2013年1月7日(月)ダカールラリー 第3ステージ
ピゾリト選手、難しいステージでトップ10フィニッシュ
ロドリゲス選手、キャンベル選手はトラブルで後退
1月7日、第3ステージを迎えたダカールラリーは南下し、地上絵でおなじみのナスカを目指す343kmで行われました。ピスコのキャンプから短いリエゾン(移動区間)を経て、243kmのスペシャルステージ(競技区間)を走り、再びナスカまでリエゾンを走るもので、ダカールラリーの1日としては距離的に長くはありません。
ステージ:移動区間(リエゾン)100km、競技区間(スペシャルステージ)243km
主催者が用意した243kmのスペシャルステージは、比較的アベレージスピードの高く保てる地形と、砂が柔らかく走破するのが難しい砂丘群を複数組み合わせたものでした。このステージは、アフリカ時代のダカールラリーでいつもドライレースの舞台となっていたサハラ西側に広がるモーリタニア砂漠を思わせました。ナスカまでの砂丘群は、いとも簡単にマシンの推進力を奪い、スタックさせます。同時に砂漠の熱暑がライダーたちの体力を消耗させ、昨日同様、ダカールの試練と戦うことになりました。
この難しい条件の中、2位のパウロ・ゴンサルヴェス選手(ハスクバーナ)、3位のシリル・デプレ選手(KTM)を抑え、第3ステージを制したのはフランシスコ・ロペス選手(KTM)でした。ロペス選手は早くも2013年のダカールラリーで2度目のステージウインを飾りました。
総合順位では、デプレ選手(KTM)が総合2位のロペス選手(ハスクバーナ)に2分51秒の差、3位ウルバルセター選手(KTM)に4分59秒の差をつけてトップに立ちました。
CRF450 RALLYを走らせるTEAM HRCの3人のライダーたちは、それぞれ明暗を分けることとなりました。ハビエル・ピゾリト選手はトップから7分39秒差の10位でフィニッシュ。
エルダー・ロドリゲス選手は砂丘地帯に入ると、ライバルであるデプレ選手を捕らえる猛プッシュをみせましたが、そのあとCRF450 RALLYを燃料系トラブルが襲い、20分もの時間をロス。ステージを33位で終えました。ジョニー・キャンベル選手も不運に見舞われました。ステージ開始からおよそ20km地点でメカニカルトラブルを抱え、その修復のために大きく遅れてしまいました。さらにその修理中、ナスカ砂漠の気温に体力も奪われてしまい、158位という結果でした。
第3ステージを終えた段階で、ピゾリト選手は総合で21位につけます。第2、第3ステージでのトラブルで時間をロスしたロドリゲス選手は、総合首位のデプレ選手(KTM)から24分58秒差で総合28位。第2ステージを終えた段階で35位だったキャンベル選手は146位へと順位を落としています。
明日の第4ステージは、ナスカからアレクイパを目指します。リエゾン429km、スペシャルステージ289km、走行距離718kmとダカールらしい長い1日が待っています。

STAGE 3 選手・スタッフへのインタビューなど
(3分22秒)

(3分10秒) ※動画内の順位は暫定版です。詳細はレースレポートをご確認ください。
ハビエル・ピゾリト選手(スペシャルステージ3 / 10位、総合21位)「今朝のスタートは50番目でしたから、スタート直後は前走車がたてるホコリやフェシフェシ(沈殿土が細かく砕かれたパウダー状のもの。液体のように轍を覆い、路面コンディションをつかみにくくし、滑りやすくする。舞い上がることで濃霧のように視界も奪う)が酷く、ポジションを上げるために走行ラインを少しずらしてプッシュしました。これが正解で、攻め続けた結果、スペシャルステージを10位で終えることができました。このステージは固い路面、ハイスピードなコース、広く柔らかい砂丘、そしてフェシフェシとさまざまな路面状況を織り交ぜたものでした。明日は自信を持って挑みます。TEAM HRCのためにいい成績を残すことが目標です」
エルダー・ロドリゲス選手(スペシャルステージ3 / 33位、総合28位)「私にとって、今日は別の意味で難しい1日でした。ステージ序盤、ホコリとフェシフェシで思いきり攻めることができませんでした。そのあと砂丘地帯に入り、プッシュし続け、デプレ選手をパスでき、今日はいいポジションでフィニッシュできると思いました。しかし、また燃料系のトラブルに見舞われ、その修復に約20分間もロスしました。本当に残念ですが、ダカールは長くチャンスがなくなったわけではありません。私達のチームは、最善の解決策を見つける努力をしています」
ジョニー・キャンベル選手(スペシャルステージ3 / 158位、総合146位)「今日は短い日になるだろうと思っていました。でも、私にとってはとても長い1日になりました。ステージの前半から、マシンの調子があまりよくありませんでした。20km地点でマシンを止め、原因が燃料ポンプであることを突き止め、その交換をしなければならなくなりました。この作業に長い時間を費やしました。スペシャルステージの140km地点を過ぎたあと、再びマシンと悪戦苦闘しなければならなかったのです。無事にビバークに帰り着くために慎重にライディングしなければなりませんでした」
ヘンク・へレガース|TEAM HRCマネージャー「TEAM HRCにとって、特にエルダーにとっては難しいスタートとなりました。第2ステージ、第3ステージは深い砂丘と高い気温の中を走る厳しいルート設定でした。私達は起こったトラブルの情報を分析し、エルダー、ハビエルそしてジョニーが乗るCRF450 RALLYのコンディションが最善になるように努力をします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | F.ロペス | KTM | 02:37:54 |
2 | 20 | P.ゴンサルヴェス | ハスクバーナ | +00:01:08 |
3 | 1 | C.デプレ | KTM | +00:04:08 |
4 | 17 | A.ボッツーリ | ハスクバーナ | +00:05:05 |
5 | 18 | J.プシゴンスキ | KTM | +00:05:20 |
10 | 30 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +00:07:39 |
33 | 3 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:25:24 |
158 | 33 | ジョニー・キャンベル | Honda | +04:19:39 |
総合順位
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | C.デプレ | KTM | 06:15:03 |
2 | 7 | F.ロペス | KTM | +00:02:51 |
3 | 8 | P.ウルバルセター | KTM | +00:04:59 |
4 | 9 | O.ペイン | ヤマハ | +00:06:03 |
5 | 10 | D.カストー | ヤマハ | +00:06:08 |
21 | 30 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +00:21:06 |
28 | 3 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:24:58 |
146 | 33 | ジョニー・キャンベル | Honda | +04:30:44 |