
英国スーパーバイク選手権(BSB)第4戦が、イングランド中東部にあるリンカーンシャー州のキャドウェルパーク・サーキットで開催された。第1レースでは、好スタートからトップに立った清成龍一(HM Plant Honda)が今季初優勝を達成。第2レースでは、チームメートのジョシュ・ブルックスが優勝。キャドウェルパークをホームとするHM Plant Hondaが2レース完全Vを達成した。
今大会は29台が出場した。レースウイークを通じて天候に恵まれ、フリー走行、予選とレベルの高いセッションが繰り広げられた。予選は、ブルックスが2番手、清成龍一は4番手。6番手にトミー・ブライドウェル(Quay Garage Racing)、7番手に総合2位につけるスチュアート・イーストン(Swan Honda)と、CBR1000RR勢がトップ10に名前を連ねた。
HM Plant Hondaチームの本拠地は、サーキットからほど近いラウスの街にある。チームの応援団が大挙して詰めかけた決勝第1レースは、予選4番手から決勝に挑んだ清成が好スタートからトップに立ち、PPスタートのトミー・ヒル(スズキ)、マイケル・ラバティ(スズキ)、マイケル・ルター(ドゥカティ)らとトップグループを形成。グループの先頭に立った清成は快調にラップを刻み、後続をジリジリと引き離し始めた。後半には2秒近いリードを築いたものの、痛恨のコースアウトを喫し、一時は2番手へとポジションを落とした。しかし、M.ラバティ、ルターらを振り切って、今季初優勝を飾った。総合首位のヒルは、転倒リタイアに終わった。
過去、BSBに参戦していた4年間で、清成は唯一、キャドウェルパークでの優勝経験がなかった。その一因には、キャドウェルパークの不安定な天候に翻弄されたこともあるが、今年は3日間を通じて天候に恵まれ、本来の力を発揮することができた。
第2レースは、清成がマシントラブル発生のため、グリッドにつけないままリタイアするハプニングで地元ファンをがっかりさせた。代わって、第1レースで5位と悔しいレースに終わっていたブルックスが快走。第1レースでも清成を追ったヒル、M.ラバティ、ルターらを振り切って今季2勝目を達成。総合成績も3位から2位に浮上した。第2レースをリタイアの清成も、第1レースの優勝で、総合8位は変わらないものの、上位陣とのポイント差を縮めた。
第3戦終了時点で総合2位と、CBR1000RR勢で最上位につけたイーストンは、予選7番手から決勝に挑み、第1レースは転倒リタイアに終わった。その転倒によるマシンへのダメージが大きく、第2レースはなんとかグリッドに並んだものの、完全な状態にはほど遠く、10位がやっとという悔しいレースとなった。総合ランキングは、2位から5位へとポジションを落としたが、タイトル争いに加わったまま、ブルックス、清成とともに、シリーズ中盤戦に挑む。
清成龍一(優勝/リタイア)「今大会は、チームのホーム大会なので、いい成績を残したいと思っていた。大会一週間前には子供も生まれているので、子供のためにも優勝したかった。キャドウェルパークは、過去BSBに参戦していたころに、唯一優勝できなかったサーキットだ。今年はここでどうしても勝ちたいと思っていたので、本当にうれしい。第1レースは、スタートもよく、ペースもよかった。第2レースは、トラブルのためにスタートできなかったが、ここで優勝することができて、本当にうれしい」
ジョシュ・ブルックス(5位/優勝)「第1レースはいいスタートが切れたし、序盤、タイヤのグリップがいいときにリードを広げることができた。今日はスムーズに気持ちよく走ることができた。今日のCBR1000RRはとてもよかった。そのアドバンテージを生かすことができた。第1レースはミスをして5位に終わっていたので、こうして優勝できて本当にうれしい」
スチュアート・イーストン(リタイア/10位)「第1レースでビッグクラッシュを喫し、マシンが大きなダメージを受けたが、チームが全力で修復してくれたおかげで第2レースでポイントを獲得することができた。第2レースは、エンジンも載せ換えたため、電気系の調整ができないままスタートすることになった。そのためわずか6ポイントしか取れなかったけれど、ベストを尽くしてくれたチーム、スタッフに感謝したい。でも、今日のレースは、残念という言葉しか浮かんでこない」
レース1
| 順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 8 | 清成龍一 | Honda | 18 | 27:35.356 |
| 2 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 18 | +0.497 |
| 3 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 18 | +1.877 |
| 4 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 18 | +2.528 |
| 5 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 18 | +5.168 |
| 6 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 18 | +7.754 |
| 15 | 21 | トム・タンストール | Honda | 18 | +28.520 |
| 23 | 54 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 18 | +1:04.331 |
| RT | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 8 | +10Laps |
| RT | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 1 | +17Laps |
レース2
| 順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 15 | 22:15.411 |
| 2 | 33 | T.ヒル | スズキ | 15 | +4.398 |
| 3 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 15 | +5.675 |
| 4 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 15 | +5.921 |
| 5 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 15 | +10.465 |
| 6 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 15 | +10.731 |
| 10 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 14 | +1Lap |
| 16 | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 14 | +1Lap |
| 17 | 21 | トム・タンストール | Honda | 14 | +1Lap |
| RT | 54 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 7 | +8Laps |
ライダー
| 順位 | ライダー | マシン | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | T.ヒル | スズキ | 146 |
| 2 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 110 |
| 3 | M.ラバティ | スズキ | 101 |
| 4 | M.ルター | ドゥカティ | 88 |
| 5 | スチュアート・イーストン | Honda | 81 |
| 6 | J.ラバティ | カワサキ | 80 |
| 8 | 清成龍一 | Honda | 78 |
| 10 | ジェームス・エリスン | Honda | 41 |
| 12 | トミー・ブライドウェル | Honda | 38 |
| 23 | クリスチャン・イドン | Honda | 3 |
| 28 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 1 |
| 29 | トム・タンストール | Honda | 1 |
| 35 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
マニュファクチャラー
| 順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | Honda | 178 |
| 2 | スズキ | 175 |
| 3 | ドゥカティ | 95 |
| 4 | カワサキ | 77 |
| 5 | ヤマハ | 40 |
| 6 | BMW | 16 |
| 7 | KTM | 1 |
| 8 | アプリリア | 0 |