 |

CARTシリーズのレースできわめて重要な意味を持っているのがピット・ストップだ。CARTのレースは長距離なので、かならず2回はピット・インしないとゴールできない場合がほとんどなのだ。
レース中のピット作業で行える仕事はかなり多い。タイヤ交換、燃料補給だけじゃなく、フロント・ウィングの角度調整もできるし、リヤ・ウィングもガーニー・フラップをパッと入れ替えてサイズを変更できる。その他にも、ドライバーにドリンクを渡したり、ヘルメットのシールドをきれいに清掃したり、サイド・ポッドのラジエター&オイル・クーラー・ダクトにタイヤかすやゴミがつまっている場合はそのクリーニングも行う。
ピット・ストップ要員
ピット・ロード上に出てマシンに作業を施すのは6人で、そのサポートを行うクルーたちが壁の手前側には配置される。
ピット・ロード上で作業するメンバーと仕事内容を紹介する。
フロント・タイヤ・チェンジャーは左右に一人ずつ配置
タイヤ交換のほか、フロント・ウィング調整、場合によってはフロント・ノーズの交換も行う。外側を担当するのはクルー・チーフである場合が多い。作業途中でドライバーがダッシュをしてしまわぬよう、作業がすべて終了するまでマシンの前に立ちはだかる。
リヤ・タイヤ・チェンジャーもフロント同様に左右一人ずつ。
リフューエリングは今年から1人
マシンの真横から燃料を送り込む。ドライバーと同じカラーリングのシールドつきフルフェイス・ヘルメットを被っている場合が多い。去年まではエア・ジャッキおよび燃料タンクの空気抜き担当とコンビを組んで働いていたが、今年はエア・ジャッキ担当がマシン後部に移動。空気抜きも”リフューエル”担当が持つ1本のホースで行えるメカニズムを全員が採用している。
エア・ジャッキ担当は1人
リヤ・ウィングのマウント辺りにジャッキ用ホースをエンゲージさせる。マシンのリヤにこれを持ってくることで、ピット・アウトするマシンにクルーがひかれてしまう心配がなくなった。
外側担当が体力的には一番キツい
重いリヤ・ホイールと重いエア・レンチを持ってピット・ウォールに待機し、マシンが自分の前を通り過ぎたらダッシュ。すばやく作業にとりかかるためにひざからスライディングするように位置につく。内側ホイール担当は外側より早く作業を終えられるので、リヤ・ウィングのガーニー・フラップ交換作業を受け持ったり、作業が終わり次第、ドライバーがエンジン・ストールした時に備えてスターターを構える。
壁の内側からは、ドライバーに長いバーを使ってドリンクを渡す人、ドライバーが正しい位置にマシンを停められるようボードを出す人、タイヤを片付ける人、燃料タンクのコックを閉める人などがいる。
|
 |
|