FIM CEVレプソルインターナショナル選手権(CEV)の第5戦は、当初の予定では9月3日(日)の開催でしたが、7月23日に変更されました。開催場所は変わらずにポルトガルのエストリル・サーキット。決勝日は晴天となりましたが、強い風が吹きつけつるコンディションで、Moto3クラスは1レースのみが行われました。
今大会では、ケガで欠場していた小椋藍(Asia Talent Team)が復帰しました。小椋は予選3番手でフロントローを獲得。國井勇輝(Asia Talent Team)は5番手で2列目、真崎一輝(Asia Talent Team)は8番手で3列目からのスタートとなりました。
決勝では、小椋が好スタートを切ってトップに立ちます。直後に多重クラッシュが発生し、3台が激しく転倒してグラベルに投げ出されますが、レースは続行。デニス・フォッジャ(KTM)が小椋をかわしてトップに浮上すると、小椋、アーロン・ポランコ(LEOPARD JUNIOR TEAM)、國井、真崎らが数珠つなぎの集団となって追いかけました。その後、ポランコがフォッジャをかわしてトップに立ち、後方で小椋と、ファステストラップを叩き出した真崎が3番手争いを繰り広げました。
やがてトップ集団は複数台に膨らみ、接近戦を繰り広げながら周回。フォッジャがトップを再び奪い、ポランコ、小椋、真崎、國井らが追いかけました。
そんな中での7ラップ目、トップ争いに加わっていた國井が転倒。右手を痛めてしまい、そのままリタイアとなりました。こうして、トップ争いは4台に。小椋はポランコを捕らえて2番手に浮上し、真崎も果敢なトライを見せますが、ラインを外してトップ争いから少し遅れてしまいました。そしてジャウメ・マシア(KTM)が真崎の背後につけたことで、トップ争いは5台に。直後、真崎がまたもファステストラップを記録して3番手に浮上し、小椋は5番手へと後退しました。
その後も真崎は好走し、トップを争うフォッジャとマシアに追いつくと、しばらくマークして周回を重ねたあと、マシアをかわして2番手に浮上。小椋が3番手となります。トップ争いは激しさを増しますが、フォッジャが逃げきり、真崎は僅差の2位、小椋が3位となり、2人にとって初の表彰台を獲得しました。
真崎一輝(2位)
「今回のサーキットは、みんな初めてのサーキットで、気持ち的には同じ条件なので、しっかり戦いたいという思いが強く、少し緊張しました。練習の初日はコースに慣れることから始め、2日目は、風がとても強くなかなかタイムが出せずにいましたが、予選では、序盤から攻めました。タイムはある程度まで出せたのですが、アタックしようとソフトタイヤを投入したときにタイムを出せなかったので、納得できませんでした。でも決勝レースでは、序盤からペースがよく、てうまく攻められました。前半は、グループでの争いになりましたがトップのライダーのペースがよかったので、2番手をキープして2台で逃げることができました。ラストラップのシケインで抜こうとしたのですが、抜ききれず、2位でした。勝てなかったことは残念ですが、自分的にはCEVで初めての表彰台だったので、とてもうれしいです。今回うまくいったのは、フリー走行でレースシミュレーションができ、レースに合ったタイヤを決められたからです。今回のレースで自信がついたので、次のレースもこの調子でがんばります」
小椋藍(3位)
「復帰に向けて、出発前の土曜日と日曜日にモタードバイクで練習をしました。その時点でケガをしたヒジに問題がなかったので、安心してレースへと向かいました。今回のサーキットは初めて走るサーキットでしたが、木曜日から走行があり、予選までにはいろいろと試せました。走り始めからマシンの感じがよく、自分のライディングに集中できました。コースのラインや路面の理解を早い段階で終わらせることができ、ペースも悪くはありませんでした。金曜日は路面の状況や2日目ということもあり、大幅にタイムを上げられました。それにセッティングを少し変えてもらって、フィーリングが向上しました。レースに向けたタイヤ選択も決まって、準備が順調に進みました。ウイークを通して風が強く、タイムを出すなら午前中だと思っていたので、土曜日は午前の予選1が勝負でした。予選1は最初、ミディアムタイヤで感じをつかみ、ラストアタックはソフトタイヤで勝負しました。最後にうまくまとめることができ、3番手になりました。午後の予選2は、やっぱり風が増して、タイムを出しづらい状況でした。風が強い中でもマシンの感じはよく、予選2はトップタイムで終えられましたが、総合タイムで3番グリッドが決定しました。ですが、どんなコンディションでもタイムはよかったので自信はありました。決勝日のウォームアップ走行でもいいアベレージで周回でき、レースへの準備は整っていました。木、金、土曜とタイヤテストをした結果、ソフトタイヤの方がフィーリングがよく、終盤になってもグリップが落ちなかったのでそれで走ることに決めました。レースは序盤からハイペースで、トップグループは早い段階で5台に絞られました。レース中盤、3番手争いが激しくなってしまい、トップ2と差が少し開いてしまいました。この差を詰めていきたかったのですが、自分にそこまでの余裕はなく、難しい状況でした。3台による3番手争いはレース終盤に1台が遅れ、最終ラップに1台が転倒。自分は大きなミスなく走りきり、3位表彰台を獲得できました。今回はウイークの始めからの流れを崩さず、レースに臨めたのはよかったです。しかし、最後に差を詰めきれなかったところなどは、次戦に向けての大きな課題となりました。復帰戦にして自己最高位を獲得できたのは、次への自信になりました。完ぺきなマシンで自分を迎えてくれたスタッフたちに心から感謝しています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 71 | D.フォッジャ | KTM | 17 | 30'23.649 |
2 | 31 | 真崎一輝 | ![]() | 17 | +0.147 |
3 | 32 | 小椋藍 | ![]() | 17 | +1.494 |
4 | 5 | J.マシア | KTM | 17 | +2.936 |
5 | 55 | ヤリ・モンテッラ | ![]() | 17 | +24.657 |
6 | 20 | J.ガルシア | KTM | 17 | +24.723 |
7 | 86 | チャーリー・ネスビット | ![]() | 17 | +29.898 |
8 | 14 | セルヒオ・ガルシア | ![]() | 17 | +36.505 |
10 | 9 | カスマ・カスマユディン | ![]() | 17 | +38.097 |
11 | 27 | マティア・カサデイ | ![]() | 17 | +38.132 |
12 | 82 | ステファノ・ネパ | ![]() | 17 | +38.315 |
13 | 28 | ロラン・ファバル | ![]() | 17 | +38.948 |
RT | 47 | アーロン・ポランコ | ![]() | 16 | +1Lap |
RT | 33 | 國井勇輝 | ![]() | 5 | +12Laps |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 2 | +15Laps |
RT | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 1 | +16Laps |
RT | 34 | アンディ・イズディハール | ![]() |
- | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 71 | D.フォッジャ | KTM | 136 | |
2 | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 86 | |
3 | 14 | セルヒオ・ガルシア | ![]() | 80 | |
4 | 5 | J.マシア | KTM | 75 | |
5 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 70 | |
6 | 31 | 真崎一輝 | ![]() | 67 | |
8 | 33 | 國井勇輝 | ![]() | 41 | |
10 | 32 | 小椋藍 | ![]() | 27 | |
11 | 47 | アーロン・ポランコ | ![]() | 26 | |
12 | 55 | ヤリ・モンテッラ | ![]() | 25 | |
17 | 34 | アンディ・イズディハール | ![]() | 22 | |
19 | 86 | チャーリー・ネスビット | ![]() | 16 | |
23 | 35 | ソムキャット・チャントラ | ![]() | 8 | |
25 | 9 | カスマ・カスマユディン | ![]() | 6 | |
26 | 27 | マティア・カサデイ | ![]() | 6 | |
28 | 82 | ステファノ・ネパ | ![]() | 5 | |
32 | 28 | ロラン・ファバル | ![]() | 3 |