「CB」たる存在感を、時代が求めるプロポーションに再構築。フラッグシップモデルにふさわしい風格と軽やかさが調和した新しいCB1000Fのデザインが誕生した。モチーフとしたのは往年のCB750F/CB900F。フューエルタンクからサイドカバーを経てリアカウルへとつながるラインと、一体的に連続させたサーフェスを中心とした流麗なスタイリングを特長とする。ディテールはLEDヘッドライトと2連のホーンをレイアウトした風格漂うフロントマスク、ワディング加工を施したダブルシート、リアエンドにかけて軽やかに流れるテールデザインなど、すべての造形に強い意思が貫かれている。
トラディショナルなプロポーションをさらに引き立てるヘッドライトカウルの他、以下を追加/変更により外観仕様と装備でネイキッドモデルとはひと味ちがう個性が、オーナーのこだわりを満足させ所有する歓びを高める。ボディーカラーはWolf Silver Metallic(ブルーストライプ)を設定、専用カラーステッチシートを除く各アイテムは単品でもオプションとしてCB1000Fにも装着可能。
扱いやすさを追求したエンジンはスーパースポーツモデルのエンジンがベースとなる999cm3・水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒。新設計カムシャフトを採用することで高い運動性能だけでなくゴー/ストップを繰り返す市街地でも扱いやすい出力特性を目指した。吸・排気系では専用設計されたエアファンネルや3室構造マフラーにより、低中速域でのトルクフルな走りとパルス感のある低音、そしてエンジン回転の上昇とともに高まる官能的な直4サウンドを追求した。
吸気系では、専用設計したカムシャフトとあわせて、エアファンネルを専用設計し、低中回転寄りの性能を充実。ファンネル長を140㎜、最小絞り径をφ36に設定することで常用域である6000rpm以下でのスロットルレスポンスとトルク感向上をさせた。ファンネル入口径を左右2気筒ごとにそれぞれφ50、φ40と個別に設定することでスロットル操作にリンクした鼓動感のある吸気音を演出。さらに、燃料タンク形状に併せてエアクリーナーボックス上面をスムージングし、必要なボックス容量確保と吸気抵抗低減を実現。
排気系は、直列4気筒エンジンならではの高回転時のサウンドに加え、低中回転時でも味わいのあるサウンドを実現しながらトラディショナルなスタイルと調和するボリュームのマフラーを採用。左右2気筒ごとのバルブタイミングをずらしたことによる排気圧力コントロールで得られたパルス感のあるサウンドを原音として、3室構造のマフラーではそれを活かすように内部の部品配置や構成を作り込み、CBのトップモデルにふさわしい官能的な直4サウンドを追求。
1、2速をローレシオ化することで、駆動力を高めるとともに低速時の取り回し性を向上。一方、3速から6速はハイレシオ化することで高速巡行時のエンジン回転数を抑え、穏やかで落ち着いたフィールを提供。これにより過度に回すことをライダーに求めない性格とし、気負わず扱いやすい出力特性とした。
クラッチレバー操作荷重を軽減するアシスト機能と、シフトダウンに伴う急激なエンジンブレーキによる後輪ホッピングを軽減するスリッパー機能を備えたアシスト&スリッパー®クラッチを採用。クラッチレバー操作荷重の低減により、ゴー/ストップの多い市街地や渋滞時からロングツーリング時など様々なシーンにおける疲労軽減に寄与するとともに、急激なエンジンブレーキ発生時に適切にクラッチを滑らせることでリアタイヤロックを低減し、ライディングの安心感を向上。
*「アシスト&スリッパ―」は株式会社エフ・シー・シーの登録商標です。
ライダーとの親和性を重視し、サイドカバーからシート前端にかけて幅を絞った車体形状や795㎜のシート高、足を下ろしやすいステップ位置など足つき性に配慮。厚みのあるシートクッションや膝まわりのゆとり確保など快適性も追求。アップライトなライディングポジションで市街地から長距離までストレスフリーな乗り心地を実現。
CB1000Fのフレームボディは、優れたハンドリング性能を備えたスポーツバイクとしての運動性能を担保。そのダイヤモンドフレームは、合理的な構成から得られる十分な剛性とともにスチールならではのしなやかな特性が唐突な車体挙動を抑え、予見性に富んだフィールを生み出す。CB1000Fではより幅広い使い勝手を想定してシートレールを専用設計することでタンデムライディング時の居住性向上やツーリング時の積載性向上を図り、走りそのものだけでなく「乗車体験の価値」も考慮。さらにオプションとしてメインスタンドの装着を可能とすることでメンテナンス性にも配慮。
スイングアームは、アルミダイキャスト製左右非対称形状の物を採用。これによりマフラーとのクリアランス最小化を図り、マスを車体中心に寄せて運動性能を高めるとともに十分なバンク角を確保。ダイキャストの成形性を活かして軽量かつ高剛性に仕上げ、路面追従性、および高速走行時の車体安定性を確保している。
しなやかでストローク感を得やすいサスペンション特性とすることで日常使いを中心とした素直なハンドリングと軽快性、乗り心地を追求。フロントサスぺンションは摺動抵抗と重量を抑えたショーワ(Astemo株式会社)製SFF-BP*(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)倒立タイプを採用。伸び側、圧縮側の減衰力とプリロード調整機構を装備することで、ライダーの好みやシチュエーションに合わせた設定にすることを可能にした。リアサスペンションには、新設計された分離加圧式シングルチューブタイプのクッションユニットと併せて専用リンクレシオを採用。この構成により、素直なハンドリングと軽快性、乗り心地の良さに大きく貢献する。
*「SFF-BP」はAstemo株式会社の登録商標です。
フロントブレーキはφ310㎜のフローティングダブルディスクと、NISSIN(Astemo株式会社)製対向4ポットラジアルマウントキャリパーを採用。リアブレーキはφ240㎜シングルディスクとNISSIN(Astemo株式会社)製1ポットキャリパーを採用。ブレーキホースの膨張率変更など細部にわたるセッティングを施し、入力時の剛性感や過渡特性など制動フィールを追求、CB1000Fの走りを安心して楽しめる扱いやすい特性。CB1000Fでは、6軸IMUでサポートされるコーナリングABSを搭載し、幅広いシチュエーションでの安心感を向上。
6軸IMUを採用することでより正確なピッチング、ロール、ヨーの車体姿勢検知を可能とし、スロットルバイワイヤシステム(TBW)や、コーナリングABSなどの制御技術の精度を高めることに貢献。
CB1000Fでは6軸IMUが検知する高精度な車体姿勢情報によって制御されるコーナリングABSを採用。コーナリング中のブレーキ操作に起因する思わぬ車体挙動をを抑えて、ワインディングやその路面状況などをはじめとして様々なコンディション下でのライディングに大きな安心感を提供。
*コーナリングABSはあくまでもブレーキ操作を補助するためのシステムです。制動時には前・後輪のブレーキを同時に操作することがブレーキングの基本です。また ABS 機能は制動距離を短縮させるためのシステムではありません。ABS を装備していない車両と同様に、コーナー等の手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは制御できません。
CB1000FではTBWによるスロットルバルブ開度制御を採用し、上質で安定感のあるスロットル操作フィールの実現に貢献。また、これによりライディングモード(次項)などの制御デバイス適用を可能としている。このTBWの採用によりCB1000Fは走りのキャラクターを拡大し、幅広いシーンとライダーの嗜好にフィットさせることでファンライドを支えている。
市街地からワインディングまで幅広いシチュエーションや路面状況に合わせて好みの走りを選択できるライディングモードを搭載。ライディングモードSTANDARD、SPORT、RAINの3モード に加え2種類のユーザーモードを登録可能。
STANDARD:キャブレター車のレスポンスをイメージしたモード。走行シチュエーションを限定しない乗りやすい特性。
SPORT:スロットルレスポンスを高めた、ビッグバイクらしいパワー感をより楽しめるモード。
RAIN:STANDARDより穏やかなスロットルレスポンスとパワー特性で、滑りやすい路面での安心感を高めるモード。
USER1、2:パワーセレクター(P)、Hondaセレクタブルトルクコントロール/ウィリー制御(T)、セレクタブルエンジンブレーキ(EB)の各制御レベルを任意に組み合わせ、ライダーの好みのキャラクターに合わせた2パターンのモードを設定可能。
メーターには、豊富な情報を高い視認性で伝える5インチTFTフルカラー液晶を採用し、よりライダーの好みに沿った表示を可能としている。ディスプレイタイプはCIRCLE、BAR、SIMPLEの3タイプ、それぞれ背景色WHITE/BLACK/AUTO*から設定可能。表示の切り替えや各操作はハンドル左側のセレクトスイッチで操作可能。
*AUTO :外部環境の明るさによって背景色のWHITE/BLACKを自動表示
バイクとスマートフォンをBluetooth®で接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用可能なホンダ独自のサービス、Honda RoadSyncを標準搭載。ヘッドセットからの音声ガイダンスに沿って左ハンドルの4wayセレクトスイッチを操作することで、ナビゲーション・天気情報・電話・メッセージ・音楽等の機能利用が可能。各情報はヘッドセットからの音声とシンプルなメーター画面表示によりユーザーに伝えられます。ナビゲーションにTurn-by-Turn機能を追加するなど、使い勝手の向上。
※ 運転中のスマートフォン本体の操作はおやめください。
※ Honda RoadSyncのご利用には専用アプリのインストールが必要です。
※ アプリごとにご利用いただけるコンテンツが異なります。
※ Honda RoadSyncの機能に関する詳細および対応OSバージョン、対応アプリについては、Honda RoadSync関連ホームページまたはスマートフォンアプリご案内ページをご覧ください。
※ 全てのスマートフォンでの動作を保証するものではありません。
※ Honda RoadSyncの一部機能のご利用には、市販のバイク対応Bluetooth®ヘッドセット(別売)との接続が必要です。
※ アプリの利用、通信にともなう通信料金はお客様のご負担となります。
※ Bluetooth®は米国Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です。
ポケットなどからキーを取り出さなくても、従来のスイッチ操作(イグニッションのON/OFF、ハンドルロック)が可能なHonda SMART Keyシステムを採用。ウィンカーが点滅し、自車の位置を知らせる機能(アンサーバック)も搭載。キー本体にはジャックナイフ型キーを内蔵し、デコレーションリングをあしらった高級感あふれるデザイン。フューエルキャップとシートは通常のメカキーによる解施錠となります。
CB1000Fでは、すべての灯火器に長寿命省エネルギーのLEDを採用。ヘッドライトはトラディショナルなラウンド形状のシグネチャーライトで囲まれた灯体とし、レンズ内に水平に渡したガーニッシュの上側にロービーム、下側にハイビームを装備。広く奥行きのある配光とすることで夜間走行時の安心感を提供。テールランプはカウル形状と調和するデザインとボリュームのレンズを新設計。
周波数の異なるダブルホーンとホーンカバーをヘッドライト下に配置。往年のCB750F/CB900Fの特徴的な配置を継承。
2050年、Hondaは、環境負荷ゼロの循環型社会の実現に向けて、製品だけでなく企業活動のライフサイクル全体で、地球資源の消費をできる限り削減することを目指し、そのために、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーションの3つの柱(Triple Action to ZERO)に取り組み、バイオマス材の適用やリサイクル材の拡大を推進。2050年には100%サステナブルマテリアルへの転換を目指しています。CB1000Fではこれに伴い、自動車、家電材料などのプレコンシューマーリサイクル材*を破砕/配合設計/コンパウンド/ペレット化し、再度PPとして用いる“プレコンシューマーリサイクルPP(ポリプロビレン)材” をリアフェンダーおよびシート底板に適用。
*プレコンシューマ-リサイクル材:製品になる前の製造過程や整形過程において発生するスプルー/ランナー/パージに用いられた樹脂、打ち捨て品、成型不良品といった「消費者による使用」を経ずにリサイクルされた材料