第4戦スラックストンは前戦クロフトに続いて不安定な天候になり、難しいレースとなりました。フリー、予選は天候に恵まれるも、決勝日は朝から雨となり、選手たちにとっては振り出しに戻っての戦いになりました。その中で、開幕戦から3戦連続で表彰台に立ち、総合首位をキープするシェーン・バーン(HM Plant Honda)が第1レースで3位、第2レースで優勝とすばらしい走りを披露しました。
今大会のバーンは、1回目と2回目のフリー走行でトップタイムをマークする絶好のスタート。2日目に行われた3回目のフリーでは2番手へとポジションを落としましたが、全セッションで快調にラップを刻みました。
今季3回目のポールポジション(PP)獲得の期待が膨らんだ予選は、セッション開始直後に痛恨の転倒を喫するハプニング。Q2進出を逃すだけでなく、まさかの最下位33番グリッドとなりました。後方からの追い上げを強いられることになった決勝でしたが、第1レースはウエットという最悪のコンディションの中で30台抜きの3位になる快走。このレースでベストタイムを刻んだバーンは、第2レースはPPから好スタートを切り、2位に10.618秒の大差をつける独走で今季3勝目を達成しました。
バーンはBSBで初タイトルを獲得した2003年にはWウイン、2度目のチャンピオンを獲得した08年は優勝/2位と、スラックストンを得意としています。今大会も、3位/優勝と相性のいいスラクストンで再び好走を披露し、満面の笑みを浮かべていました。4戦8レースを終えて、2位のジョン・ホプキンス(スズキ)に15点差。3位のスチュワート・イーストン(カワサキ)に47点のリード。3度目のタイトル獲得に向けて一歩前進しました。
今季、開幕戦からレースをこなすごとに調子を上げているピーター・ヒックマン(Tyco Honda)は、今季ベストグリッドの予選5番手から決勝に挑み、第1レースで5位、第2レースで初表彰台獲得となる2位でフィニッシュ。これで総合10位から総合6位へとランキングも上げました。
フリー走行から予選にかけて、着実に調子を上げてきた清成龍一(HM Plant Honda)。復調を感じさせる予選6番手から決勝に挑みましたが、ウエットコンディションに苦戦。第1レース10位、第2レース19位と2戦連続で表彰台を逃しました。クロフトではBSB初タイトルを獲得した05年にWウインを達成。以後もコンスタントに表彰台に立ってきたサーキットですが、今大会は思いきった攻めの走りができませんでした。
2戦連続で表彰台を逃したことで、清成は総合4位から総合7位にダウンしました。2戦連続の不調に苦悩の色を濃くする清成。しかし、チームメートのバーンが好調なだけに、次戦ノックヒルに闘志満々。4回目のタイトル獲得に向けて巻き返しが期待されます。
シェーン・バーン(3位/優勝)「ウエットコンディションでこのマシンに乗ったのは初めてでしたが、フィーリングはよかった。しかし今日は視界が悪くて、サインボードを読むことができませんでした。第1レースはスタートラインでチェッカーフラッグを持っているのが見えたので、最終ラップだということだけがわかりました。4人でのし烈な2位争いでしたが、3位が精いっぱいでした。あれ以上プッシュすることはできませんでした。第1レースは後方グリッドから追い上げのレースになりましたが、第2レースはPPからのスタートだったので楽でした。最後まで自分のペースで走ることができました。スムーズだったし、いいリズムで走れました。路面は結構グリップがあったので、もう少しプッシュできたと思います。もっと速く走れたかもしれないけれど、11秒差をつけることができました。とても満足のいく週末でした」
ピーター・ヒックマン(5位/2位)「今回のレースは最高でした。特に第2レースでは2位表彰台に立てたから。マシンをここまでよくするために何年もかかったので、本当に何と言ったらいいのかわかりません。ようやく優勝争いのできるマシンになりました。マシンに乗るのが本当に楽しい。今回は予選も5番手といい走りができました。決勝は雨になりましたが、感触はよかった。自分たちはやっとスタートしたところ。これからのシーズンが楽しみです」
清成龍一(10位/19位)「フリー走行を終えたときの感触はよかった。ドライコンディションだったら、もっといいレースができたと思います。しかし、決勝は雨になり、両レースともに問題を抱えてしまいました。前回のクロフトとは違うセッティングを試したけれど、プッシュすることができませんでした。次のラウンドでは再び速くなるようにがんばって、チャンピオンシップでの遅れを取り戻さなければなりません。前戦クロフトは本当に悔しいレースでした。今回は絶対に表彰台に立たなければならないと思っていただけに、残念でした」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | M.ラバティ | ヤマハ | 15 | 20:42.995 |
2 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 15 | +1.281 |
3 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 15 | +1.333 |
4 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 15 | +1.923 |
5 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 15 | +2.473 |
6 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 15 | +3.097 |
10 | 1 | 清成龍一 | Honda | 15 | +17.132 |
11 | 19 | スティーブ・ブロガン | Honda | 15 | +28.375 |
14 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 15 | +37.257 |
15 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 15 | +44.373 |
19 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 15 | +54.404 |
23 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 14 | +1Lap |
DNF | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 6 | +9Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 67 | シェーン・バーン | Honda | 15 | 20:07.763 |
2 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 15 | +10.618 |
3 | 21 | J.ホプキンス | スズキ | 15 | +15.524 |
4 | 33 | T.ヒル | ヤマハ | 15 | +16.980 |
5 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 15 | +17.128 |
6 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 15 | +17.983 |
15 | 19 | スティーブ・ブロガン | Honda | 15 | +45.037 |
17 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 15 | +49.351 |
18 | 45 | グレン・リチャーズ | Honda | 15 | +50.283 |
19 | 1 | 清成龍一 | Honda | 15 | +57.044 |
21 | 24 | パトリック・マフ | Honda | 15 | +59.571 |
23 | 81 | グレーム・ゴウランド | Honda | 15 | +1:14.565 |
25 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 15 | +1:20.737 |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | シェーン・バーン | Honda | 136 |
2 | J.ホプキンス | スズキ | 121 |
3 | S.イーストン | カワサキ | 89 |
4 | T.ヒル | ヤマハ | 70 |
5 | M.ラバティ | ヤマハ | 69 |
6 | ピーター・ヒックマン | Honda | 68 |
7 | 清成龍一 | Honda | 65 |
13 | ダン・リンフット | Honda | 44 |
16 | トミー・ブライドウェル | Honda | 28 |
19 | グレン・リチャーズ | Honda | 16 |
20 | スティーブ・ブロガン | Honda | 8 |
27 | パトリック・マフ | Honda | 1 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 163 |
2 | スズキ | 137 |
3 | ヤマハ | 129 |
4 | カワサキ | 112 |
5 | ドゥカティ | 68 |
6 | BMW | 11 |
7 | アプリリア | 5 |