round 09

August 30 2010
British Superbike Championship Cadwell Park 2
第9戦 キャドウェルパーク

清成2レースともに3位で総合首位
ブルックスは2位/優勝で総合3位をキープ
HM Plant Hondaの両選手が、ラスト3戦のチャンピオン争いに名乗り

英国スーパーバイク選手権の第9戦キャドウェルパーク決勝が、「バンクホリデー」と呼ばれる祝日の8月30日(月)に行われた。5月の第4戦に続き、同サーキットでは今季2回目の開催。キャドウェルパークは、HM Plant Hondaが拠点を置くイングランド中部のラウス郊外にあり、同チームにとってはホーム大会となる。5月の大会では、第1レースで清成龍一、第2レースでジョシュ・ブルックスがそれぞれ優勝し、同チームにとっては最高の形で大会を締めくくった。今大会も完全勝利を目標に、両選手ともに気合の入った走りを見せた。

第1レースは、好スタートを切ったブルックスが2位を獲得。清成が3位。第2レースはブルックスが優勝、清成3位と、2レース完全勝利は果たせなかったが、両選手が2レースともに表彰台に立つすばらしい活躍となった。また、この大会を終えて総合6位までの選手が、残り3戦で繰り広げられるチャンピオン争い「ザ・ショーダウン」にノミネートされる。

「ザ・ショーダウン」とネーミングされた新ルールは、第9戦となる今大会を終えた段階で、総合6位までの選手にチャンピオン争いの権利を与えるというもので、それぞれの選手に500点を与え、9戦までの表彰台ポイント(1位3点、2位2点、3位1点)を加えた点数をもとに、残り3戦7レース(最終戦は3レースが行われ、残り3戦は通常のポイントが加算される)でタイトルを決めるというものだ。

  • ジョシュ・ブルックスジョシュ・ブルックス
  • ジョシュ・ブルックスジョシュ・ブルックス
  • 清成龍一清成龍一
  • 清成龍一清成龍一
  • ジェームス・エリスンジェームス・エリスン
  • スチュアート・イーストンスチュアート・イーストン

今大会の結果、清成が525点で総合首位。2位には、第1レースで優勝、第2レースで2位になり、清成と同ポイントで並ぶものの優勝回数で劣るために2位のトミー・ヒル(スズキ)。続いて、ブルックスが524点で総合3位。以下、マイケル・ルター(ドゥカティ)510点、マイケル・ラバティ(スズキ)509点、アラステア・シーリー(スズキ)505点と続き、この6選手でタイトルが争われることになった。これまでとまったく違うルールで行われるタイトル争い。まさに、ここから3戦が本当の勝負となる。

この日、両レースともに3位の清成は、予選3番手から決勝に挑んだが、スタートで前に出られず苦戦。第1レースは、ルターとラバティをなかなか抜けず、その間にヒルとチームメートのブルックスの先行を許し、後半の猛烈な追い上げも届かなかった。第2レースも、ヒルとブルックスに先行を許し、その後追い上げて背後に迫ったが、転倒者が出て赤旗中断。レース周回の3分2を消化していたことからレースが成立し、逆転のチャンスを逃してしまった。しかし、「ザ・ショーダウン」ではトップに浮上、BSBに3年ぶりに復帰した清成が、3年ぶり3回目のタイトル獲得に向けて大きく前進した。

予選2番手から決勝に挑んだブルックスは、第1レースは好スタートからレースの主導権を握るも、ヒルに逆転されて2位。第2レースはサスペンションのセッティングを変更し、それが功を奏して見事優勝。清成とヒルに1点差に迫る総合3位に入り、ラスト3戦のチャンピオン決定戦に、清成とともに名乗りを挙げた。

以下、CBR1000RR勢は、ジェームス・エリスン(Swan Honda)が両レースで6位。チームメートのスチュアート・イーストンが10位/11位と、ともにポイントを獲得した。しかし、イーストンは総合8位、シーズン序盤ケガのために欠場が続いたエリスンは総合9位で、「ザ・ショーダウン」進出を逃した。

コメント

ジョシュ・ブルックス(2位/優勝)「第1レースはいいスタートが切れたが、トミーがすぐ後ろにいてプッシュしてきた。その後、彼に抜かれたが、何とかついていこうとがんばった。しかし、いくつかのコーナーで彼の方が速く、抜き返すことができなかった。このレースのデータをもとに、第2レースはサスペンションを硬めにセッティングした。それでバランスが改善されて、フィーリングもよくなった。第2レースもすぐ後ろにトミーとキヨ(清成)がいて厳しいレースとなったが、最後は赤旗中断でそのまま勝利を手にすることになった。第2レースはラッキーだったが、中断にならなくても勝てる自信はあった。今日は2レースともに表彰台に立ててよかった」

清成龍一(3位/3位)「第1レースはスタートに失敗して厳しいレースになってしまった。ルターとラバティとバトルになり、彼らを抜いてからペースを上げることができたのだが、前を走るヒルとブルックスとは差がつきすぎていて、追いつくことはできなかった。しかし、何とか表彰台に立ててよかった。第2レースはセッティングを変更してよくなったのだが、ヒルとブルックスの方が速いコーナーがあり、なかなか前に出ることができなかった。5月の大会は優勝とリタイア。今回は2レースともに優勝を狙っていたので残念だ。しかし、2レースともに表彰台に立てて、チャンピオンシップでも首位に立てたのでよかった」

ジェームス・エリスン(6位/6位)「2レースともに6位だったが、もっといいリザルトを期待していたので、残念だった。しかし、このリザルトを得るために今日は全力を尽くさなければならなかった。課題はコース後半のタイトなコーナーが続く区間。ここで気持ちよく走ることができなかった。5月のレースに参加していない分、遅れているが、セッションごとにタイムを上げられていただけに残念だった。次戦のクロフトではいいレースをしたい」

スチュアート・イーストン(10位/11位)「今回もセッティングに苦労した。ブレーキングポイントでは問題はないのだが、高速セクションでうまく走れなかった。この問題の解決に3日間取り組んだが、最後まで改善されなかった。同じような問題をチームメートのジェームスも抱えていた。残念なレースだったが、気持ちを切り替えて、次戦のクロフトに挑みたい」

決勝

レース1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
133T.ヒルスズキ1826:25.609
24ジョシュ・ブルックスHonda18+5.116
38清成龍一Honda18+7.092
47M.ラバティスズキ18+12.522
56M.ルタードゥカティ18+14.623
62ジェームス・エリスンHonda18+20.822
 
103スチュアート・イーストンHonda18+34.945
119クリス・ウォーカーHonda18+49.900
1521トム・タンストールHonda18+1:04.821
1975クレイグ・フィツパトリックHonda17+1Lap
2254スティーブ・ヘネガンHonda17+1Lap
DQ46トミー・ブライドウェルHonda0 -

レース2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
14ジョシュ・ブルックスHonda1319:00.530
233T.ヒルスズキ13+0.230
38清成龍一Honda13+0.888
47M.ラバティスズキ13+5.071
56M.ルタードゥカティ13+11.719
62ジェームス・エリスンHonda13+13.178
 
846トミー・ブライドウェルHonda13+21.347
113スチュアート・イーストンHonda13+27.640
159クリス・ウォーカーHonda13+35.609
1921トム・タンストールHonda13+44.581
2475クレイグ・フィツパトリックHonda12+1Lap
2554スティーブ・ヘネガンHonda12+1Lap
ポイントスタンディング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1清成龍一Honda 525
2T.ヒルスズキ 525
3ジョシュ・ブルックスHonda 524
4M.ルタードゥカティ 510
5M.ラバティスズキ 509
6A.シーリースズキ 505
 
8スチュアート・イーストンHonda128
9ジェームス・エリスンHonda121
10クリス・ウォーカーHonda97
11トミー・ブライドウェルHonda82
25トム・タンストールHonda6
26クリスチャン・イドンHonda5
33クレイグ・フィツパトリックHonda1
37スティーブ・ヘネガンHonda0
45ガイ・マーティンHonda0

※上位6名(ザ・ショーダウン進出)のポイントは第9戦までの表彰台獲得回数に応じて算出されています

マニュファクチャラー

順位 マニュファクチャラー ポイント
1Honda424
2スズキ372
3ドゥカティ246
4カワサキ202
5ヤマハ96
6BMW28
7アプリリア2
8KTM1