8月5日から7日までの3日間にわたって、ブランズハッチで第8戦が開催されました。ブランズハッチは、今大会が開幕戦に続く今季2度目の開催。開幕戦はショートコースの「インディ」で行われましたが、今大会はフルコースで熱戦が繰り広げられました。
今大会は土曜日に第1レースを行い、日曜日に第2レースと第3レースを行う変則スケジュール。昨年から実施されている「ザ・ショーダウン」に進出する上位6選手を決める戦いも、今大会と次戦のキャドウェルパークの2戦を残すだけになりました。そのため、「ザ・ショーダウン」進出を目指す選手たちの戦いに大きな注目が集まりました。
7戦を終えて総合首位に立っているシェーン・バーン(HM Plant Honda)は、「ザ・ショーダウン」進出をほぼ確実にしていますが、今大会と次戦キャドウェルパークで計6レースが行われるだけに油断はできません。今大会も気持ちを引きしめ、予選では着実にセッティングを進めて5番手。2列目から決勝に挑むことになりました。
「ザ・ショーダウン」進出に向けて、無理をする必要はありませんが、ミスはしたくないバーン。雨の中で行われた第1レースでは、グリッド上でレインタイヤを選択しました。しかし、雨は上がり、路面が急激に乾いたことで、レース中にピットに戻ってタイヤ交換をすることになって、16位でフィニッシュ。ポイントを獲得することができませんでした。このレースでは、レインタイヤを選択した選手が多く、天候の変化を予想することが、いかに難しかったかということを物語っていました。
このレースでポイント獲得を果たせませんでしたが、タイヤを交換してから翌日の第2、3レースに向けて、好グリッドを得るために全力の走りを見せたバーンは、3番手のベストタイムをマーク。日曜日の決勝は、フロントローから挑むことになりました。そして、時々青空が広がるまずまずの天候となった日曜日の決勝レースでは、好グリッドから猛ダッシュを見せて第2レースで優勝しました。第3レースも連勝を狙いましたが、リアタイヤの振動に苦しみ、確実に走りきって3位となり、総合首位をキープしました。
チームメートの清成龍一は、鈴鹿8時間耐久ロードレースの疲れを見せず、大会初日のフリー走行に挑みました。今大会は、シーズン前半戦に苦戦した理由の一つであるサスペンションのセッティングに集中しました。予選では新しいセットアップにトライしましたが、思うようなタイムをマークすることができませんでした。
そのため予選は18番手。厳しいグリッドから土曜日の第1レースに挑むことになりましたが、バーン同様にタイヤ選択に失敗。レインタイヤからスリックタイヤに交換するため、ピットインしなければならず、17位に終わりました。しかし、スリックタイヤに変更してからは、翌日の第2レースに向けてペースを上げて、4番手となるタイムをマーク。フロントローを獲得しました。
ドライコンディションとなった日曜日の第2レースでは、マシンのセッティングが決まらず12位でフィニッシュ。その雪辱を期した第3レースでは、セッティングを変更してペースを取り戻し、着実に走って6位でチェッカーを受けました。
ランキング5位で今大会を迎えた清成は、3レース中2レースでポイントを獲得することができず、ランキング6位にダウン。第10戦ドニントンパーク、第11戦シルバーストーン、第12戦ブランズハッチの終盤の3戦で行われる「ザ・ショーダウン」に進出するためには総合6位をキープしなければなりません。次戦キャドウェルパークは、清成にとって、とても重要なレースになります。
昨年は、最終戦決着となった「ザ・ショーダウン」で見事チャンピオンを獲得した清成ですので、次戦以降の巻き返しに大きな期待が寄せられます。チームメートのバーンも3回目のタイトル獲得に闘志満々。HM Plant Hondaの両選手の走りに大きな注目が集まっています。
シェーン・バーン(16位/優勝/3位) 「2列目スタートで迎えた第1レースは、悪いポジションではありませんでしたが、レースではタイヤの選択を間違えてしまい、苦戦することになりました。ピットに戻りレインタイヤからスリックに変えました。それからは、次のレースのグリッドを確保するために全力を尽くしました。そのため、第2レースはまずまずのグリッドを獲得することができました。第1レースがノーポイントでしたので、第2レースは優勝だけを狙っていました。第3レースも優勝を狙っていましたが、リアタイヤから振動が出て、なかなかペースを上げられず、このレースは3位でよしとしました。今回は、とにかくいろいろなことがあって、まるでドラマを見ているようでした。第1レースのドタバタでは、メカニックがすばらしい仕事をしてくれました。日曜日は、みんながマシンを調整してくれてよくなりました」
清成龍一(17位/12位/6位) 「今回は、これまでの問題を解決するために新しいセッティングにトライしました。しかし、それがうまくいかなくて、予選は18番手と厳しい結果に終わりました。今回は土曜日に第1レースがあって、日曜日に第2レースと第3レースを行う変則スケジュールでした。土曜日の第1レースはウエットからドライになる難しいコンディションで、他の多くのライダーと同じようにタイヤの選択を間違ってしまいました。タイヤを交換するためにピットに戻り、大きく遅れてしまいました。そこからは、日曜日のレースのためにタイムを更新して、なんとかフロントローに並ぶことができました。日曜日のウォームアップでは、セッティングを変更しましたが、フロントのフィーリングが改善せず、第2レースも思うように走れませんでした。第3レースはセッティングを変更してだいぶんよくなりましたが、ここまでの2レースでノーポイントでしたので慎重になりました。プッシュしすぎて転倒したくありませんでしたし、きっちりとポイントを取りたかったです。優勝争いに加われずに残念です。次のレースでは絶対に表彰台に立たなくてはいけないです」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 15 | 22:53.718 |
2 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 15 | +2.072 |
3 | 101 | G.メイソン | カワサキ | 15 | +2.322 |
4 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 15 | +6.022 |
5 | 9 | C.ウォーカー | カワサキ | 15 | +8.111 |
6 | 27 | J.ウェストモーランド | ヤマハ | 15 | +10.783 |
7 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 15 | +11.626 |
10 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 15 | +26.227 |
12 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 15 | +50.872 |
14 | 98 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 15 | +53.014 |
16 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 14 | +1Lap |
17 | 1 | 清成龍一 | Honda | 14 | +1Lap |
24 | 16 | ジェームス・エリスン | Honda | 13 | +2Laps |
25 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 13 | +2Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 20 | 29:01.030 |
2 | 33 | T.ヒル | ヤマハ | 20 | +0.580 |
3 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 20 | +1.853 |
4 | 7 | M.ラバティ | ヤマハ | 20 | +4.016 |
5 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 20 | +6.891 |
6 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 20 | +14.036 |
10 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 20 | +17.375 |
11 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 20 | +19.173 |
12 | 1 | 清成龍一 | Honda | 20 | +23.497 |
14 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 20 | +25.740 |
17 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 20 | +42.565 |
19 | 98 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 20 | +42.812 |
DNF | 16 | ジェームス・エリスン | Honda | 0 | - |
レース3
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | T.ヒル | ヤマハ | 20 | 28:55.830 |
2 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 20 | +4.113 |
3 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 20 | +5.236 |
4 | 7 | M.ラバティ | ヤマハ | 20 | +5.409 |
5 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 20 | +10.705 |
6 | 1 | 清成龍一 | Honda | 20 | +11.049 |
9 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 20 | +19.382 |
11 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 20 | +20.559 |
13 | 16 | ジェームス・エリスン | Honda | 20 | +25.497 |
17 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 20 | +35.215 |
18 | 98 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 20 | +43.847 |
DNF | 24 | パトリック・マフ | Honda | 8 | +12Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | シェーン・バーン | Honda | 255 |
2 | J.ホプキンス | スズキ | 231 |
3 | T.ヒル | ヤマハ | 210 |
4 | M.ラバティ | ヤマハ | 163 |
5 | J.ブルックス | スズキ | 146 |
6 | 清成龍一 | Honda | 135 |
10 | ピーター・ヒックマン | Honda | 98 |
15 | ダン・リンフット | Honda | 49 |
18 | グレン・リチャーズ | Honda | 35 |
19 | トミー・ブライドウェル | Honda | 33 |
20 | グレーム・ゴウランド | Honda | 20 |
23 | スティーブ・ブロガン | Honda | 8 |
26 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 8 |
27 | ジェームス・エリスン | Honda | 8 |
31 | パトリック・マフ | Honda | 6 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 303 |
2 | ヤマハ | 290 |
3 | スズキ | 288 |
4 | カワサキ | 196 |
5 | ドゥカティ | 147 |
6 | BMW | 23 |
7 | アプリリア | 5 |