FIM CEVレプソルインターナショナル選手権(CEV)第6戦のMoto3クラスは2レースで開催されました。予選ではアーロン・ポランコ(LEOPARD JUNIOR TEAM)がポールポジションを獲得し、2番手には小椋藍(Asia Talent Team)がつけました。真崎一輝(Asia Talent Team)は13番手となりました。
レース1は波乱のオープニングとなりました。スタートを待つ間にエンジンが止まってしまった小椋はグリッドからピットへとマシンを運び、ピットスタートとなりました。さらにもう一台、ピットへ移動するマシンがあり、2台のグリッドが空いたままでシグナルグリーン。そこで飛び出したのは、アロンソ・ロペス(Junior Team Estrella Galicia 0,0)でした。トップに立ったロペスはペースアップし、それを大きな集団が追いかけます。2番手にはデニス・フォッジャ(KTM)がつけ、その集団から2台が接触を起こし、1台は転倒、もう1台はコース復帰と、開始早々から波乱が続きます。
その後、ロペスとフォッジャ、そしてビセンテ・ペレス(KTM)がトップ争いを繰り広げ、そこに加わろうと真崎が追いかけます。トップ争いに加わった真崎は一気に3番手まで浮上しますが、激しいバトルが繰り返され、再度4番手に後退。一進一退のバトルを展開します。このタイミングで、転倒車がコース上に残った影響でイエローフラッグが振られ、先行車を抜くことができなくなりましたが、マシンが撤去されると、再び真崎は3番手に浮上し、追撃を開始します。
真崎は果敢に挑み一時トップに躍り出ますが、すぐに抜き返され、フォッジャ、ロペス、ペレス、真崎というオーダーで争いが続きます。さらに、その集団の背後にポランコが迫ります。トップ争いは5台となり、激しいバトルが最終ラップまで続きましたが、最終的にロペスが戦いを制して優勝。フォッジャが2位、真崎は3位に入りました。ピットスタートとなった小椋は周回遅れとなりましたが、追い上げをみせ、12位でチェッカーを受けました。
レース2も序盤から転倒車が出る波乱のレースとなりました。序盤はロペスが首位に立ち、それにフォッジャ、ペレスが続き、ジャウメ・マシア(KTM)、小椋、真崎らが追いかけトップ争いは8台から10台へと増え、数珠つなぎとなりました。ロペスはレース1と同様にレースを引っ張り、2番手以下を引き離しにかかります。マシアがロペスに迫るなど、次々とオーダーが変化し、目まぐるしく順位を入れ替えながら、トップ争いが繰り広げられました。
各コーナーでポジションを入れ替え、トップに立ったフォッジャの背後にロペスがピタリとつけ、その後ろにポジションアップした小椋が迫ります。その小椋は7ラップ目についにトップへ浮上。しかし、トップ集団は10台と変わらず、僅差の集団は各コーナーでアプローチを変えながらバトルを繰り広げました。9ラップ目にフォッジャが再び首位に立ちます。その集団から転倒車が出て、トップ争いは9台に。小椋も真崎も懸命に上位を目指しました。その激しい首位争いに加わっていた真崎は最終ラップに追突され、転倒してしまいます。さらにトップ争いの3台が最終コーナーで絡んで転倒。難を逃れた小椋がトップに立ち、うれしい初優勝のチェッカーを受けました。
小椋藍(12位/優勝)
「今回は路面が全面張り替えられていて、ライディング、セッティングに苦しんだ週末でした。午後は気温が上がり、風も出てきてしまうので、予選は朝がタイムの出しどきだと思っていました。クリアラップの取れた1周を上手くまとめることができ、2番手で終えられました。午後はレースに向けたタイヤ選択のために走り、アベレージもよかったです。最後にアタックをしたところでフロントから2度目の転倒をしてしまいました。金曜日、予選の中でもフロントの問題を改善するため、セッティングを試してきましたが変化はなく、不安を抱えたまま決勝を迎えることになりました。ですが、アベレージタイムには自信がありました。レース1は、スタート直前に自分のミスから招いたトラブルによりエンジンが止まってしまいました。ピットレーンからのスタートで追い上げのレースとなり、12位でチェッカー。トップグループよりもレースアベレージは高かったので悔しく、申し訳ない気持ちでした。気持ちを切り替え臨んだレース2は、スタートから余裕を持って走れました。落ち着いて、ほかのライダーの動きや自分のマシンの状況など見ることができていました。ラスト3周に自分の理想とするポジションに行こうとしましたが失敗し、ラストラップへ突入。目の前で接触転倒があり少しトップ3と間隔ができてしまいました。この差を最終コーナーまでに詰め切ることができなかったのですが、前の3台が転倒し、1位でチェッカーを受けることができました。セッティングに苦しみ転倒も多く、チームスタッフにも迷惑をかけてしまった難しい週末でしたが、最後に優勝で終われて本当によかったです。転倒しても毎回毎回、完ぺきに直して、セッティングもいろいろ考えてくれたスタッフたちには本当に感謝しています。今回の週末は課題が多く見つかったので、次戦に向けて改善していきたいと思います」
真崎一輝(3位/リタイア)
「今回のサーキットは、レッドブル・ルーキーズカップでも走ったこともあり、気持ち的にはとても楽に走ることができました。調子はとてもよくて練習から1人で攻めることができ、タイムアップしました。しかし、2日目の練習で転倒してしまい、少し調子を崩してしまいました。そのせいで、予選を最初から攻めることができませんでした。ミスなどをしてしまい13番手スタートになってしまいました。レース1ではとにかく前に早くいきトップについていく作戦でした。実際のところ、その通りにうまくできました。スタートが決まり、たくさんのライダーを抜きトップグループに追いつくことができました。ラストラップに2番手に上がることができましたが抜いた後にミスをしてしまい、トップとの差が開いてしまいました。さらに最終コーナーで抜かれて3位でした。レース2でも前に早くいき、トップグループでバトルする作戦でした。レース2も作戦通りにラストラップまで、トップグループでバトルができましたが、後続のライダーに追突され転倒、リタイアとなりました。転倒していなかったら表彰台に乗れていたかもしれなかったのでとても悔しかったです。しかし、調子がよくていいフィーリングだったので、この感じをキープし、次に繋げていきたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 16 | 29'03.634 |
2 | 71 | D.フォッジャ | KTM | 16 | +0.089 |
3 | 31 | 真崎一輝 | ![]() | 16 | +0.247 |
4 | 47 | アーロン・ポランコ | ![]() | 16 | +0.469 |
5 | 63 | V.ペレス | KTM | 16 | +0.534 |
6 | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 16 | +3.927 |
8 | 86 | チャーリー・ネスビット | ![]() | 16 | +4.577 |
12 | 32 | 小椋藍 | ![]() | 16 | +8.604 |
13 | 35 | ソムキャット・チャントラ | ![]() | 16 | +9.080 |
17 | 9 | カスマ・カスマユディン | ![]() | 16 | +21.813 |
20 | 55 | ヤリ・モンテッラ | ![]() | 16 | +21.948 |
21 | 34 | アンディ・イズディハール | ![]() | 16 | +22.443 |
25 | 27 | マティア・カサデイ | ![]() | 16 | +29.407 |
RT | 28 | ロラン・ファバル | ![]() | 6 | - |
RT | 14 | セルヒオ・ガルシア | ![]() | 4 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 32 | 小椋藍 | ![]() | 16 | 29'08.055 |
2 | 63 | V.ペレス | KTM | 16 | +0.868 |
3 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 16 | +1.117 |
4 | 73 | D.ピッツォリ | KTM | 16 | +1.199 |
5 | 69 | R.スキナー | KTM | 16 | +2.761 |
6 | 22 | A.ウォンタナオン | KTM | 16 | +5.860 |
7 | 35 | ソムキャット・チャントラ | ![]() | 16 | +7.494 |
14 | 55 | ヤリ・モンテッラ | ![]() | 16 | +25.202 |
15 | 34 | アンディ・イズディハール | ![]() | 16 | +30.300 |
16 | 27 | マティア・カサデイ | ![]() | 16 | +30.324 |
17 | 28 | ロラン・ファバル | ![]() | 16 | +32.141 |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 15 | - |
RT | 31 | 真崎一輝 | ![]() | 15 | - |
RT | 86 | チャーリー・ネスビット | ![]() | 8 | - |
RT | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 2 | - |
RT | 47 | アーロン・ポランコ | ![]() | 2 | - |
RT | 9 | カスマ・カスマユディン | ![]() | 0 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 71 | D.フォッジャ | KTM | 156 | |
2 | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 96 | |
3 | 63 | V.ペレス | KTM | 96 | |
4 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 95 | |
5 | 31 | 真崎一輝 | ![]() | 83 | |
6 | 14 | セルヒオ・ガルシア | ![]() | 80 | |
8 | 32 | 小椋藍 | ![]() | 56 | |
10 | 33 | 國井勇輝 | ![]() | 41 | |
11 | 47 | アーロン・ポランコ | ![]() | 39 | |
16 | 55 | ヤリ・モンテッラ | ![]() | 27 | |
18 | 86 | チャーリー・ネスビット | ![]() | 24 | |
19 | 34 | アンディ・イズディハール | ![]() | 23 | |
20 | 35 | ソムキャット・チャントラ | ![]() | 20 | |
29 | 9 | カスマ・カスマユディン | ![]() | 6 | |
30 | 27 | マティア・カサデイ | ![]() | 6 | |
35 | 28 | ロラン・ファバル | ![]() | 3 |