前戦キャドウェルパークから1カ月のインターバルを経て、バーミンガム近郊のマロリーパークで、第5戦が行われた。今大会は連日好天に恵まれ、決勝日は最高気温が26℃まで上昇。絶好のコンディションで熱戦が繰り広げられ、前戦キャドウェルパークで今季初優勝を達成している清成龍一(HM Plant Honda)が、今大会も好調をキープ。第1レース、第2レースともにライバルを圧倒する快走で、今季初の2レース完全優勝を果たした。チームメートのジョシュ・ブルックスが2レース連続で2位。マロリーパークは、ラップタイムが1分を切る2.2691kmのショートコースでHM Plant Hondaが2レースともに、1-2フィニッシュを果たした。
4戦を終えて総合5位のスチュアート・イーストン(Swan Honda)が5位/リタイア。イーストンのチームメートで、開幕戦ブランズハッチで3位、優勝と好調なスタートを切りながら、第2戦スラックストンで大たい骨を骨折し、欠場していたジェームス・エリスンが今大会から復帰、13位/12位だった。
2大会連続優勝。今大会の完全Vで今季3勝目を達成した清成は、2レースともに力強い走りで勝利を収めた。予選では開幕戦ブランズハッチ以来となる2回目のトップタイムをマーク。今年から予選方式が変更されて、第1レースのベストタイム順で第2レースのグリッドが決まることから、両レースともにPPでのスタートとなった。
第1レースは、レース序盤に転倒車が出て赤旗中断。2周目の順位で、30ラップを25周に減算して再スタートが切られたが、再開されたレースでもまずまずのスタートを切り、中盤に差し掛かるころにはトップに浮上して優勝。このレースでベストタイムをマーク。第2レースも今季5回目となるPPでスタートした清成は、混戦の中で序盤こそ3番手だったが、中盤にトップに立つと後続を突き放した。
前戦キャドウェルパークは、第1レースで優勝も第2レースはトラブルでグリッドにつけない悔しいレースだった。その雪辱を見事に果たす快走を見せ、この2戦4レースで、スタートを切った3レースすべてで完勝という強さだった。これで総合8位だった清成は4位に浮上。この日、リタイア/8位に終わった総合首位のトミー・ヒル(スズキ)との差を4戦終了時点の68点から一気に26点へと縮めた。
総合2位につけるブルックスは、予選5番手から両レースで2位。優勝こそチームメートの清成に譲ったが、総合ポイントではヒルとの差を36点から4点へと縮めた。総合5位につけていたイーストンは第1レース5位。第2レースはシケインの縁石にエンジンガードをぶつけるというミスでリタイアに終わった。チームメートで今大会からカムバックしたエリスンが両レースでポイントを獲得した。
マロリーパークは、ラップタイムが1分を切る2.2691kmのショートコース。右回りのハイスピードコースだ。清成とブルックスは、CBR1000RRのパフォーマンスを遺憾なく発揮した。
清成龍一(優勝/優勝)「今日はとても厳しいレースだった。そんなレースで2レースともに優勝できて、とてもうれしい。第1レースは、ラバティ(スズキ)の後ろを走ることになった。なかなか抜けなかったが、中盤、シケインのブレーキングで彼を抜いた。突っ込みすぎて彼を押し出すことになってしまい、ラバティには申し訳ないことをした。第2レースも序盤はやや出遅れた。このレースはジョシュとのレースになると思っていたし、その通り一騎打ちとなったが、後半は彼にリードを築くことができた。今年になって初めての完全V。本当にうれしい」
ジョシュ・ブルックス(2位/2位)「ウオームアップから第1レース、そして第2レースと常にバイクのセッティングを変更する一日だった。それがうまくいって、2レースともに優勝争いに加わることができた。しかし、今日のキヨは速くて、彼についていったら、きっと転んでいたと思う。彼は今日、コーナーの出口で自分よりアドバンテージがあって速かった。チャンピオンシップのことや、キヨの仕上がりのよさを考えれば、今日は2位でよしとした。実際にチャンピオンシップでは大きく差を縮めることができたし、とてもうれしい」
スチュアート・イーストン(5位/リタイア)「予選までうまくいかずに14番グリッドだったことを思えば、今日の第1レースの結果には満足している。第1レースは序盤に赤旗中断となり、それでスタートグリッドが上がってラッキーだった。第2レースは2列目に並ぶことができたのだが、バスストップシケインでエンジンケースを縁石にぶつけて転んでしまった。第2レースは残念だったが、今回はチームメートのジェームスの復帰レースとなり、再び2人で戦えることがうれしい。次は自分のホームレース。今回の雪辱を果たしたい」
ジェームス・エリスン(13位/12位)「高い期待を抱いて復帰したけれど、正直、厳しいレースだった。しかし、ポイントを獲得するために、2レースともにベストを尽くした。満足いくレースではなかったが、こうしてポイントを獲得できてよかった。今日は2レースともに体力が続かなかったが、自分の回復状況を知るにはとても重要なレースになった。まだまだ十分ではないが、第1レースより第2レースの方がずっと楽しく気持ちよく乗れたのがうれしかった」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 清成龍一 | Honda | 25 | 23:42.274 |
2 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 25 | +1.820 |
3 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 25 | +3.573 |
4 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 25 | +3.753 |
5 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 25 | +13.883 |
6 | 9 | C.ウォーカー | スズキ | 25 | +14.155 |
11 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 25 | +21.571 |
13 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 25 | +37.820 |
15 | 21 | トム・タンストール | Honda | 25 | +46.226 |
17 | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 25 | +47.528 |
22 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 23 | +2Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 清成龍一 | Honda | 30 | 28:20.065 |
2 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 30 | +3.601 |
3 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 30 | +9.726 |
4 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 30 | +10.819 |
5 | 9 | C.ウォーカー | スズキ | 30 | +19.126 |
6 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 30 | +21.249 |
9 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 30 | +23.326 |
12 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 30 | +39.495 |
16 | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 30 | +53.274 |
20 | 21 | トム・タンストール | Honda | 29 | +1Lap |
DNF | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 3 | +27Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T.ヒル | スズキ | 154 |
2 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 150 |
3 | M.ラバティ | スズキ | 133 |
4 | 清成龍一 | Honda | 128 |
5 | M.ルター | ドゥカティ | 114 |
6 | J.ラバティ | カワサキ | 98 |
7 | スチュアート・イーストン | Honda | 92 |
10 | トミー・ブライドウェル | Honda | 55 |
11 | ジェームス・エリスン | Honda | 48 |
24 | クリスチャン・イドン | Honda | 3 |
29 | トム・タンストール | Honda | 2 |
30 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 1 |
36 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
44 | ガイ・マーティン | Honda | 0 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 228 |
2 | スズキ | 207 |
3 | ドゥカティ | 121 |
4 | カワサキ | 96 |
5 | ヤマハ | 53 |
6 | BMW | 18 |
7 | KTM | 1 |
8 | アプリリア | 0 |