参加者が経験するのは、かつてモロッコのズエラット~ティチト間で行われたダカールラリー2005の第7ステージ以来となります。コースは川を越え、西部劇の舞台のような谷を下ります。高速走行で時間差を詰めることが可能となるルート上では、オーバーテイクをかけてくるライバルたちにも注意が必要です。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | 03:47:03 |
2 | 1 | C.デプレ | ヤマハ | +00:04:41 |
3 | 2 | M.コマ | KTM | +00:06:56 |
4 | 22 | A.デュクロ | シェルコ | +00:10:51 |
5 | 9 | D.カストゥー | KTM | +00:11:17 |
15 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:37:36 |
17 | 29 | ジェアン・アゼヴェド | Honda | +00:42:26 |
20 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +00:55:59 |
57 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +02:02:20 |
66 | 10 | パウロ・ゴンサルヴェス | Honda | +02:13:56 |
75 | 18 | サム・サンダーランド | Honda | +02:28:06 |
78 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +02:35:41 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | 09:56:44 |
2 | 1 | C.デプレ | ヤマハ | +00:13:04 |
3 | 2 | M.コマ | KTM | +00:13:56 |
4 | 22 | A.デュクロ | シェルコ | +00:16:38 |
5 | 5 | C.ロペス | KTM | +00:18:39 |
14 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:58:41 |
16 | 29 | ジェアン・アゼヴェド | Honda | +01:15:21 |
20 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +01:38:19 |
28 | 10 | パウロ・ゴンサルヴェス | Honda | +02:22:06 |
29 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +02:29:51 |
30 | 18 | サム・サンダーランド | Honda | +02:30:39 |
50 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +03:25:58 |