ノックヒルで開催された第5戦は、チャンピオンシップで上位につける3選手の戦いとなりました。その中、総合首位のシェーン・バーン(HM Plant Honda)が第1レースで3位、第2レースで2位に入り、総合首位をキープしました。
第1レースは、トミー・ヒル(ヤマハ)がトップグループをリード。その後方でバーンは、ジョン・ホプキンス(スズキ)とし烈な2位争いを繰り広げ、3位でフィニッシュしました。このレースでバーンは、ランキング2位につけるホプキンスにわずかに点差を縮められます。第4戦を終えた時点で15点だったリードが11点差に縮まりましたが、チャンピオンシップを考慮したバーンは、着実に表彰台に立つことを選択し、総合首位をキープしました。
第2レースでは、再びヒルがレースの主導権を握ります。しかし、バーンは、ランキング3位のヒルとポイントに大差があるため、このレースでも着実に2位でフィニッシュしました。このレースは転倒者が相次ぎ、セーフティカーが2度導入される厳しい戦いとなり、ホプキンスがリタイア。そのため、バーンは総合ポイントで大きなリードを築くことに成功しました。
今大会は、金曜日のフリー走行、土曜日のフリー走行と予選が雨のためにウエットコンディションとなりました。決勝当日は、午前中は雲の多い天候でしたが、次第に青空が広がる絶好のコンディションとなり、ウエットでもドライでも安定した速さを見せたバーンが、タイトル獲得に向けて大きく前進するレースとなりました。5戦10レースを終えて、バーンは172点を獲得。ホプキンスが141点、ヒルが120点となりました。
チームメートの清成龍一は、クロフトとスラックストンの過去2戦、ウエットコンディションで苦戦していました。今大会もフリー走行、予選ではウエットコンディションの中で、なかなかタイムを伸ばせず予選12番手。ノックヒルは、アップダウンに富んだ右周りのシンプルなコースでパッシングポイントが少ないため、予選グリッドが決勝レースに大きく影響します。3列目という厳しいグリッドから決勝に挑んだ清成は、第1レースはドライコンディションのセッティングが決まらず10位でしたが、第2レースでは一気にペースを上げて4位でフィニッシュしました。
過去2戦、厳しい戦いを強いられてきた清成ですが、やっと復活の兆しを見せました。総合ポイントでも7位から6位へと1つポジションを上げ、中盤戦の追い上げに期待が膨らみます。
今大会は32台が出場。そのほかのCBR1000RR勢は、第2レースでピーター・ヒックマン(Tyco Honda)が8位でフィニッシュしました。
シェーン・バーン(3位/2位) 「第1レースで表彰台に立ててすごくうれしいです。ホプキンスの前でフィニッシュできると思っていましたが、リスクを考えて確実にチェッカーを受けることにしました。彼はすばらしいライダーなので、フェアな戦いができました。表彰台に立つことは、チャンピオンシップに向けて重要なことですからね。今週末、チームは一生懸命仕事をしてくれました。天気は変わりやすかったですが、ウエットでもドライでもまずまずの走りができました。第2レースはすばらしいレースになりました。ヒルがいいペースで走っていましたし、彼が逃げきるだろうと思っていましたが、最後まであきらめずにプッシュしました。そうしたらセーフティカーが入り、ホプキンスがリタイアしたことを知りました。優勝を狙いたかったですが、チャンピオンシップを考えると、無理をする必要はありませんでした。そこで、ポイント獲得と表彰台に立つことを選びました」
清成龍一(10位/4位) 「この3日間、天気がとても変わりやすく、とても厳しかったです。フリー、予選はウエットでした。決勝はドライコンディションになったので、第1レースはスリックタイヤのフィーリングに苦戦しました。初めてここで使うタイヤでした。グリップに問題がありましたので、第2レースに向けてチームがリアのセッティングを変えてくれました。すると、だいぶんよくなりました。最終的なマシンのバランスには満足しています。パスする自信も出てきました。過去2戦、クロフトとスラックストンに比べると、かなりいいレースをすることができました。この数戦、ずっと抱えていた問題の解決に一歩前進できたと思います。次のレースでは表彰台に立ちたいです」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | T.ヒル | ヤマハ | 30 | 24:35.133 |
2 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 30 | +8.907 |
3 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 30 | +9.123 |
4 | 101 | G.メイソン | カワサキ | 30 | +15.354 |
5 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 30 | +21.816 |
6 | 7 | M.ラバティ | ヤマハ | 30 | +21.823 |
10 | 1 | 清成龍一 | Honda | 30 | +26.925 |
11 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 30 | +32.340 |
12 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 30 | +32.482 |
13 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 30 | +34.273 |
17 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 30 | +44.400 |
20 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 29 | +1Lap |
21 | 98 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 29 | +1Lap |
22 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 29 | +1Lap |
DNF | 4 | ダン・リンフット | Honda | 15 | +15Laps |
DNF | 19 | スティーブ・ブロガン | Honda | 5 | +25Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | T.ヒル | ヤマハ | 30 | 26:12.073 |
2 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 30 | +2.464 |
3 | 7 | M.ラバティ | ヤマハ | 30 | +2.728 |
4 | 1 | 清成龍一 | Honda | 30 | +10.983 |
5 | 27 | J.ウェストモーランド | ヤマハ | 30 | +17.370 |
6 | 101 | G.メイソン | カワサキ | 30 | +18.557 |
8 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 30 | +20.201 |
15 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 30 | +29.319 |
16 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 30 | +35.162 |
18 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 30 | +35.526 |
19 | 19 | スティーブ・ブロガン | Honda | 30 | +37.008 |
20 | 98 | ジェイク・ゼンケ | Honda | 30 | +40.728 |
21 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 30 | +44.906 |
DNF | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 2 | +28Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | シェーン・バーン | Honda | 172 |
2 | J.ホプキンス | スズキ | 141 |
3 | T.ヒル | ヤマハ | 120 |
4 | M.ラバティ | ヤマハ | 95 |
5 | S.イーストン | カワサキ | 89 |
6 | 清成龍一 | Honda | 84 |
7 | ピーター・ヒックマン | Honda | 79 |
14 | ダン・リンフット | Honda | 45 |
17 | トミー・ブライドウェル | Honda | 33 |
19 | グレン・リチャーズ | Honda | 20 |
20 | スティーブ・ブロガン | Honda | 8 |
28 | パトリック・マフ | Honda | 1 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 199 |
2 | ヤマハ | 179 |
3 | スズキ | 162 |
4 | カワサキ | 135 |
5 | ドゥカティ | 75 |
6 | BMW | 11 |
7 | アプリリア | 5 |